LAPRASの資金調達の話をしようか
このエントリーはエンジニア転職及びエンジニア採用のLAPRASを提供する、LAPRASのアドベントカレンダーの25日目のエントリーです!
こんにちは!
現在、LAPRASというスタートアップで経営企画/財務しています小島(@ojimakoto91)です。
私事ながらスタートアップに転職してもうすぐ2年が経とうとしています。
この2年間の中で最も大きなプロジェクトは「資金調達」です。
今回は話せる範囲で当該資金調達プロジェクトのリードプロセスを書いていこうと思います。
資金調達はやっぱり大変
最初に所感ですが、弊社の資金調達も一筋縄ではいきませんでした。
資金調達環境は、2010年代後半においてスタートアップ各社がバンバン調達している状態でしたが、2022年あたりからスタートアップ冬の時代へ突入したと言われています。
弊社も資金調達調達できたものの市場環境の変化に苦戦させられました。
だからなんやねん、なにくその精神
と、外部環境の変化をつらつらと書いたものの、結局はやるか・やらないかだと思います(ゾス!コッカラッス!の精神)
粛々とやるべきことを積み上げた結果、しっかり事業成長に必要な資金を調達することができています。
資金調達は事前準備が9割
資金調達活動を振り返るとなるべく先回りして、準備しておくことに注力していたなぁと。
(それでもボロがでたり、ミスしたりはあったけど、、、)
エクイティ調達のプロセス
事業計画策定
損益計算書(PL)計画作成
PL計画達成に必要な調達額のsim(BS/CF計画作成)
事業計画から導き出せる想定Valのsim
資本政策sim作成(資本構成等)
全体の整合性確認(おかしい場合1へ戻る)
ピッチ資料作成
経営陣との意思決定議論
事業戦略の方向性と事業計画数値に齟齬が無いか確認
事業計画に基づく資金調達額の確定
資本政策simの認識共有
ロングリスト作成
ロングリストソースの入手
ちなみに色々見た結果keyさん(@toroymoi3101)作成のスプシを引用させていただきましたmm
競合出資先フィルター作成
プレスリリース等で収集
代表とディスカッション
過去のアタック先やら関係性の有無やら確認
ショートリスト化
ロングリストをたたき台に既存投資家とのディスカッション
タッピング
接続可能先をひたすら紹介依頼(既存投資家、知り合い経由)
ピッチ(代表と同席)
ピッチの反省を基に資料修正
交渉
Valやら出資額やら株主間契約やらの交渉
エグゼキューション~クロージング
一般論なので省略
1~4までがしっかりできていないと後のタッピング以降になかなか進めないため、資金調達は改めて事前準備は9割だなぁと書きながら感じているところです。
プロセスを見ていただいてわかる通り、資金調達額は事業計画からの逆算で決まります。だから事業計画はとても大事。
デット調達のプロセス
今回の資金調達では、りそな銀行及び日本政策金融公庫から融資をいただいています。
元々、事業再生系のコンサルティング会社にいたこともあり、相応に金融機関とコミュニケーション経験があったため、大きな問題も無く弊社の事業状況に合わせた融資スキームを担当の方々と一緒に模索することができました。
事業計画策定
作成プロセス自体はエクイティ調達と一緒
更に事業計画保守パターンの作成
保守パターンでの融資返済の蓋然性検証
金融機関探索
スタートアップ融資に積極的な金融機関の探索
詳細は省略しますので気になる方はDMください
既存投資家等をつたって金融機関紹介を依頼
タッピング
ピッチ
事業計画数値の説明
定期コミュニケーション
最新の試算表を提出しつつ融資できる条件等のディスカッション
融資実行
デット調達において必要なのは、返済の蓋然性と信頼関係の構築に尽きる気がします。
返済の蓋然性
返済の蓋然性とは、つまるところ、最悪のケースでもお金返せるの?という話です。
アグレッシブ計画とコンサバ計画どちらも作っているスタートアップが多い中で、エクイティ(投資家)はアグレッシブ計画を信じていただいており、デット(金融機関)はコンサバ計画を基に判断いただいているという認識です。
後は事業計画数値を作りこむ中で、BS計画をしっかり作る(できるならCFまで)ことがめちゃくちゃ重要です。
PLとの連動性や金融機関借入・返済を考慮し、現預金ポジションを気にしながら作りこみます。
信頼関係の構築
後は、金融機関とこんな状況になったらあーする・こーするを会話し続けることも重要です。
(特にスタートアップでは)1回の面談で「はい融資します」とはほぼなりません。
初回面談から融資実行まで早くても3か月程度はかかると思った方が良いです。
エクイティイベントと違って明確なDDフェーズがありませんが、初回面談からDDされていると思って接しました(エクイティでもそうだけど、、、)。
私の場合、初回面談以降、毎月試算表を提出しつつ、複数回のmtgで信頼の貯金を溜めていきました。
折衝窓口は代表が出れば良いというものでなく、あくまでも社内で財務に最も詳しい方がコミュニケーションを取る方がベターです。
当たり前ですが金融機関特有の専門用語や慣習、自社のビジネスモデルから財務モデルまで理解している方が先方も安心します。
まとめ
苦労話はたくさんあるのですが、どちらかと言うとこんなプロセスで進めたよという話の方が有益な情報発信になるかな?と考え、こんな内容にしてみました。
是非、ファイナンス関係の仕事をしている方がいらっしゃれば、感想やご指摘・アドバイスをいただけますと幸いに存じます。
当たり前ですが、本来、資金調達はそれそのものが価値を生むものではなく、調達した資金をどのように運用して企業価値を上げていくのかが重要だと考えています。
序盤にリンク付けしたプレスリリースや日経の記事も意図的に「これからLAPRASが何をしようとしているのか」に着目した内容にしていますので、是非今後のLAPRASに注目いただけますと幸いに存じます。
これで2024年のLAPRASのアドベントカレンダーを終了します。
ありがとうございました。