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100も承知!?横書きのときの数字。漢数字?アラビア数字(算用数字)?

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お字書き、書道とは少し離れた?ネタになってしまいましたが、文字は文字、数字の歴史を追ってまいりました。

未読の方は是非読んでみてください↓↓↓

ちなみにサムネ画像に使ったのは「白舟篆書年賀」という篆書体のフリーフォント。本当に便利なありがたい世の中です。

さて、今回は数字のこぼれ話。

・漢数字(一二三四五六七八九〇)
・アラビア数字(1234567890)※算用数字とも言う

皆さんはどんな使い分けをしていますか?


縦書きは漢数字、横書きはアラビア数字


原則的には、数字を、縦書きで書くときは、漢数字。横書きで書くときは、アラビア数字。これは広く一般的に共通理解があるのではと思います。
まあでも絶対ということもなく、例えば、

1  2  3
 位    位  位

と書いてあったとしても、意味は変わらないし、見た目にも即座に理解できるという点でも問題ないでしょう。特に、「一二三」の場合、線の本数が異なるだけなので、縦書きでも「123」と書いた方が視認性が良いということもあるかもしれません。


横書きで漢数字を使う場合


インターネットの世界や、日ごろ目にする書類も今やほとんどが横書き(縦書きは本くらい?)。横書き時の数字はアラビア数字!と先ほど言いましたが、数字が出てくる場合、その全てをアラビア数字で書くわけではありません。

  • 1石2鳥

  • 1言1句

  • 9死に1生

  • 100聞は1見に如かず

  • 10中8,9

  • 2者択1

  • 6法全書

  • 46時中

  • 1000里の道も1歩から

  • 7福神

  • 753

  • 初7日

  • 唯1無2

  • 目を閉じれば幾1000の星

変ですね(笑)多大なる違和感。
もちろんPC等でこのような言葉を表示する場合、ひらがなで出してから変換すると漢数字が現れますので、これらの言葉でアラビア数字が使われている場面を見たことはないかと思います。

  • 一石二鳥

  • 一言一句

  • 九死に一生

  • 百聞は一見に如かず

  • 十中八九

  • 二者択一

  • 六法全書

  • 四六時中

  • 千里の道も一歩から

  • 七福神

  • 七五三

  • 初七日

  • 唯一無二

  • 目を閉じれば幾千の星

うん、すっきり。では次の例はどうでしょうか。

  • 1軒家  一軒家

  • 1学期  一学期

  • 2日酔い 二日酔い

  • 丸2日  丸二日

  • 1人   一人

  • 2人   二人

  • 1日   一日

  • 2日   二日

  • 1から説明して! 一から説明して!

  • 1人前になった  一人前になった


どっちが正解!?

これらの事例はアラビア数字でも漢数字でもどちらで書かれていても特段の違和感がないようにも思います。正解は、「1学期」と「丸2日」以外は漢数字で書きます。

もうお分かりかもしれませんが、

熟語など、語の構成用語として用いられる数は漢数字、
数字が他の数に置き換えられる場合はアラビア数字、

という使い分けがあります。

「一軒家」は「二軒家」「三軒家」とは言いません。「二日酔い」も通常は「三日酔い」「五日酔い」とは言いません(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』では「飲むまいと思う暇ない十日酔い」なんて言葉もありましたが)。ある物事が一人で完結できるようになるといったような意味の「一人前になる」も「二人前」になるとは言いません。

なので、これらの場合にはアラビア数字ではなく漢数字が一般的です。
ただし、「かつ丼1人前」という意で使う際には「かつ丼2人前」というように数が変化するため、アラビア数字の方が適しています。

「一日(ついたち)」「二日(ふつか)」「一人(ひとり)」「二人(ふたり)」は、どちらでも良い気がしますし、「1日」「2日」「1人」「2人」の表記も多く見る気がします。
結論から言えばどちらでも良いのですが、ついたち・ふつか・ふたり・ひとりなど昔からあった言い方は漢数字で表すという一応の決まりがあるようです。「一間(ひとま)」「二間(二間)」なども同様に。

和語・大和言葉(日本で古来から使われていた言葉)の数字は横書きであっても漢数字、が原則ということです。

※補足
「ひとりひとり」「ひとつひとつ」のように繰り返しになる場合は、「一人ひとり」「一つひとつ」と書くのが一般的。


大きな桁数の数字


ちなみに、大きな桁数の数字は、横書きでアラビア数字で書く場合、三桁ごとにコンマで区切るという書き方が一般的です。1,000、10,000、100,000など。

ただ、兆・億・万の単位になってくると桁数が多く、瞬時に判別するには漢字を使った方が分かりやすいことが多々あります。そのため、兆・億・万は漢字で書くのが通例となっています。

1億2,456万人(2023年7月1日の日本の人口推計)
80億4,500万人(2023年の世界人口推計)
107兆5,964億円(2022年度の歳出予算案) など

言わずもがなですが、西暦にはコンマは付けません。また、1億2,456万3,000人、というように、千の位より下は漢数字を用いません。


これらは、文化庁が作成する新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)(p.17)に記載されています。言葉の絶対的な取り決めは難しく、原則事項を定めるとともに、その上で「相手に分かりやすく書く」ことが最も大切なことであることはこの報告書内にも記載があります。


文章も話し言葉も、読み手・聞き手のことを思いやる。改めて、肝に銘じたいと思います。



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