一斉にみんながボートから飛び降りて、プールサイドに一斉に並んだ。僕も、前の奴に続いてよろけながらボートから降りた。みんなが手を床につけて腕立て伏せの姿勢をとる中、僕は一番端まで行って、同じ姿勢をとった。
「始め!」
皆で一、二と掛け声をかけながら体を沈めては持ち上げるのを繰り返していた。僕も声を出そうとしたが、大量に水を飲んだせいか、ゲホッゲホッと喉から水が出てくるばかりで声にならなかった。四五回腕を畳むとすぐに腕が上がらなくなり、腕を曲げたまま下を向いて水を吐き続けた。
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