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シリーズ読書感想文|精読・整理・思索 第三回 「カモメに飛ぶことを教えた猫」


(はじめに)

 こんにちは、吉村うにうにです。普段は、小説、エッセイ、詩、童話などを書いております。ちなみに記事はこんな感じ

毎回、不定期的に本を取り上げ、その内容をまとめ、考察したことを述べていきたいと思います。以前からやってみたかった「読書感想文」のようなものです。

構成はこんな感じ

(一)まず、短いまとめから入ります。この記事は、読書会の資料を兼ねていますので、1000文字以下を目途に、本の紹介、感想を簡単に書きます。これは、読書会で紹介する方向けですので、深掘りよりも、分かりやすさ、魅力の紹介に重点を置きます。「こんな本なんだ」と、ここだけ読んで頂いても嬉しいです。
(二)つづいて、内容を深めに紹介します。但し、こちらは私の備忘録に近いので、読みやすさを優先しておりません。
(三)最後に、本から学べたことを述べたり、自分の身近な話に例えたり、考察したりします。ここはダラダラ書きますがご容赦ください。「うにうにってこんなことを考えているんだ」というのを共有して頂ければ嬉しいです。「私ならこう考える」と一緒に考えて頂けても嬉しいです。
(はじめに)と(さいごに)だけ敬体で、(一)(二)(三)に関する話は常体で書きます。
(一)と(二)(三)はおそらく被るので、何度も同じワードに出くわしたらごめんなさい。

それでは、今回の本はこちら

「カモメに飛ぶことを教えた猫」です。ルイス・セプルベダさんの著作。今回は読書会で、「二冊発表すること」になったので、急遽入れたものです。だから、前回までと違って短縮版になっています。

(一)まとめ⇇お時間のない方はこちらだけ

 港町に住む太った飼い猫であるゾルバは、ある日油にまみれた瀕死のカモメと遭遇する。彼女はゾルバを見て三つの頼みをする。「卵を産むから食べないで」「雛がかえったら育てて」「雛が大きくなったら飛ぶことを教えて」。ゾルバは港猫の名にかけて約束し、近くのレストランに住む「秘書」と「大佐」、博物館に住む「博士」、船に乗る猫「向かい風」の協力を得て、死んでしまった母カモメの代わりに野良猫やネズミから雛を守りつつ育て、フォルトゥナータと名付ける。
 猫たちが何度も試行錯誤と繰り返した結果、ついにカモメは飛ぶ。
 単純な難問を乗り越えるという話だが、シンプルイズベストでストーリーが予想通りでも感動する。物語で大切なのはキャラの見せ方と丁寧な展開のさせ方だと学んだ。

(二)整理(内容まとめ)注意:ネタバレです。

 港町に住む太った飼い猫であるゾルバは、ある日油にまみれた瀕死のカモメと遭遇する。彼女はゾルバを見て三つの頼みをする。「卵を産むから食べないで」「雛がかえったら育てて」「雛が大きくなったら飛ぶことを教えて」。その後母カモメは死んでしまう。ゾルバは港猫の名にかけて三つの約束を守ろうとする。近くのレストランに住む「秘書」と「大佐」、博物館に住む「博士」、船に乗る猫「向かい風」の協力を得て、野良猫やネズミから雛を守りつつ育て、フォルトゥナータと名付ける。

 大きくなったフォルトゥナータに飛ぶ練習をさせようとするが、何度も失敗する。フォルトゥナ―た自身も、カモメとして生きるより猫として生きたいと切望する。そこでゾルバは博士の許可を得て、人間の詩人に飛び方を習う。

 詩人が付き添い、ゾルバが勇気づける中、ついにカモメは飛ぶ。

(三)思索してみて

 短くて単純な物語だが、必要な要素はすべて入っていて、短編の教科書のように感じた。

難題がふりかかり、仲間を集め、対立関係にある敵を倒し、もしくは懐柔し、主人公自信が学び、難題を乗り越える。

 ゾルバ、秘書、博士、助手、向かい風、など登場人物(猫物?)のキャラがはっきりしていてわかりやすい。

 不思議な能力(許可があれば猫は人間と話すことが可能)や、猫が百科事典を使うなど現実離れしたところをサクッと入れているが、それに対して不自然さを感じない。実は、創作で一番難しい事だと思う。

 私も、「天国へ行く前に猫になった」という、猫が主人公の小説を執筆中で、そこには特殊な能力を持った(私の場合は猫と話せる人間)キャラが出てくるが、浮かないように(つまり読者に納得してもらうように)するのが難しいと思う。

(さいごに)

 タイトルと帯だけで内容が類推できますが、それでもフォルトゥナータがゾルバをママと慕い、猫になりたいという葛藤を乗り越え、飛ぶことを選んだというストーリーは読者の心に温かいものを残すいい物語だと思いました。

 ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

 


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