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水深800メートルのシューベルト|第222話


「『先生ドクター』はまだ早いよ。」
 ゲイルと紹介された彼は、ママの隣に座ってビールを一口飲んだ。

「でも、来年卒業して研修医(レジデント)になるんでしょう? もうお医者さんみたいなものよ」
 ママは、肘で彼を優しく小突いた。

「ママね、先生と一緒に住んでいるのよ。サンフランシスコで。ママが、彼の部屋で料理作って、お洗濯もしているの」
 顔を赤らめ、嬉しそうに続けた。

「だから、アシェルもうちに来ればいいのよ、ね? 彼はねえ、男らしくて頭も良いし、優しいのよ」

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