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おおいた クリカレ2021 リポート4「Advancedプログラム中間報告会」

Advancedコース、発進。
 Basicプログラムが終わり、息つく間もなくAdvancedプログラムのスタートです。Advancedでは、Basicから選抜された受講生5名と、大分県内・県外の企業がマッチング。受講生はまず「県内企業」の課題に、より具体的に取り組んでいきます。

 ゴールは3ヵ月後。この間に、ビジネスモデルの構築を含めて、企業の収益向上をめざした「事業計画書」を完成させなければなりません。Basicコースで実践してきたデザイン経営の手法を用いて取り組みます。なお、県内企業とクリエイターの組み合わせは、以下の通り。

・川原田印刷社/豊住大輔さん
・あわや/渡辺恭輔さん
・ベストリビング/松野奈帆さん
・地域科学研究所/福田まやさん
・かぼす本家/羽山仁史さん

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Advancedプログラムからは、「かぼす本家」「地域科学研究所」に新しく参画いただきました。また講評には、Basicに引き続き、越田剛史氏に入ってもらいます。

今回のリポートは、県内企業に向けた提案を行う「オンライン中間報告」の様子です。



■その1/豊住大輔さんが川原田印刷社に提案

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内容:「会社理解マニュアルの作成」など
Basicの提案内容を引き継いで企画中。改めてのヒアリングでは、先に提案した「校閲サービス」「自分史のすゝめサービス」は、想像以上にネガティブな反応が多かったので、その具現化の前に、会社内にチャレンジ精神を醸成する土壌づくり・組織づくりが必要だと考えた。その手段として、社員全員とワークショップを行い、会社の現況を整理し、理解を深めるマニュアル作成の提案を構想中。
講評:現況把握が丁寧。潜在課題の洗い出しにシフトしたのは素晴らしい。(越田)
社員向けのWSは、意識改革の要素が入るといいのでは。マニュアル化が業務の見直しを図る機会になれば。(事務局)


その2/渡辺恭輔さんがあわやに提案

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内容:「ノーリフティングケア体験の宿泊施設建設」など
Basicの提案内容を引き継いで企画中。ノーリフティングケアを多くの人に知ってもらうべく、設計施工の計画を立てており、すでに協力可能な施設も見つけている。今後、ツアーメニューの開発。制作物として、ロゴマークに始まり、広報ツールの整備提案を想定。
講評:当事者インタビューなどを通し、ユーザー目線をどこまで反映できるかが鍵。(越田)
計画実現に視点が寄りすぎでは。スケジュール的には一旦プレオープン挟んでもいい。リサーチは既存施設に実際に宿泊してみるとか。(事務局)


その3/松野奈帆さんがベストリビングに提案

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内容:「営業ツールの整備と営業チャンネルの開設」など
Basicの提案内容を引き継いで企画中。コロナによる同社の事業の柱であるB to Bの売上げダウンもあるが、そもそも新規顧客開拓を筆頭に、対外的な広報ツールの整備ができていない。また、現在のカタログはリテーラー向けのため、一般消費者には理解しづらく、技術内容をわかりやすく伝える必要性を痛感。追加リサーチ後、内容はさらにブラッシュアップ予定。
講評:ターゲットであるデザイナーと出会う場はあるのか?またタッチポイントの設定も必要。(越田)
顧客リサーチを具体的にどう進めるか?営業ツールもさまざまな媒体があるので、コンテンツのあり方を決めたら、対象と活用法を検討してほしい。(事務局)


その4/羽山仁史さんがかぼす本家に提案

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内容:「ブランドイメージのコントロール」など
コロナにメイン商品の殆どに社名ロゴが使用されていないなど、デザイン活用が充分ではない。ブランドイメージコントロールを行って、全商品の立ち位置やWebのターゲットを明確にする。オリジナル商品もあるし、自社農園さえ持っているが、明らかに発信不足。例えば、お客様の声を集めるために、かぼす会議(仮称)を開催し、商品開発まで巻き込めないだろうか。
講評:ヒアリングも丁寧。ただ、課題と解決策が複数検討されているので、優先順位をつけたほうがいい。(越田)
写真を変えるだけでも好転の要素はありそう。切り口の事例として、niboshism(https://www.instagram.com/niboshism/)を紹介。(事務局)


その5/福田まやさんが地域科学研究所に提案

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内容:「地域課題解決の意識の社内外インストール」など
自治体向けDXで豊富な実績があるが、今後はシステム開発に留まらず、より広汎な地域課題解決につながるサービス提供をめざしている。そのためには、まず意識を変えることが第一で、さらに現在一部の人材に頼っている提案力を社内全体で共有し、クリエイティブ体勢を整え、その旨内外に向けた発信を行うべきではないか。
講評:提案の3項目を、どんな手順で進めるか。意識が変わり、提案力が高まり、システム事業と連動すれば最も美しいカタチかな。(越田)
サブメニュー的な地域課題解決力の向上によって、売上げの9割を占めるシステム事業のさらなる発展もありそう。(羽山)
全社員を対象にしたツアー的なWSも面白いのでは?既存サービスが実際に地域課題に繋がっている実感を得ることで、意識改革の弾みになるはず。進展を期待している。(事務局)


最終成果報告へ

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 迷ったり、手応えを感じたり、試行錯誤を繰り返す様子が、伝わったでしょうか?プランの精度を上げるための奮闘は続きます。今後は、2月に最終成果報告会。3月には提案した事業を、実際にスタートさせたいと思っています。さらに、1月から受講生は、県外企業の提案にも取り組んでいくことになっており、受講生たちは、冬の寒さを吹き飛ばすような熱気に包まれています。


執筆:Bunbo江副

おおいたクリエイティブ実践カレッジ2021 主催:大分県
おおいたクリエイティブ実践カレッジ2021 企画運営:株式会社ロフトワーク


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