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おおいた クリカレ2021 リポート3「Basicプログラム最終発表会」

ついに最終発表会。
夏真っ盛りに開講したおおいたクリカレ2021。いつの間にか季節は秋に入り、いよいよDay7、最終発表会当日を迎えました。講師による集中講義、緊張の中間発表と講評、Day5のプレスリリース制作を経て、ブラッシュアップを繰り返した提案のお披露目本番です。会場の大分県立芸術文化短期大学の芸術デザイン棟、講義室Aには、受講者を始め、参画企業、講師、事務局スタッフが集まりました。

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オンラインと異なり、リアルなイベントは、やはり賑わいと熱気が違います。さあ、6グループの発表の始まりです。



Aグループ/「自分史のすゝめ」 →川原田印刷社

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概要:同社の既存メニューである自費出版をリブランディング。川原田印刷社の強みを生かした「高齢者向け、自分史制作サービス」の開始とし、既存アセットをリスクフリーな収入源に変えることが可能。高齢者施設の独自サービスとしての展開も視野に。
講評:部数予測などマネタイズへの道筋を鮮明にしたい。家族内で世代間を超えるコミュニケーションのきっかけになれるかもしれない。(田子)
ライバルが多い中、高齢者施設への絞り込みはいい。同様に、同社の自分史は他とどう違うのか?(越田)
短時間によく追い込んだ。実装の希望が見えた気がする。(川原田/川原田印刷社)

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Bグループ/「校閲ビジネス」 →川原田印刷社

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概要:印刷工程の中に組み込まれ校閲プロセスを収益化。誤字のみならず、文章、文脈まで整える校閲作業はニーズが高く、そこから印刷への展開もあり得るし、webも対象となり印刷に縛られないビジネスチャンスも広がる。
講評:とても面白い。リバースエンジニアリングと言える。医学系論文の校閲ビジネスから、健康医療メーカー大手に成長した例もある。印刷を前提としないなら、プレゼン資料も対象になるかも。(田子)
現在最大のライバルであるネット印刷にはないサービス。リサーチを強めて、クラウドワークスやAI背景のサブスクにも対応できれば。ライターとのコラボも考えられる。(越田)

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Cグループ/ノーリフティングケアでよりよい最期を →あわや

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概要:介護者、非介護者ともに負担を軽減するノーリフティングケア。ところが、普及は足踏み。その状況を改善すべく、メーカーと啓蒙のためのフリーペーパーを制作する。
講評:メーカーが資金提供するなら、それはパンフレットでは?内容的に意表を突く要素が少ない。現場で奮闘する当事者の生の声をPodcastなどで発信する方法もあるのでは?いままでのスタイルじゃない方がいいと思う。(田子)
一般への認知を図るなら、紙よりSNSもあり。「より良い最期」というキーワードは、経験の有無で反応は変わるはず。周知の仕方を工夫し、事業に結びつけたいところ。(越田)

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Dグループ/あわやからはじめよう →あわや

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概要:介護者の肉体的負担を減らし、非介護者へのケアを向上させるノーリフティングケア。その正しい理解を促し、普及浸透を図る冊子を制作する。
講評: 本来、業界努力ということかと思うが、社員の関わり方が見えない。 やりたい社員が出てきたら、マンパワー的に対応できるのか。(越田)

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■Eグループ/家具から日田の未来を考える →ベストリビング

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概要:業務用家具メーカーとして一定の位置にあるが、認知不足、発信不足は大きな課題で、その解消のため、日田材を多用するソファ開発を基軸に、HITA-MUKI プロジェクトを提案。
講評:日田杉の特異性はあるのか?また、なぜソファかが気になる。得意だから言うのであれば、もっと転用応用を考えた方がいいのではないか。さらに、家具と空間の境界を取っ払うとか、システムから変えるくらいの覚悟を望みたい。(田子)
知る人ぞ知る会社から、誰もが知る会社へという視点は、とてもうれしいし、そうなりたい。ぜひ、そこへの道筋もご教示願いたい。(中村/ベストリビング)

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Fグループ/工場見学をデザインする →ベストリビング

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概要:日田に拠点を置くベストリビングを通して、旅のように楽しく、モノづくりが体感でき、知的好奇心をくすぐる工場見学会を、ファクトリーツーリズムとして提案。
講評:丁寧で細かな仕掛けが多くて良かった。社員の再教育になる面もいいと思う。日田の食絡めているが、これは記憶に残りやすい。台湾の陶器メーカーで、カフェを作り、器でお茶を提供することで、業績を大幅に伸ばしたケースがある。
滞在時間を増やすオーベルジュ戦略を実行するなら、日田の宿と組んでベストリビングの部屋を作るとかも考えられる。
また、パスポートは、リペアの履歴がわかるカルテ化もいいかも。それと、価格は安すぎ。(田子)
工場見学の有料化は考えたことがなかったので新鮮。(原/ベストリビング)
目的をしっかり設定し、地域とうまく繋がっていきたい。(中村/ベストリビング)

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■総評
全員の発表が終わった後、講師の方から講評をいただきました。

田子氏「短時間によく集中しましたね。いい経験になったと思います。大事なことは、仕組みをいかにデザインするか。相互刺激と相互補完でぜひ現状を突破して欲しいと願ってます。」
越田氏「自身も経験あるんですが、心よりお疲れ様と言いたいです。また、グループでの経験は貴重だったのではないでしょうか。今後は、予測をとことんシビアに考える習慣を付けるといいと思います。」


また、大分県庁から激励の言葉を頂きました。

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最後に、受講生代表から、プログラムの学びについて挨拶を頂きました。

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(おおいたクリエイティブ実践カレッジ2021Basic 修了証)


Advanced コースへ向けて
 Basicコースが終わりました。振り返ってみれば、短期間のわりに非常に濃密な内容だったと思います。受講者はもちろん、講師の方々の熱意が全体に伝わって、良質の緊張感に満ちた時間になりました。アンケートでは、意識変化、機会への感謝、内省など、さまざまな声が聞かれました。Basicコースの体験が、刺激に溢れていたことは疑いがないようです。

 次は、さらにハードルを上げたAdvanced コースへのステップアップが待っています。全受講者の中から5名を選抜、県内企業とのマッチングの上、OJT型で課題解決に実際に取り組みます。企業、そして選抜メンバーも、改めてデザイン経営の本質と直面し、奮闘することでしょう。引き続き、ご注目下さい。

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執筆:Bunbo江副

おおいたクリエイティブ実践カレッジ2021 主催:大分県
おおいたクリエイティブ実践カレッジ2021 企画運営:株式会社ロフトワーク

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