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報われない努力だってある

努力をしても報われないことがあるんだ。
北京オリンピック後の羽生結弦選手の発言に救われた人は少なくないのではないだろうか。

私たちがよく聞く「努力は必ず報われる」という言葉とその裏付けのような話を意気揚々と語る成功者。
でも世の中の9割以上の人は努力をしても報われない経験が少なからずあると私は思う。
どんなに努力して部活に打ち込んでも、どんなに勉強しても1番にはなれなかった。受験に落ちた。なりたいものになれなかった。
私の短い人生の中でさえ、報われなかったことなんていくらでもある。

でも、私たちが日常的に目にするインタビュー記事には「努力は報われる」と平気で書いてある。
当然だ。
この世の99%のインタビューは失敗した人ではなく成功した人に対して行うものだからだ。
世界大会の優勝者や名誉ある賞を受賞した人、素晴らしい研究結果を発表した人。
でもその読者には成功者などほんの一握りだろう。だってその成功者たちに淘汰されてきた人の数の方が圧倒的に多いのだから。

成功者は成功したんだからその人の努力は報われているし、今までやってきたことが正しかったんだ、と信じているはずだ。
たとえその人が成功し続けなかったとしたら、もう私たちの目に触れることはない。その人がその後どうなろうとも、私たちの中ではずっと勝ち組の成功者だろう。そういうものだと思う。

でも羽生結弦選手は違った。
彼は間違いなく世界の中でも有数の誰もが認めるほどのいわゆる成功者だ。
私なんかの想像を絶するような努力を積み重ねてきたことは間違いない。
でもあれだけ注目を集める彼が「努力って報われないなあって思いました」という発言をした。
表に出る人でそれをいう人は少ない。ほぼいない。
でもだからこそ常日頃から私たちが感じているフラストレーションに染み入り、励まされた人が多いのではないだろうか。

かといって私は必ずしも努力は報われないと思っているわけではない。
目標に向かって努力をしてもその目標が叶うとは限らない。でも思いもよらないところでその努力が活きることはあると思う。
たとえ全てを賭けて努力してきたことを成し遂げられなかったとしても、今までしてきたことが全て無駄だったなどということにはならない。
経験値は必ず活きる。
これもまたみんなが感じていることなのではなかろうか。

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