最近の記事

ばけいぬに会う

ばけた犬に会った 多分ばけてる 割とでかめな路地にいて、見てはいけないようなものを視界に入れてしまったことに多少は焦ったが、最近の精神状態を考えると すんなり受け入れてしまった。 「こんにちは。」 「こんにちは。」 ゴールデンレトリバーの形をしたそいつは、いい毛並みをし、あくびをする時に伸ばす首筋がなんとも良く…私は触りたくなる衝動に駆られた。 「さわってもいいですか。」 「だめです。」 そこは機会なんだから受け入れてくれてもいいじゃ無いのとも思ったんだけど、ダメだ

    • 煙草遍歴2

      煙草の目撃情報の中で記憶に残っているものを書いておく、つづき。 2023冬 11月 ルパンZERO観たいなーとか思って逃したのを後悔していたら、煙草を思い出した。 ルパンを真似して吸う人結構いるらしい。 まだ見てないけど、絶対面白いよね。 12月 やっぱり友達が重度の煙草loverで、吸わない時間が長いともじもじしてた。 煙草遍歴を読んでるらしい。 喫煙室に消えていった。 沈むときに吸う煙草がいちばんおいしいんだとか言っていた。 からかいで葉っぱをあげて最後までもってたけ

      • 夜記①海苔巻きで安心

        海苔巻きで安心する夜があった。 眠れなくて怖かったときに、 おばあちゃんが海苔巻きを作ってくれた。 味のりにご飯を置いて、眠れないわたしに作ってくれた。 ぱくっと食べると、あったかいごはんの味と、味のりのしょっぱさがあってとっても美味しかったし、安心した。海苔はパリパリ 二口で生まれる元気をくれてありがとう。 4:11の眠れない今、窓から現れ出した光と鳥の囀りを聞いて、少し焦っているうちにふと思い出したのだった。 海苔巻きを作ったら眠れるのだろうか。

        • エメラルド

          街はまもなくエメラルド 緑の街灯ちかちかと だれかの涙もちかちかと 行き交う言葉もちかちかと 光っている、瞬いている わたしは間もないエメラルド ほんとの心をしまってて 傷つかないようかぶしてる それでも交わすちかちかと 破れている、敗れている 街は間も無くエメラルド 信号のようにちかちかと 帰りを待って作ってる ほんとのきもちは知らないよ 愛を見ている、瞬いている 軽んじていて、大切に思っていて、馬鹿にしていて、真っ直ぐで、気持ち悪くて、心地が良くて、最悪で、と

        ばけいぬに会う

          ୨୧

          りぼんが上手に結べない くるんと回せばいいのかな ゆっくり通せば良いのかな わたしはりぼんを結べない 貴方は綺麗な指先で 大事なりぼんを結んでた りぼんは少し、泣いたかな ごめんねりぼん、結べない 小さな光が恋しくて 奇跡がただただ眩しくて 側にちょこんと座らせて 日向ぼっこで眠りたい 傷が開くと危ないね 溢れてはだめ、だめ、だめだよ りぼんが必死にかくしてた 誰にも知られず過ごせるよう 繊維が傷の傘だった りぼんが必死にかくしてた かくした傷がすこしだけ 涙を落と

          きょねん、ことしの夏

          毎年、夏は忙しいもんで、今年の夏はどんなだろうかと考えを巡らす まわりは「今年の夏は猛暑だ」と口を揃える たしかに、アツい気がしてならない まず、長めの梅雨があるのではないだろうか。 癖っ毛だから雨の日は悲しいことになるけど、魔法の時間である。 雨が降ると、傘をさせるから自分の空間を作ることができて、いいなと思ったりする。 去年は、暑い中、路地とか森の中を沢山歩いてみた。音も色々聴いてみたし、幸せな気持ちになっていた。 今年はガンマイク(ショットガンマイク)もXY型(

          きょねん、ことしの夏

          素直で優しい音

          1 優しい音ときいて、どんなものが浮かぶだろうか。 優しい音は、思い出から記録されるのかなと思ったり。 雨、コインランドリーの湯気立つ感じ、田舎の駅で切符を買う時に小銭がチャリンと響き渡る。コンロに火がつく。 土手の上を走る、自転車のタイヤがジーと鳴いて走る、蝉、朝に鶯がなく、バスが閉まってアナウンスと同時に走る。レコードがふつふつと鳴る、カセットが引っ張りながら回る感じ。 最近好きなのは、輪島塗りを制作する際、漆を器にたっぷり擦り付ける音。 「バカ塗りの娘」を観てから

          素直で優しい音

          想いについて

          うれしいのに、苦い顔をした。 想っていることがうまく伝わらない、という経験は皆あるのだろうか。 恥ずかしいあまり嬉しくないそぶりをしてしまったり、「YES」と言いたいのに「ちょっと待って」が出てきたり。 スキップして進んでるつもりだけど、気づいたら真顔で歩いてた…みたいな。 喜怒哀楽が顔に出やすい方だから、あの時嫌われちゃったんじゃないかなとか。でも本当は嬉しかったんですと言いたいのに、今更なー、迷惑だよなと想って勝手に落ち込んだりする。 最近も「苦い反応」をやって

          想いについて

          ボルゾイ

          ボルゾイが気になるので、語ろうと思います。 まず、ボルゾイに。凛としていてくれてありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 私はボルゾイを見つけた瞬間を正直覚えていない。本当に覚えていない…。 1年半前には認知しているはず。気がついたら好きになっていた。 何故かかなり魅力的に感じてしまうのだ。 自己分析も兼ねて具体的に掘り下げてみる。 まず、姿勢が良すぎる。自分が猫背だからか、余計魅力的。その背筋良すぎるが上にツッコミどころ満載である。「キミ、、自信ありすぎ

          こんなふうに生きていけたなら

          かっこよく走ることが苦手 自宅の観葉植物を育てるのが苦手 きのこたくさん食べるのが苦手 電子機器を上手に使いこなすのが苦手 爆音が苦手 でっかい虫が苦手 歩くことが好き 人の目が好き 木を見るのが好き テープをかけるのが好き 球根を根洗するのが好き ありがとうと言うのが好き なんかいろいろ好き 考えて考えて、 わかんなくなるけど 石と転げながら夢をみる 簡素な掃除と光と、なんかどっかの心 こんなふうに生きていけたなら

          こんなふうに生きていけたなら

          さいきんは

          電車の音が心地いい 窓から見える 空のかお トミカを握る子供のめ びーだまのようだ びーだまのようだ 母の手にぎる体温と 空母を見つめる きみのいろ 飛行機雲をゆびさして あなたはそっと笑ってる 何も知らずに笑ってる 地下鉄入って空が黒 見えないねって眼を塞ぐ 遠い記憶を泳いでる 何か掴もうとおよいでる 買い物かごのひみつきち 母の頬は薄曇り 何でもかんでも隠してる 知りたくなってるさいきんは

          さいきんは

          天使

          天使が降りたような瞬間を感じたことがある。 コンクリートに花が咲いていた時、眩しくてあんまり遠くが見えなかった時、涙を感じた時。 あんまり綺麗じゃないなと思う世の中で、絶対いないよなと感じる世界で、何度も天使を見た。 誰かが真剣に選んで伝える言葉、嬉しくてたまらないきもち、あったかいみるくの泡も羽が生えていた。 天使が「素敵じゃないか」と歌っている。 素敵じゃないかは、ビーチボーイズのWouldn't it be niceの日本語バージョンの題名だった。 あったかさの天使も、

          アルバムの一曲めについて

          なんかヤバくなった時は、散歩と睡眠に加えて、アルバムの一曲めについて考える アルバムの一曲目が好きだ。 星野源ならstrangerの「化物」、スピッツなら名前をつけてやるの「ウサギのバイク」が好きだ。 包まれたリボンを丁寧に解くみたいに、アルバムを彩る大切な大切な一曲目に感謝の気持ちでいっぱいである。 死ぬまでにもう一度ラジオをすることができるなら、どうかアルバム一曲目特集か激アツシングルカップリング特集がしたい。「ときめき!アルバムの一曲目特集!」みたいな感じがいい

          アルバムの一曲めについて

          煙草遍歴

          煙草 吸ったことはない。 それは、人々の口から灰色の雲を出し、くるくると渦を巻く。 喘息だったせいで身体が受け付けないが、どうやら匂いが嫌いではないことを最近知った。 なんで煙草を吸わない奴が煙草を語るのか。 怒られても仕方ないが、なんかこう急に、自分のタバコを目撃した思い出遍歴を辿りたくなってしまったのだ。 2015〜 遡れば中学生、半不良の幼馴染が、煙草を所持しているのを耳にしたのがスタートだ。 もちろん学校は禁止である。他校だったこともあってあまり気にしなかっ

          春の風が

          ありがとう、そのあとどうなったのかな? と言ってくれたから、より一層手のひらがあったかく感じた気がする。 10月26日、ドキュメント・サニーデイ・サービスを鑑賞し、曽我部恵一さんの弾き語りイベントに赴いた。 情報を本格的に掴んだのは本当に当日。公式ストーリーに載っていて、迷いつつもなんだか焦って映画館に電話した。 今からすぐに向かえば間に合うとギリギリでチケットをとる。 初めてサニーデイ・サービスにあったのは、3〜4年前だ。 アルバム「いいね!」のジャケットイラストに惹か