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天使

天使が降りたような瞬間を感じたことがある。
コンクリートに花が咲いていた時、眩しくてあんまり遠くが見えなかった時、涙を感じた時。
あんまり綺麗じゃないなと思う世の中で、絶対いないよなと感じる世界で、何度も天使を見た。
誰かが真剣に選んで伝える言葉、嬉しくてたまらないきもち、あったかいみるくの泡も羽が生えていた。
天使が「素敵じゃないか」と歌っている。
素敵じゃないかは、ビーチボーイズのWouldn't it be niceの日本語バージョンの題名だった。
あったかさの天使も、揺れる花の天使も、言葉を紡ぐ天使も、どれもきらきらしていて、優しさを感じる。
書き留めておかないと忘れてしまうような、繊細なものたちなんだと思う。

この世界をささやかだけど確かに護っている。
私たちの天使は、割と身近に潜んでいた。
ひっそりと、でも確かに。

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