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煙草遍歴

煙草

吸ったことはない。

それは、人々の口から灰色の雲を出し、くるくると渦を巻く。

喘息だったせいで身体が受け付けないが、どうやら匂いが嫌いではないことを最近知った。

なんで煙草を吸わない奴が煙草を語るのか。
怒られても仕方ないが、なんかこう急に、自分のタバコを目撃した思い出遍歴を辿りたくなってしまったのだ。

2015〜
遡れば中学生、半不良の幼馴染が、煙草を所持しているのを耳にしたのがスタートだ。
もちろん学校は禁止である。他校だったこともあってあまり気にしなかったのだが、歩いてる時に横で吸い出し、嫌になってしまう。

中学生のどこか。
ルパン三世の新シリーズがテレビで流され、そこでも煙草を目撃した。めちゃくちゃ面白かったし、煙草を吸うルパンたちに違和感なんて何一つなかった。
当時のopにある銃を撃つ次元の絵がいまだに忘れられない。

2022
去年、大学入学と同時期くらい、にしなの「ヘビースモーク」を知る。
歌詞から煙草には"セブンスター"という種類があることを知る。
良い曲だなと思っていたら、tiktokでめちゃくちゃ流行っているという事実に直面する。

2022秋。
京都のbarにてシーシャを吸う人を目撃した。同い年くらいの大学生数人が1つの容器に群がっていて、ダサいなと思ってしまった。

2023
今年の春。
高校の友人が煙草をよく吸う人のようで、居酒屋で喫煙欲に耐えられず、爆速で吸って帰ってきた様子が何故だか忘れられない。
煙草に対するダダ漏れの欲を吸わない人間でも察知してしまった。
あの執着、一周回って愛のように思う。

今年の夏休み。
映画の撮影に6日ほど参加したのだが、皆隙あらば煙草をふかしていた。
相方が煙が降りかからないように配慮してくれていることに気づき、ありがたい気持ちだった。
また同時に、実は煙草の香り自体は苦手ではないことに気づく。

9月
スカートの「セブンスター」を聴く。
やはりたばこはセブンスターが1番流行っているのか、、?という煙草愛好家の方が知ったら「浅い」と思われそうな考えになる。


バイト先の先輩から新宿のシーシャバの店長であることをカミングアウトされる。

最近のたばこ録は、the strawberry farmの「煙に巻く」
「忘れるほどに真っ直ぐなその風に首をすくめる」という歌詞が素敵だ。
愛しく、繊細に、煙のようにくるくると転がる言葉を丁寧に拾ったような。

長くなってしまったが、煙草に対するイメージはここで最後である。

この先も、直接関わりのない煙草との思い出は何かしら増えていくのだろう。
未だ吸えずに語るのは申し訳ない。だがその分周りが吸ってくれるだろう。
遍歴として徐々に更新、そしてポップに煙に巻かれる人々を見続けると決めた。




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