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《キンカノート》 文鳥のヒナをください。②

1度目の訪問から10日ほどして
再び電車とバスを乗り継ぎペットショップへ。

相変わらず可愛い小鳥たちで賑やかな店内。
前回同様「イラッシャイマセー♪」と出迎えてくれる大型のインコちゃんは
今日も絶好調の様子でこっちにアピールしてくる。

店内を回りながら前回と同じキンカチョウのペアを見つけ、
「あ、まだここにいたんだねー。
 二人一緒に飼ってもらえると良いねぇ。」
と話しかけると、また二人しておしくらまんじゅうみたいにくっつきながら
トコトコトコ・・・と止まり木の端まで逃げていった。

「ふふ。小さいもんねぇ、怖いよねぇ」

と言いながらしばらく眺めていたが、
他の鳥さんたちと比べてこの子たちは本当におとなしい。

ピーピーどころかギャッギャッと鳴き叫んでいる子も多いなか、
この子達はいつもくっついて止まり木に止まって静か〜にしている。
人間で言うと学校の休み時間で賑やかな中、
机で静かに本を読んでるタイプなのかもしれない。
キンカチョウという鳥がそうなのか、この子達が特別おとなしいのか。
いずれにせよ、とってもかわいい。

さて。それはさておき
お目当ての文鳥さんは・・・

お。
いたいた!

・・・でも・・・大きい・・。
これはもう大人だねぇ。

各ケージにはその小鳥さんの種類と誕生日、出身地と値段が書いてあって、
それ以外にも ”おしゃべり上手です!” や ”頭カキカキが大好き♡” など
スタッフさんがその子の特徴を書いてくれていたりする。

そして私が見つけたその文鳥さんには
”ベタ慣れ度★★★★” と書いてあった。

うーむ・・・成鳥だけどベタ慣れなのか・・・
でもさしから育ててみたいしな・・・

念の為、売り場にいたお姉さんに
「すみません、文鳥のヒナは入ってませんか?」
と聞いてみるとお姉さんは優しく、
「売り場に出ていない子もいるので。」
と言ってバックヤードまで見にいってくれた。

残念なことに、
今回も文鳥のヒナには会えなかった。

「ちなみになんですけど・・・」
私はちょっと気になっていた事を聞いてみることにした。 

「あそこにいるキンカチョウのペアは手乗りになれる子たちですかね?」

お姉さんと一緒に例のキンカチョウペアのケージまで行き見てもらった。
誕生日は「10月上旬〜中旬」と書いてある。今は11月の中旬。

「あ〜・・難しいですね〜。もう1ヶ月半くらい経ってますし、
 体が小さい種類ほどやっぱり臆病なんですよね〜」

おお、なるほど。

まだ1ヶ月半、と思っていたが小鳥にとってはもう立派な大人年齢なのか。
そもそも体が小さい種類で、まだヒナだから小さいわけじゃなかったんだ。

「あの〜 たとえば、なんですけど・・・、
 もんんんんのすごい愛情で毎日向き合って暮らしたら、
 もしかしたら手乗りになるかも!なんて可能性・・・」

「ないですね。」

食い気味、かつ冷静に言われた。

「そ、そっかーぁ・・・・・」

止まり木の端っこでモコモコしている可愛い二羽のキンカチョウは
相変わらず静かに目をぱちくりしながら私たちの話を聞いてるようにも見えた。

「残念だけど、良い人に飼ってもらうんだよー」

そうお別れをして、
この日もまた小鳥さんたちを愛でるだけで帰路に着いたのだった















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