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本当に怒った時、私には何ができるのか

『昔、実家を半壊した事がある』

最近温厚な同僚に言われた衝撃の告白だった。
いつもニコニコしているし、
違うと思った事はパシッとその場その場で
言葉で伝えることの出来る人だから
(しかも全く嫌味がない)
家を半分壊す程、凶暴性を露わにする姿が
まったく想像できなかった。

聞いた話によるとバットを握りしめ、
家中の壊せるものを片っ端から
壊したらしい。

怒りの矛先は家族だったので
家族は初めて自分の子供がバットを
振り翳す様と、壊れゆく家を唖然と見ていた。

途中で気が済んだのか、疲れたのか
バットから手を離し、家は全壊せずに済んだという。

側から怒った原因を聞くと、
そりゃ怒って当然だ!!と思ったが
私が感じたのは、
この人は怒りを最大限に出すと
家を半壊する程の力があるという
圧倒的なパワーだった。

そのパワーの使い方が正しいかどうかは
置いておいて、
私は怒り狂った時に何が出来るのか考えてみた。

私も思春期の頃家族への怒りのあまり
実家の洗面台に接着テープで付けられていた
くまのぬいぐるみが輪っかを抱えているような
タオル掛けを思いっきり力を込めて
壁からべりっと接着面を剥がして
使えなくした事がある。

剥がした瞬間はやってやった!!と
興奮したが、その後母に
『これ引っ張ったでしょ』と怒られて
反抗精神か
『普通に使ったら外れたんだわ』と
捨て台詞を吐いえ自部屋に逃げ込んだ。

自部屋に入った瞬間、
普通に使って剥がれる訳ないだろという
後から思うと浅はかな言い訳と、
壊したものがタオルを抱えたくまのぬいぐるみ
というあまりにも可愛らしい風貌に
とてつもなく恥ずかしくなった。

もっとかっこよく怒りを表現したかった。

その点、同僚はかっこいい。
(繰り返すが正しいかどうかはさておき)

私も家を半壊していたら
くまさんはその中の一犠牲者だったに過ぎず
恥ずかしさはなかったかも知れない。

とりあえずいつか家を半壊する場面に備えて
筋トレをしようと思った。

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