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【第5期_第2回講義】地域の課題を解決する事例紹介とケーススタディ ~共感と非金銭的価値でチーム創りを推進する~

はじめに

 Oita Innovators Collegio2023の第二回の受講レポートを担当する、学生受講生の譜久嶺です。今回、講演いただいたのはWork Design Lab代表理事の石川貴志さんです。Work Design Labとは、”個人と組織のよりよい関係性を創造すること”を目的に、個人のチャレンジ、組織の変革を支援する団体です。「イキイキと働く大人で溢れる社会、そんな大人をみて、子どもが未来に夢を描ける社会を創りたい。」というビジョンの下、同じ思いを持ったメンバーと共に様々なイベントや勉強会の開催、また企業・行政・団体等と連携したプロジェクトを全国各地で推進しています。また、石川さんは他にも総務省地域力創造アドバイザーや中小機構 Tips Ambassadorといった肩書も併せ持っている複業人材でもあります。

講演内容

 今回の講演は、はじめに、複業人材が出現する社会的背景、地域課題PJの事例紹介、地域全体で人材を呼び込む、の4部構成で行われました。

① はじめに

ここでは、石川さんの経歴やこれまで取り組んできた活動を紹介いただきました。Work Design Labを設立したきっかけ、コミュニティからビジネスとして仕組化することの大切さ、地域課題を解決するために必要な複業人材・ボランティアマネジメント、そしてそれらを成功させる秘訣である非金銭的価値と共感についてお話してくださいました。ビジョン、問題意識、根本原因、解決策を整理することで、ビジョン実現の道のりを整理することの大切さに関してもここで説明していただきました。また、『起業の科学』によると、いいアイディアを見つける道筋は、課題の質を上げることが大切だと言います。そして、ソリューションの質を上げることが大切であるとのことでした。

② 複業人材が出現する社会的背景

ここでは、前述した複業人材が出現する背景に関して、社会、個人といった観点からご説明いただきました。社会的な側面からすると、生産年齢人口の減少により、国民一人ひとりが担う役割が多様化してきていること、また、大手企業の副業解禁などによる副業の推進などが背景にあるようです。個人の側面で見ると、医療の発達等により人生100年時代というように寿命が大きく伸びています。個人の職業選択および人生の選択肢の幅が増えてきたことで複業人材が出現する要因となっているようです。

③ 地域課題PJの事例紹介

ここではいくつかの地域課題PJの事例をご紹介いただきました。その1つとして、産学官金言連携の事例があります。産学官金言連携とは、企業を表す産、大学を意味する学、行政を表す官、銀行の金、そして新聞やメディアを意味する言が連携することを意味しています。巻き込む人や団体が多ければ多いほど、そのプロジェクトの信用性もまた高まります。

④ 地域全体で人材を呼び込む

ここでは、地域全体で人材を呼び込む具体的な方法として1.「プラットフォーム」を創る、2.「学びの場」を創る、3.「ライフスタイル」を創る、の3つの方法を紹介されました。どの方法も大切だと感じましたが、特にプラットフォームと学びの場を創る方法では非金銭的価値をいかに設計するか、またその重要性を説明されていました。
講演の最後に、私達受講生に向けて、健全な自己否定力、行動することの2つのメッセージを残してくださいました。企業と違って地域の中で活動していくためには、自分のやり方を変えることも大事なポイントです。つまり、自分のやり方等間違っていないか振り返る、そういった健全な自己否定力も必要になります。また、考えることも大事ですが、なにより行動することが大切です。実際に行動して肌で感じてみる、行動から得られる経験が何よりも大事になります。

質疑応答

・肩書の増やし方

2つの方法があると講演では語られました。1つ目は、地域に飛び込み、言われてもないのに色々お手伝いすることです。2つ目は、自分から巻き込まれることが紹介されました。特に重要な友人からの誘いはよくわからなくても、とりあえず了承することをお勧めされていました。

・コミュニティの作り方

勉強会など、小さな集まりをつくる。そして、そこからどんどん大きくしていくことで、はじめは小さくてもコミュティとして成長すると解説いただきました。

まとめ、感想

 私がこの講演および講義全体を通して印象に残ったのは、1人だけで考えないことの大切さとビジョン実現までの道のりを整理する方法です。
 まず「1人だけで考えないこと」について、講演を聞くまで、自分の解決したい課題があったとして、その解決策は自分一人で決めなきゃいけないと思っていました。今でも最終的に大切な決断をするのは自分であると考えています。しかし、話してみること、相談してみることで色々なアドバイスや解決方法を一緒のグループの方々が考えてくださり、結果、事態が好転したように思います。
私の課題に対する解決策としては、いたって単純で、とにかく一番興味のあることをやってみることでした。0か100かではなく、他の選択肢を消さず、まず一番興味のあるゲーム配信を本気でやってみること。頭ではわかっていて、解決方法として簡単に思いつくものですが、人に相談してみる、そして一緒にアイディアを出してみる、そして決断する。このプロセスを経てようやく自分の決断としてものになったような気がしました。
自分がその答えに納得いっているかどうか、その考えが自分の中で消化しきれていることが大事なのだなと今回は特に感じました。また、解決したい悩みが分かっていても、ではそれがどうなればいいのか、自分がどうなったら満足であるかというところにフォーカスして考えることには案外目が向かないところだなと気づき、その考え方自体がとても新鮮でした。
 次に「ビジョン実現までの道のりを整理する方法」ですが、これはビジョン、問題意識、根本原因、解決策の4つのステップを踏みます。ステップを経ることで、最初に掲げた目標(ビジョン)と、やるべきことや、やることがずれなくなります。なんとなくこういったステップや道のりを自分で考えたことはありますが、PDCAサイクルを回すように、フィードバックをもらって再度精度をあげていくことをしたことが私はありませんでした。
目標を決めて、なんとなく目標達成するために必要なことを挙げてみて、それをこなしていくというのが私のやり方でした。自分が思い描いた目標に向かって努力しているはずなのに、どこかズレや義務感を感じてしまうところがありました。ですが、目標とやることがぶれていないか、ほんとうに必要な事をしているかといった精度の低さも原因の一端ではないかと今回の講義を通して感じました。これから人生で何回も目標を設定し、そのための努力をしていくことがあると思います。その都度人に相談し、自分でチェックを何回か繰り返したりすることで、やりたいこととやるべきことのズレを少しでもなくしていけるよう、これからも活用していきたいと思います。

参考文献
(1)Work Design Lab HP「Work Design Labとは」 最終閲覧日2023年8月8日 https://work-redesign.com/aboutus/ 

紹介されていた書籍
『起業の科学』 スタートアップサイエンス 田所雅之(著) 2017年11月2日 日経BP出版 

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