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【第2期_第7回講義】 地方からイノベーションを起こす意義

Oitaイノベーターズ・コレジオ第2期生のフレッチャー英美(エイミー)です。2020年11月28日(土)にオンラインにて開催された第7回講義「地方からイノベーションを起こす意義」の内容をまとめました。

1. 講師の御紹介

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森本千賀子氏(株式会社モリッチ代表)

1993年、新卒でリクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社。約25年間人材紹介業をしていた。世の中に貢献したいと考え、副業人生を2013年からスタート。多くの講演会や書籍を出版。様々な会社の経営コンサルティングを行う。その後、リクルート人材センター(現リクルートキャリア)にいながらご自身の会社「株式会社モリッチ」を立ち上げる。二児の母である森本様はプライベートでは家族との時間を大事にする「妻」「母」の顔を持つ。2017年から株式会社モリッチにフォーカスし、現在は人と組織のマッチングする人材紹介業をしており、特にCXOといわれる組織の責任者のキャリア支援を行っている。また、講演会や書籍の出版の他にもNPOの理事、大学での講師、ママコミュニティ、多くの会社の社外役員や顧問…といわゆるパラレルキャリアな人生を送られている。

出版書籍
「本気の転職パーフェクトガイド:トップコンサルタントが教える」
「後悔しない社会人1年目の働き方:転職エージェントが教える」
「カリスマヘッドハンターが教える のぼりつめる男課長どまりの男」
「社長がほしい「人財」!リクルートエージェントNO.1営業ウーマンが教える」
「No.1営業ウーマンの「朝3時起き」でトリプルハッピーに生きる本」
「HONKI SWITCH ON:本気になれば人生が変わる!:超一流転職エージェントが教える「本気」スイッチの押し方」
「35歳からの「人生」を変える転職:カリスマ転職コンサルタントが40代、50代で希望の転職を実現するノウハウを公開」
「トップコンサルタントが教える無敵の転職」

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高橋ゆき様(株式会社ベアーズ取締役副社長)

生まれ持ったイノベーターである高橋様は、昨年と同じことをしないというのが毎年の目標としている。そんな高橋様は、写真家の父と起業家の母親の間で生まれ、小学校から「男女という関わりが仲良くなれば社会はもっと幸せに満ち溢れるのにな」と思っていた。いつか社会に貢献し、男性とか女性とか関係なくお茶の間に幸せを届けたいという思いで仕事をしている。
社会の人生をスタートしたのは、IT関係の営業職。その後香港に移住し、異国の地で、仕事をしながら子どもも授かる。香港の会社の社長からの言葉:暮らしの下の縁の下の力持ちという言葉を学び、それが後に夫婦で創業するベアーズを生み出すきっかけとなる。二児の母でもあり、現在家事研究科や、書籍も出版、マツコ・デラックスさんとCMに出演、銀行の社外取締役などをしている日本を代表する人生イノベーター。

出版書籍
「ズボラさんでも暮らしが整う楽ラク家事」
「No.1家事代行「ベアーズ」式 楽ラクうちごはん」
「感情の折り合いをつけられる女(ひと)は強く美しくなる」
「楽ラク掃除の基本」
「日めくり「毎日がきらめく」31のおうちみがき」

2. お二人のお話し

高校時代のお話しをされていたお二方は、高校時代に感じた気持ち、読んだ本、行動したことがすべて今に繋がっているという。森本様の言葉で「すべて行動していることは意味があって無駄なことがない。すべて経験されていることは原体験になり、キャリアにもつ繋がっていくのので、今目の前のことをきちんと向き合うことが大事」というものがありました。Oitaイノベーターズ・コレジオを受講している私達にとってとても響く言葉でもありました。

また、お二方のキャリアにつながるターニングポイントについてもお話ししてくださいました。
森本様は、自分自身の原体験が新卒で入社したリクルート会社を選ぶきっかけとなったそうです。1つ目の背景としてあげられるのが森本様のお父様です。小学校低学年のころに父が脱サラをして、ご自分で会社を経営していました。その時に父は人材に対してとても苦労していて、なかなかいい人材が採用できないことや、採用できたと思ったら辞めてしまう人がしばしばいました。2つ目の背景は、大学3年生の頃にたまたま図書館で出会った1冊の本です。この2つの原体験が、今の森本様のキャリアに繋がっています。このように、森本様は幼いころからしたいことや将来の事を考えながら人生を歩まれていることに感銘を受けました
また、高橋様は何になりたいなどはまったくなく、その場その場を一生懸命してきただけだが、大人になり意思を持ちながら道を選択していくことの重要性をとても感じているといいます。しかし、きちんと軸をもち物事を進んできた高橋様。私自身も高橋様と共通する部分があり、自身で選択することなくなんとなく生きてきたところがあります。高橋様のように自分の軸を持ち一生懸命に最善を尽くしていくことがとても大切であることを学びました。また、今後自分の意思を持ちそれに向かって今の自分と向き合おうと思えたお話しでした。

また、皆様「大変」という言葉をどういう意味で捉えていますか?「大変」を日常的に使っていると、仕事や勉強、課題などをするのが忙しいとか、苦労をするだとか、そういう意味でつかわれることが多いと思います。しかし、高橋様がいう「大変」の意味はとても心に残るものでした。以下がその内容です。

“「大変」と書いて「大きく変わる/大きく変える」であるので、イノベーターに親しみを持ってほしい言葉であり、「大変」をポジティブに受けとるべきである”

このお話しを聞いた瞬間から、私は「大変」が人生にとってとても大事なもの見えました。
また、イノベーターに必要なものはチームというよりも、何かあったときにすぐに支えあい、相談しあい、本気で何かを言える友(とも)/友以上のものを得ていくことです。このため、チームや組織、仲間というより友を作る精神を今後の活動から意識していこうと思いました。

このほかにも、実際に受講生からの質問にお答えしていただける機会を作ってくださいましたので、そちらの方の内容についてもお伝えします。

質問1:イノベーターとして心がけていることはなんですか?

―高橋様:幸せを作るということです。「幸せになる」や「幸せのために」とよく言いますが、今現在日本の皆さんは幸せであるので、その幸せを磨いていくことが必要です。なので、幸せを作っていくという意識が重要だと思います。
―森本様:自分のための人生ではなく、人のため世のため社会のために自分の人生を捧げることの気持ちを大切にしています。

質問2:イノベーションのヒントをどこから取り入れることが多いですか?

―高橋様:原体験からであるのと、思ったことはすぐ行動に移すことが森本様との共通項だと感じています。そこで、行動して、失敗することも分かっていることであり、初めからパーフェクトを狙っていかないことが大事です。失敗をすれば周りからのアドバイスや紹介でそこから学びがあり形になっていくので、行動することが大切です。また、考えることよりも感じることが大事です。この人すごいな、共感するなと思えるような人達の共通点として、「何のためにやってるか」という目的がはっきりしている。なにもかも直感でいくと、すぐにつらくなる日が来てしまうので、「何のために自分はしているのか」という目的が重要だと思います。
―森本様:いい学びを得た、アドバイスを受けたという風に自分の中でそれをとどめず、すぐにアクションをとることが重要です。必ずしも正解があるわけではないので、いろんな学びを得ていくことが大切です。とにかくアクションを起こし、そこで出会った人とのご縁を大事にしていく。これを実際にしています。

質問3:仕事(作業)する時間と、課題解決等のためのクリエイティブな思考をする時間はどのように1日のうちに区分されておりますでしょうか?またクリエイティブなアイディア等はどのように整理されておりますでしょうか?

―高橋様:私も森本様もすぐにメモをとります。例えば、紙・パソコン・携帯にキーワードだけ置いておくことで、自分がどんなに忙しさの濁流にのまれていても、ふとそのノートを見た時に思い出すので、自分を忘れさせないようにできます。
―森本様:また、右脳が活性化されるような場所や、香り、時間帯というのは必ずあります。私は、朝の誰も起きていない時(森本様は朝3起きだそうです)に、窓の外が見える場所で作業をしています。朝のその時間にすごく右脳が活性化されて自分が潜在的に思っていたことがどんどん言葉として出てきます。また、他の状況で右脳が活性化される人もいますので人によってかわってきます。

質問4:魂が震えるような「これがしたい!」ということが見つかった時にどんなアクションを起こされましたか?

―森本様:大きく踏み出さそうとすると恐怖心が出てくると思うので、まず小さなことでも毎日出していくことが大切だと思います。一個踏み出し、当然最初からできるわけでもないので、失敗や落ち込むことがあると思うのですが、大きく変わる体験をした矢先に新しい自分を見つけられたりすることが出来ます。また、実際これを経験するとまたしたくなるので、ぜひ体験してほしいです。
―高橋様:私は無理をしないです。やるべきことややろうとしていることに対してどうしようと悩むならしないです。悩んだ末、そのやりたいことが消えた場合、それはそれほどだけのものだったと受け止めて、悩んでもなかなか消えないものは行動に移します。

3. 5分間ピッチ

後半は、6つのチームが地方創世のアイデアについてプレゼンし、それに対してお二人からアドバイスをいただいた。

Aチームは、「自主的勉強の空間について」というテーマで、プロジェクトを起案しました。「高校生・学生・学びたい人に対して、今学んでいることがどう繋がるのかわからない悩みを、学びがつながる体験やアウトプットを通し、低コストで学びたい人&教えたい人が集まれる場所づくりを提供する。それにより、学びの楽しさや意欲向上、社会に出て生きる力や良い結果を得られるようにしたい」と発表しました。

それに対して講師は「考えや想いの整理がきちんとできていること(組み立て・想い・キーワードの棚卸)やその先にどうなるのかをきちんと考えていること。ほかに学習者が集うだけでなく教える人も集う場所もあること」をほめ、「具体的になにをするかを決めていく必要がある、自分が受けているという学びの人だけのことではなくそういう人たちが多く作られた世界や社会がどうなるのかという姿をもう少し明確に描けると共感者が増える」という助言をくださいました。

Bチームは、「老後を健康に!(100歳まで自立できる大分を作る事業の提案)」というテーマで、企画を作成しています。「自分で自分自身を健康にする習慣を作ることが出来れば老後を楽しく過ごせると思い提案。健康プランニング&コーチングのサービスやシニアティンダー(一緒にお茶をすることや、会話をすること、旅や趣味などをしたりすることにより、100歳になってもおひとりさまでも孤独でなく健康に生きていける大分をつくりたい」と発表した。

それに対して講師は「全国でも抱えている課題なので今後大分だけでなく全国に広げられると感じる、多くのデータを調べている、素晴らしい視点、自身の気づきや体験」をほめ、「ニーズを調べることが必要、大分県のウェルネス度数という指標を調べる」という助言をくださいました。

Cチームは、「Lifework Lab. 働き方改革による地方創生のアイディア」というテーマで企画制作をしています。「幸せな働き方の最先端研究の地を大分(別府)にし、仕事がしたくてたまらない・月曜日の朝が楽しみで仕方ないなどの幸せな働き方をしている人を増やすこと」を目標としていました。そのために「働くこと」や「暮らすこと」などを繋ぎ人との出会いを活性化させて、その人たちが楽しく暮らし、働けることがしたい」と発表しました。

それに対して講師は「地方はやはりワーケーションの地域に入っているためとても共感したこと。ワードやセンテンスの作り方のセンスが抜群で感動をし、最先端研究の地といういいアイディアを出していたこと」をほめ、「転職や副業という部分で調査することもいいかもしれない。誰がお客様なのかというところを具体的にすることと、プラットフォームを作った時や情報サイトを作りクラウドファンディングをする場合に本当に成り立つのかが不安なのでそこを考えること」という助言をくださいました。

Dチームは、「見切り商品のデリバリー(食品ロスwith大学生)」というテーマで、「経済的に余裕がない・コロナでバイトが見つからず生活が大変・近所にお店がないという大学生に対して、大学生が運営し、見切り商品を回収&デリバリーや近所に軽トラで販売するスキームを構築し大学生に見切り商品を安く手軽に提供したい」と発表した。

それに対して講師は「食品ロスもSDGsも、そして大学生の安心感に対してもいいことがある。また、この活動をすることで大分の就職率があがるという発想もすごい。ニーズがある」をほめ、「もう今すぐにでもできるプロジェクトなので、行動をしてもいい。特定のお店は1店舗だけでなくできれば3店舗ご協力いただくのがいい。また、実際に周りの人の声を聞くリサーチをするべき。」という助言をくださいました。

Eチームは、「大分で働きたいと思うために(大分で働きたい!住みたい!を増やす、叶える)」というテーマで発表しました。大分県の人口減少をどうにかしたいという想いから、「未来の高校生・大学生・社会人に対し、進路の手伝いや大分での生活(仕事・暮らし)の満足度向上、企業のPR力をアップさせることや、さらには学生と企業の接点を設けられる仕組みを提供したい」と発表した。

それに対して講師は「自分の生まれた地域も人口減少が起きているのでとても共感できる、大分の人口減少をどうにかしたいという志」をほめ、「県内の人に向けてなのか県外の人に向けてなのかそれとも両方なのかという対象を決めることと、Uターンの人向けもいいのではないか、また全国の人もこの課題を抱えているので、大分に暮らすとどうなるのかというスローガンを入れる」という助言をくださいました。

Fチームは、「宇宙のこと!(集いのこと)大分から見上げる宇宙が1番好き」というテーマで、「麦焼酎メーカー三銃士(二階堂・三和酒類・八鹿酒造)+αとアジア初の宇宙港というものをつくり関係人口の増加を図る。酵母・麹菌を打ち上げ、宇宙港に専用蔵建造を行う。ほかには日田市発の進撃の巨人とコラボや、スペースアカデミーなどを行う。最終的に各惑星から分離した酵母・麹菌で純宇宙焼酎を作りたい」と発表した。

それに対して講師は「宇宙をテーマに、そこに事業性や新しい発想があること、焼酎の事業・街づくり・誘致の話や精神的なことも出てきたところ、宇宙空港という言葉、アイディア、プレゼン」をほめ、「他県からスペースタウンのところに呼びこむことに関して、宇宙に関わる仕事なので他のエリアでも可能だと思う。是非他のエリアとのコミットメントをつくって、実現性を高めてほしい」という助言をくださいました。

Hチームは、「未来像:大分の「APU」化~え?ここ日本?計画~」というテーマで、「いまだ全世界で見られる差別問題。この問題を解決したく、大分駅を立命館アジア太平洋大学(APU)のようにグローバルな地域になり多国籍の人が当たり前にいる環境、当たり前に多言語でコミュニケーションができる場をつくり、コミュニケーションがいつでもどんな人でもできる地域にしたい(国際week(国を決めて1週間その国を基にしたイベント)。そのために、町中英語表記の看板をつくる、英会話コミュニケーション施設、幼稚園・保育園から多国籍の人と触れる機会をつくる、工場見学等で自然と海外の人と触れられる..等)を大分市で行う」と発表した。

それに対して講師は「素晴らしい発想、晩婚化や未婚率が1つの少子高齢化や人口減少になるということが気になっていたので、このプロジェクトで解決できるのではないか、APUや暮らしに対しての想いが込められていて感動した」をほめ、「APUという言葉が知らない人にとって伝わりにくいのでそこの価値を深堀(92か国の人が集まることによって何が生まれているのかなど)、1つの特色をいれる、生み出して循環させる、国際結婚なら面白くなりそう」という助言をくださいました。

Iチームは、「地元民の生活を豊かに!」というテーマで、「大分の魅力を知ってもらう場所を作り、自然体験ワンダーランドを作りたい。これをすることで、若い人の人口流出を抑えることが出来、県外の人に大分を知ってもらえ、地域経済を活性化する」、と発表した。

それに対して講師は「豊かな資源を使って大分のファンを増やしていこうという想い、地元の人に地元の魅力を知ってもらう場所を作ること」をほめ、「そういうことをどうやって県内県外の人に伝えていって感じてもらえるかが課題、県内小学生の社会見学を行うことに当たり県外の小学生を対象にしてもいいのではないか、将来の夢がわからないなどの悩みを持った大学生の受け入れもいいのでは(県外の大学生・高校生)(丁稚奉公)、滞在して大分の魅力を知るプログラム」という助言をくださいました。

4. 感想

第7回の講義を終えて、イノベーターとしての意義を本当に学べたなと感じました。理由としては、森本様と高橋様のお話しを聞いていく中で、1つ1つのチームに対するコメントもすべて新しい発想があり、さらに元から存在しているようなアイディアがでてこない所に感銘を受けたためです。さらに、「大変=大きく変わる、大きく変える」のように日本語の意味を新しい意味として考えていること、「アイディア=愛(love)+dear(親愛な)」のような御自分の言葉を持っていることなど、1つ1つがイノベーターである資質を持たれているお二方のお話しをお聞きすることが出来、イノベーターとして原体験が大切であることや友が重要であることなどを学ぶことが出来ました。

5. 次回予告

今回の各チームの発表でしてくださったお二方のコメントを基にさらにブラッシュアップをして、立命館アジア太平洋大学の学長「出口学長」に登壇してくださり中間発表を行います。ここでも出口学長より貴重なお話しとコメントを頂く予定です。

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