第2回集合写真

【イベントレポート】混沌としたビジネス環境、世界から注目を集めるユニコーン企業。プロノイアグループCEOピョートル氏COO星野氏が語る「未来革新」

文章:高橋侃永(大分大学 経済学部 一年生)

HAPPINESS = GIVE (何をもたらしたいか) × TAKE(何を得たいか)
 
このレポートを読んだ後、もう一度この言葉を思い出してほしい。

 
今回の第二回では、プロノイアグループCEO、元Google人材開発責任者のピョートル氏とプロノイアグループCOO星野氏にお越しいただき、グローバルビジネスとイノベーションについてお話しいただいた。

〇新たな未来を創造するプロノイアグループ流コンサルティング
 
プロノイアグループは、いわゆるコンサルティング会社であるが、自分たちの事業をコンサルタントではなく未来創造であると語っている。新しい未来を創造し、いかに新しい組織や戦略を作っていくか、これからの会社の方向性をもっと大胆に実行するために経営者や管理職の育成をしている。ここでプロノイアグループがコンサルを行う条件は、必ず平等な立場を築くこと。なので、プロノイアグループでは、クライアントを「お客様」ではなく「パートナー」と呼んでいる。つまり、対等な立場でプロジェクトを進めていくのだ。そこから新たな組織や戦略が生まれてくるとピョートル氏は語る。
 現在日本は政府主導の下、働き方改革が進んでいる。しかし、働き方改革では本当の意味での労働問題は改善しない。残業の時間を無くしたからと言って、必ずしも従業員にとっていい結果になるわけではない。それよりも、経営改革と生き方改革に注力したほうが従業員も働きやすくなり、いい人材が会社に集まる。

〇不確実で予測不能な時代の到来=VUCA時代に対応した人材育成
 
現在の世界は、ITイノベーションの加速によってビジネス環境が激変し、これからのビジネスの動向が不確実で、予測不能な時代となった。この時代は、4つの英単語の頭文字を取って、VUCA(ブーカ)と呼ばれている。

 V:VOLATLITY(変動)
 U:UNCERTAINTY(不確実)
 C:COMPLEXITY(複雑)
 A:AMBICUITY(曖昧)

このような状況のため、組織全体が一つの目標・ビジョンに向かってメンバーそれぞれが持つ視点を大事にすることが求められる。そのため、その組織のトップであろうと、その組織の一メンバーであろうと、自分で物事を考える力、つまり自己認識が重要となってくる。これらの力を身に着けるための事業を行っているのが、プロノイアグループだ。

〇新しいビジネスの考え方~10億ドル規模に育つスタートアップ~
 
皆さんはユニコーン企業をご存じだろうか。これは、起業してから数年にも関わらず、多額の評価額を得ている企業を指す。ピョートル氏は、このユニコーン企業になる可能性が高まる5つの項目を挙げた。

・一見愚かなアイデア
・まずマネタイズしない
・新しい行動パターンを作る
・競争が激しい飽和市場に参入
・経験がない創立者

 ユニコーン企業の条件は、「創業10年以内」「評価額10ドル以上」「未上場」「テクノロジー企業」である。これらの四つの条件をクリアしようと考えれば、普通の考え方で会社を興そうとしても無理なのかもしれない。「絶対にそれはできないだろう」、「なぜわざわざ成熟しきった市場に参入するのか」、「お金の利益をまず求めなくていいのか」、など誰もが疑問に思うような中で戦っていかなければ、ユニコーン企業に成りえないのかもしれない。実際に、多くのユニコーン企業がひしめき合うシリコンバレーやサンフランシスコの感覚では、ユニコーン企業は生もうと思って生まれるものではない、という。それは、馬だと思っていたら実は角が生えていた、というようなものらしい。


〇自分のモチベーションに気付かせる7つの質問 

もしあなたが仕事に対してモチベーションを保てなくなり、パフォーマンスを落としてしまう事態に陥ってしまった場合、是非、下記の質問を同僚や上司、家族、または自分の中で投げかけてみてほしい。きっと何かに気付き、変わるはずだ。

グループワークでは、約5人のグループを作り、SDGs(世界中の人たちが、持続的に、人らしく生きるための17の開発目標)の項目の中から一つを選び、その項目に関しての解決案、改善案をグループで出し合った。
私の班は、教育に関して話し合った。出し合った案の中から、最も実現可能で成功確率が高い、生徒が教員に対して匿名で意見、質問を送ることができる仕組みをつくるという案を発表した。そのほかの班も財政や技術など、それぞれの項目に対してのユニークな解決案を発表した。

その後、二人組を作り、お互いに以下の質問を投げかけた。

1. あなたは仕事を通じて何が得たいのか?
2. どうしてそれを得ることが大切なのか?(3回問う)
3. 何をもって「いい仕事をした」と言えるだろうか?
4. どうして今の仕事を選んだ(選んでいる)のか?
5. 去年の仕事は、今年の仕事にどう繋がっているか?
6. あなたの一番の強みは何だろう?
7. 私(たち)はどのように支援できますか?

これらの7つの質問だ。2の質問を三回繰り返し問うのは、より深堀するためだ。この
7つの質問に答えることで、今自分がしなければならないこと、したいと思っていること、その仕事を始めたときの自分の目標、自分ができることを再確認できると思う。これらが自分のモチベーションを高める要因になるのではないだろうか。これは仕事に就いている社会人だけではなく、学生の場合は仕事の部分を学校や学部、勉強などに置き換えればよい。私自身、なぜその大学を選んだのか、なぜその学部を選んだのか、何のためにこのワークショップに臨んでいるのかなどを再確認できた。同時に、これからの勉強へのモチベーションが上がった。

もう1つ、似たようなエクササイズを行った。

1. あなたのパッション(情熱)は何ですか?(何に夢中なのか)
2. あなたのミッションは何ですか?(なにがしたいか)
3. あなたのビジョンは何ですか?(どんな世界が見たいのか)
4. あなたに野望は何ですか?(どういうふうに、いつまでやりたいのか)
5. あなたのサポーターは誰ですか?(応援、支援できる方は?)

これら5つの質問だ。これも上記の7つも質問と同じような効果が期待できる。しかし、質問を見ていただければわかる通り、こちらは自分の中にある目標、夢を声に出して表に出すことができる。
 
〇今回の講演を終えて

今回のピョートル氏と星野氏の講演を聞いて、今の自分に最も響いた言葉は、「やるか、やらないか」だ。起業をする前に大学や大学院でしっかり勉強してから、本を山のように読んで知識を蓄えてから、と準備に時間をかけるのではなく、そんなことよりもとりあえずやってみる。まずはやってみてから始まるのだ。決して座学では得られないことが、実践では得ることができる。私も、まだ一年生だから、といったような理由は取っ払って挑戦していきたい。
また、高校生ながら起業をし、すでに大きな成功を収めているエストニアの二人の起業家には驚き、称賛すると同時に、悔しかった。彼らは高校生ながらに挑戦し、戦っているにもかかわらず、自分はまだ何もできていない。その世界にまだ足を踏み入れてすらいない。そんな自分を払拭できるように、ここ大分でユニコーン企業を生み出すような気持ちでこれから勉強していこうと思う。


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