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吸入器を理解して【喘息】を改善!自分に合ったもので快適な毎日を

 季節の変わり目や進級進学などで環境の変化があると、落ち着いていた気道の炎症も過敏になって、発作が出ることもあります。

 また、喘息の病歴(既往歴)がない人でも、鼻炎持ち(アレルギー性鼻炎)の方では喘息を合併しやすいと言われており注意が必要です!

 ちなみに、アレルギー性鼻炎と気管支喘息の合併率報告によって異なりますが、お互いに19~80%の合併率があります(気管支喘息患者の鼻症状合併率:28~80%、アレルギー性鼻炎患者の喘息合併率:19~38% 、本邦の成人喘息患者の60.8%、小児喘息患者の 68.2% にアレルギー性鼻炎様症状があり、アレルギー性鼻炎患者の 51.0% に喘息症状がある)。
<気管支喘息に合併するアレルギー性鼻炎.耳鼻免疫アレルギー,38(1):1-7,2020>

こういった喘息もしっかりステロイドの吸入薬や気管支をひろげてくれる薬を使って治療をしていくと、気道の炎症が収まり症状が改善していきます(安定期に入る)。

せっかく薬を使っても、それが肺や気管支まで届かないと効果を発揮することができません。

自分にあった吸入器を探してみましょう!

吸入器にはどんな種類があるのか?

吸入器は大きく分けて3種類あります。

✅ドライパウダー吸入器(DPI:dry powder inhaler)
・粉が入っていて、それを自分のタイミングで勢いよく吸うものです。
(画像:調剤と情報,26(12):2079,2020)

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【名前】
タービュヘイラー、ブリーズヘラー、ツイストヘラー、エリプタ、ディスクヘラー、ディスカス、スイングヘラー、ハンディヘラー、ジェヌエア

✅定量噴霧式吸入器(MDI:metered dose inhaler)
・吸入といえばこのイメージが強いと思います。押すとエアータイプの霧状のものが出てきてそれを深呼吸するように吸います。

【名前】
エアゾール、インヘラー、エアロスフィア

✅ソフトミスト吸入器
・最近はこのタイプのものも増えていて柔らかいミスト状のものが出てきてそれを深呼吸するように吸います。

【名前】
レスピマット

どういう人にどういう吸入器があっているのか?

 【ドライパウダー吸入器】は、自分のタイミングで吸うことができ、操作も簡単なので使いやすい吸入器と言えます。また、一部の吸入(エリプタ)では、1日1回の吸入で済むものもありこれも利点です。

 しかし、粉末の粒子径が大きいため口の中に薬が残りやすく、しっかりとしたうがい(※)ができないと、嗄声(声がかれる)や口の中の感染の原因となることがエアータイプのものより多いと言われています。

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(※)うがいは、口の中で行う「ぶくぶくうがい」とのどで行う「ガラガラうがい」を2回以上繰り返すと感染のリスクは減ると言われています。
画像:GSKホームページ うがいの方法

 また自分の力で吸う必要があるので、吸入する力の弱い「高齢者」や「小児」ほか、神経筋の病気がある方等ではしっかりとした吸入ができないことがあります。

 吸う力がきちんとあるか確認する方法として、吸入練習用の笛があるので、まずは薬局店頭でそれを使ってみてもらうことが多いです。(画像:日経メディカル,2020/12/02,pMDIの吸入練習器が登場、どう用いる?)

 もし吸う力に不安がある人が居たらかかりつけの薬局に言ってもらってみるといいと思います(メーカー提供品なので特にお金はかかりません)。

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【適している人】まとめ
・吸う力が十分にある人
・うがいがきちんとできる人
・吸う回数を減らしたい人
・エアータイプの噴霧に吸うタイミングをあわせるのが難しい(苦手)な人

 【定量噴霧式吸入器】は、噴霧との同期が必要だったり、場合によってはスペーサーと呼ばれる吸入補助具が必要だったりと、手技については少し難しい部分があります。

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 また、エアーの出方によっては「むせる」ことがあり、吸入が喘息のきっかけとならないように自分にあった吸入器を選択する必要があります。

 同じエアータイプでも乳児や未就学児などでは、ネブライザーと呼ばれる機械を用いた吸入を行うこともあります。

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 エアゾールタイプの利点としては、局所性の副作用(嗄声、口の中の感染症)がドライパウダー式のものよりも少ないということです。更にそれでも副作用が起こる場合には、プロドラッグという体の中に吸収されてからステロイドとしての働きをする薬に変更することで改善する場合があります。

【適している人】まとめ
・噴霧タイミングと吸気を合わせて吸入ができる人
・嗄声や口の中の感染が起きた人
・気道の奥の方にまで炎症がある人

 【ソフトミスト吸入器】はごく一部の吸入で利用されているのみなので選択する以前の話ですが、定量噴霧式吸入器よりもむせにくく吸いやすい特徴はあります。しかし、事前の薬のセット方法がやや煩雑なのが難点かもしれません。

まとめ

色々な吸入器がありますが、自分にあった吸入器をみつけて長く続けることが大切です。

喘息を持病に持っている方では、発作のない安定期と呼ばれる時期であっても慢性的な炎症や痰の貯留などで気道が少し狭くなっている状態になっています(画像:調剤と情報,26(12):2085,2020)。この状態で弱い刺激を受けると気道が強く収縮し発作を起こすきっかけになりやすかったりするんです。

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 症状が改善したと思っても医師の指示があるまで吸入はやめずに続けることが大切です!


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TOMO@北の薬屋®
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