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研修レポ「訪看における災害対策」

はじめに(講師の先生について)

「訪問看護における災害対策」研修に参加しました。その備忘録だと思っていただけると。

講師は、中井 寿雄 先生

災害看護・在宅看護が専門の、大学の先生です。

(講義自体も、めっちゃおもしろくて、生徒から愛される素敵な先生なんだろうなーと勝手に想像。)

ちなみに先生は、こちらの事業のキーマンです。

https://www.k-dips.jp/

先日の台風もそうですし、僕自身、社会人になり1年目に東日本大震災を経験しており、「災害対策」は非常に大事なテーマだなと感じています。

以下、教えていただいたことを、端的に残します。

要配慮者が避難する「福祉避難所」の現状

そもそもで、恥ずかしながら僕は「福祉非難所」のことを何も知りませんでした。

そんな方のためのリンクを。

上記サイトから一部引用します。

福祉避難所への入所は一般的には次のようなステップを踏むことになる。
 災害発生時、まず身の安全を確保して、地方自治体が指定する一般避難場所に避難。一般避難所で自治体職員等が避難者の身体状態や介護などの状況を考慮し、福祉避難所への避難対象者の優先順位を決定。福祉避難所は避難スペースの確保、スタッフの配置など受け入れ態勢が整った段階で開設され、決定された避難対象者を受け入れる。

これ、僕の感覚からすると、無理があります。医療ケアや、移動介助を要する人が、一般避難所に行く大変さ、そこでの不都合さ(周囲との関係とか、色々ね)を思うと、ステップの1歩目が困難すぎません?滝汗

また、僕の住んでいる北陸の福祉避難所へのアンケート結果からも、医療ケアが可能という避難所は数える程度であり、電源ありきの生活の方々に対する備えの不十分さを痛感しました。

電源・医療物品etc…をタイムリーに備えるためにはどうする?

で、どうするかということで、中井先生がされている事業を少し紹介いただきました。

K-DiPSが目指すのは、2,700万人以上と推計される災害弱者の方々と一緒に災害への備えを考え、地域の実情に合わせた備えの体制整備を実現することです。すなわち、災害弱者と産学官が手を取り合って災害弱者の命を守るまちづくりです。

当事者も含め、
①災害弱者の個別情報のデジタル化
②個別のニーズに基づく医療資材備蓄システム
③医療避難所兼体育館「シェルター&ストックセンター(SSC)」の設置

を柱とした事業だそうです。
ここで、ハードルになるのが一つ①の災害弱者の「個別情報のデジタル化」ですよね…


紙ベースの更新の難しさは、そういった管理を任された人間なら誰しも頭を悩ませるところではないでしょうか。ましてこの緊急時にどうしよう?と心配な方々は、時々刻々状況が変わる方もいます。
個人情報と命どちらが大事か という問題だなと感じました。また、この情報管理・更新には民生委員ら住民や、行政よりも看護師、ケアマネジャーが介入すべきでは?という提案がとても納得でした。

だって、
「ご近所さんだから言いたくない・見せたくない姿」
「個人情報をこの人に言って本当に大丈夫か」という思いは、ほぼみんなもつのではないでしょうか。仮に僕の家族が寝たきり状態になったとしたら、やっぱりそう思います。

看護師・ケアマネの信頼基盤

その中でカギになるのは、身体・生活状況も把握し、なんならすでに信頼のできている「訪問看護師」たち。日々の記録にあわせて、デジタルにも管理していくことで、いざという時にも備えられるという訳です。
訪問の現場にいる方の中には、「デジタル機器苦手~」という方も一定数いらっしゃいますが、どうしても紙での管理の方がデメリットが大きいです。デジタル機器が苦手な方も、使いこなせるツールだとより普及していきそうです。(実際にはどう入力しているかは見切れず…)

社会への導入は始まっている

鹿児島県肝付町、石川県内灘町では、すでに実証実験が行われたそうです。
あらためて、お住まいが浸水、土砂災害の危険エリアの方とは、万が一の際どうするか、実際に避難をしてみるなどの対話やシミュレーションがされたそうです。(お話聞いていて、僕は肝付町にもすごい興味がわきました。おらが町を守るために、前例無き事にもチャレンジするって、難しいけど大切で、そのトップバッターになった町。どんな人が、どんな思いで突き進んでいるんだろう…?)

訪問エリアの地域特性を把握できていますか?

同じように、自分の市・町では導入されるのか?は自分ではコントロールできない領域です。じゃあ、研修を聞いた僕らがまずできることって何?となると

まずは自分のステーションのエリアの地域特性を把握しておきましょう

とのことでした。

研修では参加事業所の周辺のハザードマップを皆で一緒に確認しました。
笑えないんですけど、福祉避難所が浸水エリアのど真ん中だったりしました。でも、こういったことを知らないと、利用者さんにもお伝えする情報が適切にならないなと思うと、この確認て大事だなと実感。

住んでいる市の場合は定期的にハザードマップ配布されているかと思いますが、事業所が別の市の場合は、一度確認してみるのも大事かもしれません。

「ハザードマップ ○○市」で検索すると出てくるケースもありますね。

災害対策!となるとそのためのマニュアルを~とかなることもありますが、基本的なことから、すべきことも分かりやすく、教えていただき(研修ではその他のトピックでも大変有意義なことも教えていただきましたが、それは秘めさせていただきます)とてもありがたかったです。

「ザ・リハ」みたいな研修ばかりだと気づけない視点が多く、こういった広い視点で学び続けるって大切だな~と感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。(何かポジティブな変化がありましたら、イイネください^^)


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