廣瀨 翔|Sho Hirose

風景写真作家|山古志デジタル村民|noteでは山古志を歩いて出会った風景を私の思いと共…

廣瀨 翔|Sho Hirose

風景写真作家|山古志デジタル村民|noteでは山古志を歩いて出会った風景を私の思いと共に文章に記します|テーマは「一路一想」|Twitterでは山古志の風景を添えてつぶやいています🕊

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一路一想 #0

【僕がやりたいことは何なのか】 先を知らない道を歩き、そこにある風景を確かめたい。 出会った数々の風景という点を繋ぐことで、山古志に流れる「時間」を形にして浮かび上がらせる。 多分、僕の写真は大きなパズルの小さなピースなのだと思う。 迷ったり失ったり、最悪完成しなかったりするかもしれないけれど、 それでもいいから、一片ずつあてはめて、「僕が確かに感じた山古志の風景」をつくっていきたいと思う。

    • 【山古志】飯綱神社 #26

      −2023/08/06 8月6日に、桂谷(かつらや)集落の道普請(みちぶしん)に参加しました。 道普請とは、「道路の開設・修繕工事」(岩波国語辞典 第7版 新版)を指す言葉です。 昨日の作業では主に、集落の中を通る道路の草刈りや神社の周辺の枯葉集めなどを行いました。 集合時刻は朝の8:00。桂谷の集落センターが集合場所です。私が到着した時には参加者のほとんど全員が集まっていました。 その後、点呼をとり(久しぶりでなんだか新鮮)、各々が分かれて作業に入ります。分かれて

      • 錦鯉ができるまで #2

        前回6月19日に錦鯉「昭和三色」の選別をさせていただきました。 そこから1か月が経ち、7月23日に2回目の選別をするという連絡をいただいたので、見学に寄せていただきました。 小さな錦鯉の姿だった1か月前からどのくらい成長したのでしょうか。わくわく楽しみな気持ちで野池に向かいました。 この日も数万の錦鯉が綱の中を泳いでいました。上から眺めると、赤っぽいものと黒っぽいものがあり、色がばらばらに見えます。 前回と同様に、椅子に腰掛けて、錦鯉を何匹かすくい取り、一匹ずつ選別を

        • 一路一想 #25

          山古志は畑仕事が忙しい時期になりました。 協力して網を掛けたり、早くもなり始めた野菜をもいだりする人の姿がよく見られます。 自分たちで食べる分は自分たちでつくる、私はそういう生き方にこの地で初めて触れました。 いや、初めて感心をもった、というのが近いのかもしれません。 人の暮らしとその姿にいつも惹かれています。

        • 固定された記事

          一路一想 #24

          6点とも今日(2023/07/03)撮影です。 タイミングに追われることなく、じっくりと風景と向き合えるところが山古志の素晴らしいところだと思います。

          一路一想 #23

          車を走らせていると、ご夫婦で畑に出て作業している姿を発見。前回お話ししたのは1か月ほど前だったと思います。 前に見た時より野菜の数が増えたり、野菜が大きく育ったりしていました。なす、トマト、きゅうり、じゃがいもなどの株は大きくなっていました。

          錦鯉ができるまで #1

          昨年につづき、「昭和三色(しょうわさんしょく)」という品種の錦鯉の、最初の選別を体験させていただきました。 初回のこの選別のことを、山古志の人は「黒拾い」「黒選(くろせん)」と呼びます。 お邪魔したのは、山古志・虫亀(むしがめ)の松田さん父子の車庫です。松田さんは、地域内に複数の養鯉池をもち、また、複数の品種の錦鯉づくりに取り組んでいます。 当日私が到着したのは午前10:30頃でしたが、お二人は午前8:30ごろから選別していたそう。後から入るのは少し気まずいですが、しれ

          錦鯉ができるまで #1

          一路一想 #22

          ◉はじめに毎年4月24日は山古志・竹沢の「火伏のお地蔵様」の命日です。「ひぶせ」と読みます。 「火伏ってどういうこと?」、「お地蔵様⁈」、「どうして毎年4月24日?」って思いませんか…?安心してください、僕も思いました。 「お地蔵様の番をしてるから、おいで。」とお誘いをいただいたので、お参りを兼ねてその答えを聞くべく出かけてきました。詳しい場所を聞かずに… ◉どこにあるの?場所について聞いたくだりを思い出すと、浮かぶワードは「スキー場の上のほう」。 山古志にあるスキー

          一路一想 #21

          2022年があと1日となりました。 明日は、小さな山古志楽舎の皆さんと一緒に「希望の鐘」の周りの除雪をして、鐘撞きができるように仕事をします。 一年の最後も山古志で過ごします。 皆さんもよい年末・新しい年をお迎えください。 来年もまたよろしくお願いします。

          一路一想 #20

          自分のペースで投稿を続けて、20回目となりました。 noteを読んで応援してくださっている皆さん。いつもありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。 やまの一年に寄り添って過ごすことで、山古志のことを分かるようになっていく。それは僕の写真のテーマと深く結びつくはず。 この頃は、「何が撮りたい」、「どんなふうに撮りたい」と思うことが少なくなりました。 自分の心の声が目の前の風景に呼び掛ける瞬間を感じたい。できれば、その瞬間を撮りたい。 ずっと、そう思

          一路一想 #19

          【「本当の自然」が意味するものは】 ○○の自然、大自然が残る●●、の文脈によく登場する「自然」って何なのだろうか?ということを投げ掛けたのが中西さんの この投稿です。 植物が目の前にたくさんあることが自然。 周囲に人工物が何も無いことが自然。 人間の匂いが全くしないことが自然。 これは全て「環境」の視点で、人間が、自然をこうだと捉えているということでしょうか。 「概念」としての自然はどこにあるのか、ということなのだろうと思いました。 ここからは僕の考えです。

          一路一想 #18

          【全は一、一は全】 今日は、山古志へ向かう道の途中、村松町を散策しました。 太田川のせせらぎを聞きながら歩く、気持ちのよい時間でした。 しばらく歩いたころ草の茂みが、絶えず、がさがさと動いているのに気付きました。 嫌な予感が頭をよぎり一瞬どきっとしたものの、音の正体を突き止めたい思いが勝り、茂みをかき分け確認してみました。 そこには、ヒヨドリが一羽、羽をばたつかせています。 状況をみると、怪我をしているわけではなく、草の茂みに足をとられているだけのようです。 外

          一路一想 #17

          今週の日曜日(23日)は、中越地震から18年の日です。 山古志が再生・復興のため歩んできた18年の重みは、簡単に分かるものでは到底ありません。 しかし、縁があってこの地域とつながりをもった一人として、山古志と山古志の未来のために、当日は祈りたいと思います。 一度は地域の全員が離れることになった山古志。 「帰ろう山古志へ」の思いをみんなで叶えた山古志。 山の暮らしが戻ってからの年月の中にもなお、美しい時間が流れています。 山古志の思いがつながってほしいと願っています

          一路一想 #16

          【風景を「つくる」ことについての話】 私がとらえている山古志の美しい風景とは、手付かずの自然の美しさという意味ではありません。 逆に、人の手によって作られて守られてきた、その時間を感じる風景です。 例えば、通りに沿って時期によって楽しめるように花が植えられている集落。整備は住民の皆さんが行なっています。 「花の名所があれば、そこに人が集まる」という、山古志の活性化のために提案されたプランの一つに取り組んできた結果です。 今も、小学校の跡地のそばに花が植えられている場

          一路一想 #15

          世界の片隅の、 ある日の風景の中にある、 ふとした場面の「あるがまま」を、 自分の記憶に留めておくために、 撮り続けます。

          一路一想 #14

          【写真の構え】 機会を待ち、ここぞ!というときを逃さず会心の一発で撮るスタイルがあれば、 気の向くままに動き回り、心の小さな波に従い、捉えて撮るスタイルもあると思っています。 どちらも、シャッターを切った喜びは同じです。 今の自分は後者のほう。 「じっとしていられない」からという(少し心配な)理由が大きいことと、 自分から探しにいきたいという気持ちからです。 宝物が詰まった箱が開くのを待つより、小さな宝物のかけらを拾っていく。そのような感覚です。 山古志(新潟