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錦鯉ができるまで #1
昨年につづき、「昭和三色(しょうわさんしょく)」という品種の錦鯉の、最初の選別を体験させていただきました。
初回のこの選別のことを、山古志の人は「黒拾い」「黒選(くろせん)」と呼びます。
お邪魔したのは、山古志・虫亀(むしがめ)の松田さん父子の車庫です。松田さんは、地域内に複数の養鯉池をもち、また、複数の品種の錦鯉づくりに取り組んでいます。
当日私が到着したのは午前10:30頃でしたが、お二人は午前8:30ごろから選別していたそう。後から入るのは少し気まずいですが、しれっと参戦!笑 選別を行う椅子に腰を下ろします。
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やり方は次のような流れです。
左奥に見える黒い桶から、網で錦鯉をすくい取って、水が張られた中央の白い箱にその網を浮かせます。
網の中に浮いた錦鯉のうち、黒い色をしたものをスポイトで吸っていきます。
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黒い模様は様々ですが、真っ黒よりは、少し黒が浮いていると感じるくらいがよいそうです。長い経験から得られた感覚なのでしょう。
スポイトを押し付けると錦鯉の体が傷ついてしまい、体に傷が残したまま成長してしまうため、錦鯉の体に触れないように吸っていきます。
私がこの日やらせていただいた桶一杯に入っていた錦鯉の数だけでもおよそ30000〜40000匹。最終的にはそれが10000匹になったので、選別によって1/3程度の数に絞られることになります。
水槽にある程度選別された鯉が集まったら、野池に放しに行き、次の池にいる錦鯉を取りに行きます。
産卵をさせた錦鯉がある池の数だけこの黒選を行うため、全ての池の分が済むまで同じ作業を繰り返します。ただ、昭和三色は黒選が必要なのですが、大きくならないと模様の識別ができないためにこの段階での選別がない品種もあるそうです。
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座って下を見ながらの作業が長時間にわたるので、途中の休憩が大切です☕️水分補給をしたり、タバコを吸ったり、通りかかった人と喋ったりして過ごします。
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途中通りかかったお父さんが鯉をつくる人で、いろいろな話を聞かせていただきました。
👤鯉には胃袋がない(本当なの⁈)から、餌やりは人間がコントロールしなければならない。鯉は餌を与えられただけ食べる。
👤野池の大きさによってそこに放せる鯉の数はだいたい決まっている。鯉の体が大きくなくてもよければ多く池に放してもよいし、逆に体を大きくするなら数を少なく放せばよい。こちらも人間のコントロールが大切。
こういう会話の中にもたくさんの知識と経験が詰まっていて、聞きながら感動します。
選別を続けるうちに桶の錦鯉の数が減ってきて、この日の選別が終わり、残す鯉をビニール袋に入れて野池まで運んで放しました。
車庫に戻った後は、「産網(さんもう)」という、錦鯉が中で産卵する網の掃除をしました。高圧洗浄機で残った卵や泥を吹き飛ばします。以前は、池の中で網を広げ手洗いをしていたそう…
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こうして今年の昭和三色の選別が始まりました。来月には2回目の選別を行うそうです。
世界的に有名な「錦鯉」ですが、このような繊細で地道な作業の繰り返しがあって生まれるものであることに気付かされる体験でした。そして、そういう面こそ多くの人に知ってもらいたいですし、そのための発信を続けていきたいと思っています。
今回の昭和三色の子たちを追いつつ、次回以降の選別の様子を記事にまとめていきますので、ぜひご覧ください。
読んでくださりありがとうございました。
※風景写真のほうも投稿しっかり続けていきます💦
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