2024.6.1

東京都美術館に着いた。友達3人でデキリコ展。彼の絵には、三角定規、ギターのヘッドとネック、植物のぜんまいみたいに両端がクルクルしている木の棒がやたらと出てくる。病的なこだわりだ。水流と木目にはなんらかの結び付きがあると狂信して描かれた絵もあった。絶対に病気だと思った。


肖像画について。

描かれていたのは、デキリコと彫刻とのツーショットや、ナポレオンの格好みたいな赤い軍服を着たデキリコだった。場所や服装は違うのにデキリコの顔面は全部同じに見える。いや、整形をしているわけでもないし、当たり前のことなんだけど、顔は濃すぎるしいつも同じ表情をしているから顔面のインパクトがありすぎて、コラ画像を見ているようだった。

様々な作風を経てまた回帰するような形で描かれた形而上絵画は完成されていた。水流を木目と捉え裸の男とスーツを着ている男が映ってる「神秘的な水浴」(ネットで調べて)。太陽と太陽の形をした黒い影のようなものとがコードで繋がっている「イーゼルの上の太陽」(ネットで)「燃えつきた太陽のある形而上的室内」


「オデッセウスの帰還」

影がギザギザしている。「オレステスの悔恨」「城への帰還」(ネットで)

「瞑想する人」

行ってよかった。美術館出たあと友達がライターをくれた。自分のコンテンツの宣伝グッズらしい

https://stand.fm/channels/60440489e6747bcbc8d12168

蕎麦を食べたいと言ったら、友達が、古今亭志ん朝 行きつけの蕎麦屋 翁庵に連れてってくれた。友達はお揚げと日本酒を注文。ただ美術館で絵を見ただけなのに、ずいぶん豪勢だねと言ったら「人生を楽しみたい」と。卑屈な自分をやめたい。

日本酒とお揚げをわけてもらい、粋を感じた。美味しかった。これが人生の楽しみ方か。彼をエンジョイ大使に任命。敬意。


あたたかい


そのあと新宿に行き、歌舞伎町にあるナルシスというジャズ喫茶店に行った。雰囲気が良いというのはこのことを言うんだろうな。店主のおばあちゃんはたった一人で切り盛りしていて、その人柄の良さが店の隅々まで滲み渡っている。ナルシスという店名もよい。ギリシャ神話で、水鏡に写った自分自身を愛してしまった美少年の名前。ナルシストの語源でもある。ジャズ聴いて自惚れてんじゃねえぞ!って言われてるみたいで良い。

育ちの良さそう見た目の女性が、斜め前の席に着いた。少し遅れて30代くらいの男性がやってきて、その女性とごちゃごちゃ会話していた。その内容を盗み聞きしていた友達は彼女がラジオを聞いてくれる層だと判断してライターを渡したいと思ったそうだ。だけど、勇気がなく、なよなよしていて、ナメクジみたいだなと思った。そうこうしているうちに、その女性らは会計に向かった。それでも決心が付かない友達の代わりに、もう一人の友達が女性に声をかけてライターを渡した!すごい。俺はずっと傍観者。一回り大きくなったら、今度はライターを渡せる側になりたい。ライターを渡された女性は「えーすごーい!」「面白い宣伝だねー!」×2。とっても喜んでいるようで、友達はその様子を「きれいな石渡されたみたいな」と評していて、こういうのやりたいな羨ましいなと思った。

間違ってポーチバッグの上に座ったら中で見たことない壊れ方していた。せっかくもらったのに、ごめんなさい。

銭ズラ