2024.6.7

伊能忠敬 体重120キロ


今日は、日本地図を作るために日本を一周した男が太っていたときのことを妄想していた。そんなに歩いても痩せないんだねとか。それから別世界にいる伊能忠敬のことを考えた。全国でいくつもの伊能忠敬の死体が発見されて「伊能忠敬は一人じゃなかったんだ!」とただのおっさんが、あの頃の歴史好きの少年に戻るシーンとか。俺は伊能忠敬のことを昔からよく考えている。でかいルービックキューブの周りを延々と回る伊能忠敬の両手に突然カラフルな地図が現れ、その瞬間伊能忠敬がモノクロになり、それを合図にルービックキューブの面が高速で回転し始め、全面の色が揃った瞬間にルービックキューブがモノクロになるとか。俺は社会とか日本史の勉強をしてこなかったけれど、伊能忠敬のことだけは知っていたから、ただ伊能忠敬だけをずっと擦り続けていた。俺ほど伊能忠敬を消費している人間はいないし、そんな俺だからこそわかるけれど、伊能忠敬は消費しきれない。この事実は、日本各地を回るのに疲れてゆっくり歩き始めた伊能忠敬の、ぶら下げている金玉くらい揺るがない。今日思い切って初めて伊能忠敬のwikipediaを開いてみた。なんと彼は天文学者だったのだ。どうやら暦学というものを専門としていたらしく、太陽・月・暦の運行を観測して、暦(カレンダー)を作る学問だそうだ。そっか。カレンダーはペラペラの紙に見えるけれど、意外と奥が深いんだな。そういえば、ペラペラの一万円札に印刷された福沢諭吉もそこに描かれるほどの人物だから、よく知らないけど奥が深いんだろう。濁りは旨味じゃないけれど、薄さは深みだ。バカと天才は紙一重と言うけれど、その紙一重の薄さにも簡単には言い表せない奥深いものがきっとあるんだろう。逆に、太ってからだが分厚くなってる伊能忠敬に深さなんてものはない。120キロ?痩せろ。痩せてお前が地図になれ。


銭ズラ