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「わたしはこの世に忘れられ」 マーラー ~ 心が折れそうになったときのプレイリスト 第114曲

<タイトル>

わたしはこの世に忘れられ ~ 「リュッケルトの詩による歌曲集」より

<原詩>

フリードリヒ・リュッケルト

<作曲者>

グスタフ・マーラー

<おすすめCD>

クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)

オットー・クレンペラー(指揮)

フィルハーモニア管弦楽団

<解説>

 ドイツの詩人であるリュッケルトの詩から、マーラーがいくつかを選び出して音楽をつけた、通称「リュッケルト歌曲集」の中の一曲です。

 「自分は世界に忘れられたのだ」という諦念ていねん吐露とろするような内容になっています。

 それは「死んでこの世から去った」からなのか、それとも「生きてはいるけれど忘れられた」のか、そこには触れないところが心憎いですね。

 いかにもマーラー先生が感情移入しそうな詩だと思います。

 とにかく形容できない美しさで、個人的には自分の葬式で流してほしいですね。

 「人が死ぬのは忘れられたときだ」ともいいますが、リュッケルトの詩、そしてマーラーの音楽は忘れ去られず、後世の人間によりそいつづけている。

 なんとも夢があるじゃないですか。

 紹介させてもらうのは、マーラーの弟子のひとりだったクレンペラーのものです。

 「俺こそがマーラーを理解しているのだ」と、自分が受け入れられない曲の録音をがんとしてこばみつづけた方です。

 同じ弟子であるブルーノ・ワルターへの評価はボロクソだったようですが、ベクトルは真逆だとしても、師匠やその音楽を愛する気持ちは、等価だったのかもしれませんね。

 わたしも作文のマーラーを目指したいです(無理ゲー!)


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