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持ち家派も賃貸派も。悩ましい「終の棲家」問題

賃貸暮らしの人は、生涯にわたり賃料を支払う必要があります。では持ち家の方が賃貸より安心かというと、修繕費やリフォーム代に意外とお金がかかり、悩むことも。相続しない自宅は、売りたいときに売れないかもしれないという不安もつきまといます。終の棲家をどうするべきか、解説します。


賃貸派が老後に陥るかもしれない悩み

家を持たず、賃貸暮らしを貫いてきた人のメリットは、文字通り「負の遺産」となりうる自宅を持たないこと。将来空き家になる予定の家を持っていると、その家を受け継ぐ子世代が大変だからです。空き家でも固定資産税を支払う必要がありますし、傷まないように維持管理するのはけっこうな負担です。
 
身軽な賃貸暮らしですが、老後に陥るかもしれない悩みがあります。それは家賃に関する悩みです。定年前は難なく支払えていた家賃が、年金暮らしになったら負担を重く感じるようになったというのはよくある話。生涯賃料を支払い続けなければならない身ですから、不安になったら家賃が安いところに引っ越したいですよね。
 
しかし、オーナーから見れば、一人暮らしの高齢者は「孤独死予備軍」。入居中に孤独死され、後片付けが大変な状況になったら次の入居者が見つけづらくなります。よって、高齢者の入居には慎重を期しているオーナーも少なくありません。今のマンションを出たくても、契約してくれるところが見当たらないという問題が出る可能性があります。
 
ただ、多くのケースでは、保証人さえしっかりしていれば契約には応じてくれます。近くに子世代が住んでいれば理想的。何かあったときすぐに対応してくれるという保証があればこそ、安心して貸し出してくれるのです。
 
おひとりさまや、子世代が遠方にいるためオーナーから許可が出なかったという人は、保証会社を利用するという手もあります。なお、管轄の社会福祉協議会が保証人として立ってくれる支援サービスもあるため、相談してみましょう。

持ち家派が老後に陥るかもしれない悩み

持ち家派は、賃貸派のように家賃を支払い続けなければならない不安はありません。しかし、家を持っていれば固定資産税を納める必要があります。また、家を建てて10年、20年と経てば、あちこちにガタが来て修繕が必要になるでしょう。
 
家のメンテナンスは、意外にお金がかかるもの。築20年以上になれば水回りのリフォームを行う必要性も出てきて、何十万円が一度に飛んでいきます。長く住むためにとバリアフリーの工事をすれば、百万円単位が消えるかもしれません。
 
また、やっかいな悩みが生じやすいのは、「自分が亡くなったら空き家になる家」を持っている人です。空き家の維持には身体的、経済的負担がかかります。短期間ならわずかな負担ですが、家を処分できずに管理を続けていると、相続人は疲弊していきがちです。

家を売るのに最良のタイミングはいつ?

空き家問題を回避するためには早めの売却が理想的ですが、いくら「早め」といっても、今住んでいる家を売りに出すわけにはいきません。では、どんなタイミングがいいのでしょうか。
 
どこかの施設に移り、生前に売却するのがベストなのか。自分が亡くなったらすぐ売却できるよう、不動産会社に相談しておけばいいのか。賃貸物件として再利用するのがいいのか……。答えはなかなか出ないでしょう。
 
はっきりいえるのは、家族でしっかり話し合うのがよいということと、専門家に相談すると道が開けるかもしれないということです。もし「亡くなったらすぐに売れるようにしておく」と結論づけたとしても、もしかしたら自宅は売りにくい物件かもしれません。不動産の専門家に、早めの相談をしておくのが吉です。
 
高齢者が抱える、持ち家の売買に関する悩み。以下の記事では、終活と不動産の専門家がリアルなケースを交えながら対処法を教えてくれています。ぜひ、参考にしてください。


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