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「風の日おめでとう」っていうくらい風の強い日

ここ2-3日すごく風が強い。冗談抜きで体が斜めになるくらい。すれ違った高校生の女の子がスマホを見ながら「11メートルから12メートルって書いてある」って言ってたけど多分風速のことだと思う。

風の強い日に風の音を聞いてると、遠くからズオウのパレードのテーマが聞こえてくる。そうあの名作「プーさんとおおあらし」のあのズオウ。ズオウってなんだ?映画の中ではゾウさんに見える。

何回見たことか。ティガーもピグレットもイーヨーもフクロウも、みんなその辺りにいつもいる感じ。っていうか、それぞれに似てる感じの人がいるよね?

日頃の行動が乱暴者に見えてても本当はすごく優しかったりする人、いつも誰かの影に隠れてて弱っちいのに、突然頑張りを見せる人、世の中の出来事に我関せずの体だけど仲間の困りごとにはちょっと関心を持ってくれる人、妙に博識ぶって口が達者なのに、いざっていう時いまいち役に立たない人。

そしてクリストファー・ロビンとプー。クリストファー・ロビンっていう名前を聞くだけでキュンとする。
子供のはずなのに、みんながクリストファー・ロビンを頼りにしてる。だから頑張る。そしてビジュアルも可愛い。大人になったらユアン・マクレガーになる。あのビジュアルからそうなる?と思いはするが、「大人子供」の役をやらせたらトム・ハンクス(私の中ではそういう役の永遠のナンバー1)の次の次ぐらいに上手だからよしとしよう。

映画の中に、調子に乗って尻尾ではねて高い木に登っちゃって、降りれなくて情けなく慌てるティガーを、絵本の活字部分と絵本自体を使って木から下ろすシーンがある。絵本にもその挿絵はあるけれど、実際にそれが映像で表現されるとなんともワクワクして面白い。さすがだなディズニー。

プーさんって本当はどんなクマなんだろう。おとぼけで優しいけど、自分の世界観が確立していて、どうにもただのぼーっとしてるクマではなさそうだし、かといってクリストファー・ロビンにはちょっと甘えん坊だし、寂しがり屋だったりする。おまけに太るとわかってて蜂蜜を食べまくる。食べまくった後で「1、2、3、4痩せる気分♪ 2、2、3、4痩せなくちゃー♪」みたいな歌を歌いながら体操している。うっ、そんな人もいる気がする。おまけに「痩せる気分」って。

100エーカーの森にもあるかもしれないおっきい木のちっちゃな芽

100エーカーの森での大冒険を終えた後、
「ねえプー 僕がいなくなってもここに来て 何にもしないってことをしてくれる?」とクリストファー・ロビン。

多分、プーさん好きはここでみんな「はあー」とひそやかなため息をつきながら、数秒後に目頭を熱くする。かく言う私もその一人。

ため息の先の優しい光の森

この時ばかりは、ああ私も森の仲間だと思ってみんなと一緒に冒険を繰り広げてきたのに、ここにきて、クリストファー・ロビンサイドだったとは。人間である私は行かねばならぬ、行かねばならぬのである。

と、歩いてきたけれど、今は少し「そうでもないな、立ち止まっても『何もしない』をしても別にいいんじゃない?」と思えるようになって来た。おまけにもう少しすると森の仲間にさえ会える気がする。

時間って不思議。
止まらない秒針と暮れていく夕闇を見せられることで、本当に「時間」って過ぎるものなんだなあと思わされてしまう。でも時々目を細めて見てないふりしてバレないように確認してみると、実は秒針は進んでいるわけではなくて同じところをぐるぐる回ってるだけのもので、夕暮れは朝焼けと話し合って交代しながら同じ位置に登場してるだけで、そこに人間が数字を当てはめただけの「時間」という概念はないんじゃないのだろうかと。

朝焼けとは光が違うからバレる夕暮れ

とかぐるぐる考えてみたけれど、確かにクリストファー・ロビンのセリフを最初に聞いた時と、今とでは感じ方が違ってきているし、コンタクトをつけると近くが見えずらい。ということは時間の経過を認めざるを得ないのか、それとは関係なくただ単に私が成長、もしくは逆に退化しただけの話なのか、謎だ。

ということを、デスクに座ってコーヒーを飲みながらぼーっとしている私を他人が見たら「あいつさっきから何もしてないな」って風に見えるんだろうな。

「何もしない」って結構難しい。


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