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久しぶりに、いいお天気 猫と犬と私と飛行機のしっぽ

石造りの階段、さぞや暖かいのでしょう。猫はいいな、なんてお決まりのセリフかもしれないけど、いいな。

そうそうそう言えば、以前飼ってた猫の、以前飼ってた犬へのお母さんっぷり(本当はお父さん)がすごかった。

最初にいたのが猫で、結構な大人になってから子犬が来て、お留守番が多くて(申し訳ない)二人で過ごす時間が多かったせいか、こっそり保護者気分になってたらしい。これまた犬さんの方が、大人になっても「ベタベタ犬」と呼ばれるくらいの性格の持ち主だったから。

そのベタベタ犬はとても優しくて、吠えたりとか怒ったりとかほとんど見たことがなかった。私がしつこく揶揄ったりしたら、すこしだけ低めの声で「わう」っていうくらい。

羨ましいな。ベタベタ犬は黒いミニチュア・シュナウザーさんでした。

ある日、新しい子犬が登場した。そいつはちょっとわがままでかまってちゃん攻撃が激しいやつだった。先にいる先輩方にもちっとも遠慮しない。
その後事件が起きた。
先輩のベタベタ犬がおとなしくて怒らないものだから、わがままかまってちゃん犬が、激しく唸りながらベタベタ犬に攻撃を仕掛けた。

すると私が「やめなさい」というより早く(ぱんっ)隠れ保護者猫さんがどこからともなく現れて(ぱぱんっ)わがままかまってちゃん犬とベタベタ犬の間に立ちはだかるが早いか(ぱんっ) その刹那(ぱんっ)わがままかまってちゃん犬に「はしっ」とばかりに叱責の猫パンチを繰り出して(ぱんぱぱんっ)その場をぴたりと収めたのである(ぱんっ) おおー、その時空を切り裂くかのようなスピードと(ぱんっ)精悍な姿といったら(ぱぱんっ)(この後少しリズムを落としてまとめに入る感じで)思わず種の違いを忘れ、惚れてしまうほどでありました。
(臨場感を出すために、ここまで神田白山風でお願いします)

いつもはある程度静観してる風を装って、大人の態度を見せつけていた大先輩、こういう時はそうなのね。
そんなにも君たちの絆は深かったのねと再認識さられた出来事でした。

大抵、お仕事帰りはこんな空

強い絆の話をもう一つ。
ある日仕事から帰ると、楽しみにしていたスニッカーズがない。テーブルの上に置いたはずのスニッカーズがない。帰ってから食べよーっと♪ と思っていたスニッカーズがない。ふとテーブルの下を見ると、キラッと鈍い光を目の端に捉えた。スニッカーズの包み紙じゃん。ちっちゃいけど絶対そうじゃん。

くーーーーーっ。隠れ保護者猫が食べるはずない。ってことは、どこだ?どこなんだ?ベタベタ犬!

がしかし、ベタベタ犬が届くわけもない高さのテーブル。でも待てよ、隠れ保護者猫はもちろん上下なんてあってないようなもの。5階のベランダのほっそーい手摺を得意げに綱渡りするのが好きで、お前、いつか落ちても知らないぞ。と思っていたら、ある日窓越しに目があった次の瞬間、姿を消したくらいの強者。急いで一階まで迎えにいったら(心臓が止まるかと思った)ちょっとだけ前歯から血を出して、なんですか?別に大したことないですけど。みたいな目で見上げてきた。

とにかく推理するとこうだ。ベタベタ犬がテーブルの上のスニッカーズに気づいた。とうに気づいていたけれど、私が「行ってきます」するまで気にしてない素振りを通した。しめしめ、行った行った。と思った瞬間、必死にそのスニッカーズを奪うことに集中。テーブルの上を目指して、後ろ足でリズミカルに飛びながらひんひん言ってたんだろうと思う。それも、しつこく。あー目に見えるようだ。
それを見かねた隠れ保護者猫が、秘技「前足でちょいと物落とし」でスニッカーズを床に落とす。
ベタベタ犬はやったとばかりにかぶりつく(ぱんっ しつこいからもうやめよう)それも、パッケージを開けられるはずもなくそのまんま。くらいのことだったんだと思う。

でもね、隠れ保護者猫さん、いくら強い絆で結ばれているバディだとはいえ、その協力体制には問題があるのよ。
ベタベタ犬を含む犬と呼ばれる方々は、チョコレート、食べちゃいけないんだよ。おまけにあいつの体の大きさからして、スニッカーズ丸ごとっていうのは(ましてやパッケージごと、ちょびっとの残骸を残して)、思いっきり食べ過ぎだと思うよ。心臓バクバクしたと思うよ。次のウ◯コ、大変だよ。お腹壊すかもしれないよ。そして、君らの一応世帯主である疲れて帰ってきた私へのなんたる仕打ち。私よりベタベタ犬の方が好きなのかい?
わかってますよ。テーブルの上に宝物を出しっぱなしにしてた私が悪い。でもーーー絶対届かないって思ったんだもの。反省。

お空の向こうにいるのかな? いいカメラが欲しくなる瞬間。あっ私のテク?

登場動物たちを変なあだ名でしか呼べないのは、今はみんないなくなってしまっていて、思い出しながらほのぼのと書いているつもりでも、油断すると鼻の奥がツンとして「あっやばいっ」ってなるから。
君たちはいいよな。あるかどうかは知らないけど、そっちできっと一緒に過ごしてることだろうことだろうしね。あっ、いざっていう時が来たら迎えにきてね。

隠れ保護者猫さんは立派なアメショさんでした。

天気のいい日、散歩ついでにどうしても撮ってしまう猫ちゃんやワンちゃんたちの写真を見てたら、そんなことを思い出しました。とさ。

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