フラッシュがいたら、あのエラーの瞬間に戻って、父の日のプレゼントとして、中田のグラブに球を収めてもらいたい。
みなさん、日曜日はどのようにお過ごしになりましたか?楽しい日曜日を過ごされたのなら良かったですし「別段、特別なにも」だった方も、実はそれが1番幸せな事なのかも。
ジャイアンツの交流戦優勝が、掌からこぼれ落ちた後、映画を見に行きました。見たい映画ができたので調べてみたら、まだ公開されていなくて、公開されている映画館は遥か遠く、ちょっとそこまでは行けないので近くのシネコンへ。
「リトルマーメイド」の前の人だかりをスルーして、お向かいのちっちゃめの「The Flash」と書かれた2番スクリーンへ。まだ、前の回が上映中だったので、近くの椅子に腰掛けて待っていると、ワイワイ、ガヤガヤ聞こえてきた。
終わったかな?と思って2番スクリーンへ。リトルマーメイドから出てきたお客さんでごった返していたさっきの感じとは違って、20人くらい?のお客さんが出てきていた。その中の家族連れの7−8歳の女の子が「可愛かったね♡」と、お母さんとお父さんを見上げて楽しそうに話していた。可愛かった?フラッシュの事?今、2番スクリーンから出てきたよね?とか思いながら入場。
ジャイアンツがアレだったので(しつこい)思いっきり笑ってやる!みたいな気持ちで見始めた。初めの病院倒壊シーンの実況モニターを見ながら、アルフレッド(私の中のアルフレッドはマイケル・ケイン。)が「Baby・・・」と言った言葉に、フラッシュが「Shower・・・」と囁いたところと、セラピードックの降下シーンで初笑い。
ところが、ところがだ。Apple Watchが振動した。げっ、それが振動するとしたらどんな時でも連絡がつくようにしてるお父さんからの電話か、薬の時間だけじゃん。しまった。何があった?夕方以降の電話なんて、どうした?
非情にも私はフラッシュ並みの速さで、赤い方のボタンを押した。父の日なのに。
くーーーーー。実際、集中できない。ここは一つ、外に出て確認だけするか?と一瞬考えたが、もしも、本当に大変な用事だったら、今の素早い赤ボタン攻撃をかいくぐって、もう一度チャレンジしてくるはず。と思い、座り続けることにした。父の日なのに。
鳴らないね、よし、最後まで見させていただきます。
18歳のバリーのお喋りの速さは、フラッシュになる前からフラッシュで、鬱陶しさが半端なくて、それでもキュートに見えるのは、エズラ・ミラーのなせる技なのか。なんとなくエズラ・ミラーが、ジェシー・アイゼンバーグに見えてきたりした。
ダークナイトか?と思わせるカーチェイスシーンも、バットポッドの走行音が好きな私にはちょっと嬉しい。トレーラーはクリストファー・ノーランしか前転させてくれないけれど。
くだらないことが気になる私は、子供の頃のバリーが、できない問題をしつこく解こうとして、それでもできなくてお母さんにそのイライラをぶつけた時「時には諦めることも大切よ。」と優しく言われるシーンを見て、もちろん出来ない事なんてたくさんあるし、どうしようもない事だってたくさんあるってわかってる、わかってるけど、そういうことに対して異常に諦めの悪い私は、「諦めてもいいのよ」って言ったお母さんに「お母さん!子供にそんなこと言っていいの?」と思ってしまった。
そういう優しさもあるのにね。なーんかバリーのお母さんの優しさと大きさに、ジャイアンツ並みに負けたなと思った。(しつこいっ!)
映画好きな人には、ふんだんに出てくる「あーね」的な部分も面白く、エリック・ストルツ(キリング・ゾーイとかパルプ・フィクションのエリック、好きだった。)の名前が久々に連呼されるのを聞いたり、ニコラス・ケイジのスーパーマン姿が見れたり(CGだけど、なんとなくやらなくて良かったかもねと思ってしまった。ティム・バートンだったらうまく扱えたのかな。)お腹いっぱいそういうシーンが盛り込まれている。
最後あたりで車から降りてくる靴を見て、おっ、この思わせぶりなタメは、ジョージ・クルーニー登場だな。と、同時に「なぜジョージ・クルーニーが出てくるの?」って思う人も少なからずいるんじゃないかなとも。金庫破りする前のジョージ・クルーニーは、カリフォルニア州知事になる前のシュワルツェネッガーと、栗山千明と死闘を繰り広げる前のユマ・サーマンを交えながら戦っていたんだよ。(どれも古いか。)生で出演してくれるあたりがいいね、ジョージ。
まあここでクリスチャン・ベイルが出てきてたら、これはまた驚くほど変わったなあ、いろんな意味で。って思ったれど。だったらロバート・パティンソンは・・・もういいか。
でも、すこーし変わっちゃったんだね、トマト缶の位置のせいで。そのくらいの変化は、お父さんのことを考えると仕方ない。
ちょっとだけ気になったのは、マルチバースのシーン。もう少し、全体のデザインをどうにか出来なかったのかなあと思ってしまった。多分いろんな世界が同時に存在していることを表現したかったんだろうけれど、時間の流れみたいなものや歪みみたいなものを、もうちょっとだけ違った形で視覚化してほしかった気がする。それと、CGのクオリティはロバート・ゼメキスの「ベオウルフ」や「ポーラ・エクスプレス」を見た時の印象を彷彿とさせたが、それはなんらかの狙いってことでいいんだよね?
笑えて泣けて、楽しい134分でした。ふざけてばかり書いたけど、どうにも変えられない事をなんとかしようと必死で頑張るための、大切な物や事があるのも素敵な事だし、諦める事で得られるものもあるっていう部分も認めざるをえないし、どちらかというと18歳のフラッシュに近い私は、ブラック・フラッシュになる前に一度立ち止まって一呼吸おけるようになろう。なんて思った。
2番スクリーンから出てきた女の子の「可愛かったね♡」の感想部分もわかった気がする。多分、エンドロールのワンコのシーンだと思われる。確かに可愛かった。綺麗な心をどっかに忘れてきた私には、そのシーンは最初に初笑いさせてもらったところだけで、よかったんじゃない?最後にまた持ってきてチラリズムの良さを解消すると「ほら、最初の方でみんなの心をグッと掴んだシーンだよ。このシーンみたいに最後まで面白い映画だったでしょ?」ていう念押しの帳尻合わせ感が出ちゃって・・・、と思いながら見ていたので、反省した。深読みせずに素直に見たら、可愛かったし面白かったね。エンドロールが終わっても、まだ別のシーンを入れ込んできてたから、とことん、やりたかったんだよね。134分。
あっ、気になってないとは思いますが、お父さんの電話は、ジャイアンツが交流戦優勝まで後ちょっとのところに来てたのに、あまりにも不甲斐ない試合を立て続けに2日間連続で見せられて、情けなくなって、今日の不守備を誰かと話したくてかけてきた電話でした。かわいそうだからちゃんと電話聞いたよ。いい感じで映画見終わって、おまけにお腹も空いてたのに。映画、途中で出なくて良かった。終わった事だ、諦めが肝心だよ。フラッシュが中田のエラーの瞬間に戻って細工してくれたとしたら、坂本がジャイアンツからいなくなってるから。まだまだ終わってない未来に目を向けてくれ。
っていうか、前にも言ったけど、いつか、デニーロになるぞ!えっ、私も?
夜半までいい事が続いた、いい日曜日でした。
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