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♯ 11 重要なことは、既に起こっている未来を確認すること
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今月の一言:「重要なことは、既に起こっている未来を確認すること」
(この号は3分で読めます)
私の住む京都。
一年前の静寂な京都が嘘のように、国内外の観光客で溢れかえっています。
でも、4年前。
だれが、コロナやウクライナ戦争の勃発を予想していたでしょうか?
AI、地球温暖化、米中新冷戦...
5年後の未来を予測する潮流はあります。
しかしその流れから、5年後の日経平均、日本の首相、世界情勢、自社の業績を予測することは可能でしょうか?
この不確実な時代、5年後はおろか、1年後すら、誰にも未来はわかりません。
一方、いくつかの未来については確実に分かっています。
例えば日本の少子化。
10年後の年間出生数が70万人以下(22年は80万人)になることは、「既に起きている未来」です。
例えば日本人の高齢化。
30年後の2050年、5人に2人が65歳以上になることも、「既に起きている未来」です。
数年前に提唱された、「人生100年時代」。
これも、50年後には日本人女性の3人に1人が100歳を迎える、「既に起きている未来」です。
(この考えを提唱した、世界的ベストセラー「ライフシフト」は、自分の将来だけでなく、私たち子供たちの未来について、色々と考えさせられる名著です。)
少子高齢化、それに伴う年金問題等は、今を生きる日本人にとって、だれもが知っている社会問題です。
でもこの問題、実は日本がバブルで踊っていた1980年代に(40年前!)、既に起きることが分かっていた未来でした。
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そして、ドラッカー氏の今月の言葉。
”重要なことは、既に起こっている未来を確認すること”
ドラッカー氏は先進国における社会構造の変化に着目し、当時は殆ど注目されていなかった欧州先進国の高齢化社会と年金問題に、「既に起きている未来」として警句を鳴らしました。
その警句を鳴らしたのは、なんと今から50年前の1967年!
氏の慧眼には、本当に驚かされます。
それでは、鍼灸整骨院/治療院業界における「既に起きている未来」は何でしょうか?
保険診療の厳格化は、「今起きている、顕在化した現在」ですね。
では、先生が開業している地域の人口動向、地域開発計画に伴う街の変化はどうでしょう?
鍼灸柔整師学校に通う生徒数、国家試験受験者数の傾向をウォッチすれば、5年後の採用難度及び潜在的新規開業院(競合)の動向を読むことが出来るでしょうか?
日本人人口は確実に減っていきますが、体の不調を訴える高齢者の絶対数、そして健康保険が使える外国人労働者の人数は、確実に増えていきます。
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”人は見たいものしかみない。人は望むものしか信じないのだ。”
そして、未来を創るうえで一番の難敵。
それは、2100年前の英雄シーザーも看破した、私たち人間の本質的行動です。
未来に変化の起きることが予測できたとしても、それが好ましくない事柄だと、「まだ大丈夫」「もしかしたら起きないかも」と、自分の願望にバイアスをかけて思い込み、既に起きている未来からも目を背けてしまうのが、私たちに生来備わった行動心理...
俗に言う、「確証バイアス」です。
太平洋戦争、年金問題、そして様々な企業倒産...
みな「確証バイアス」から、悲しい結末となりました。
鍼灸整骨院/治療院業界における「確証バイアス」は何でしょう?
先生の院を取り巻く「既に起こっている未来」を視野に入れながら、「確証バイアス」を本能的に持ってしまうことを意識して、5年後のありたい姿を描くのもいいかもしれませんね。
人生100年時代。
次号では、人生100年生きるうえで、人生や事業の定期的棚卸の大切さについて、一緒に考えてみたいと思います。
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~次号の「この半年で敢えてやめたものはありますか?」を読む~
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