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ラオスでロシア人男性2人組とトゥクトゥクのシェアをして

1カ月前、東南アジアで旅をしていました。新型コロナウイルスの影響で自由に海外渡航ができなくなったいま、滑り込みでできた旅だったなと。

移動を除く滞在時間で言うと、ミャンマに2日、ラオスに1日半、タイに4時間という弾丸旅で、ひたすら一人で歩き続けていました。道を教えてもらったり、オススメグルメを紹介してもらったり、タクシーの呼び込みに「ノー」と言い続けたりしたものの、人と多くを語ることは皆無。だからこそ、ラオス出国前にトゥクトゥクをシェアしたロシア人男性2人組との時間は新鮮でした。

空港行きのバスを待っているとき、もとい、待ちくたびれているとき、その2人がバス停に来ました。「空港行きのバスならもうすぐ来ると思うよ」と声をかけたら「そうみたいだね」とニコリ。その2人にトゥクトゥクのおいちゃんが呼び込みをかけ、一人が「バスと同じ料金でいいんだって。君もどうだい?」と私に声をかけてくれました。

空港までは約30分。向かい合って座る4人乗りのトゥクトゥクに3人で収まる。ときには大きく揺られながら、「ラオスで何をしたの?」「普段はなんの仕事をしているの?」などと当たり障りのない話をしていました。空港で握手をするとすぐ別れましたが、「本当にロシアでは一家に一台マトリョーシカがあるの?」という話もしておけばよかった、と後で思いました。

帰国してから「もう会うことはないだろうけど」と締めくくって友達に話したところ、「偶然の再会ってあるんだよ。友達と旅していたとき、その子がそういう再開をする場面に立ち会ったことがあるんだから」と言われました。

でもそんな偶然があったとしても、私もおそらくその2人も、「ん!?」とも思うことなくすれ違ってしまうと思います。いまはまだある2人の面影も次第に消えてしまうんだろう。それでもいい。そういうおぼろげな記憶がまた、旅なんだと私は思っています。

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