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日銀から出ている2つの注目すべきレポート

植田総裁の国会招致での発言が注目されるが、日銀関係では2つ注目すべきレポートが出ていた。2つとも「日銀レビュー」シリーズで、日銀が幅広い読者を想定して政策上重要な調査を報告するもの。

『人口動態の変化が労働市場や賃金の動向に与える影響』と『消費者物価における最近の企業のサービス価格設定行動』がそれである。

1つ目の『人口動態の変化が労働市場や賃金の動向に与える影響』については、日本の労働市場で従来言われていた「二重構造」から変化していることがレポートされている。「二重構造」とは2種類あって①正社員と非正社員の格差②転職で賃金を上げていく「外部労働市場型」と同一企業内で昇給していく「内部労働市場型」、のことで、これまではこの二重構造で賃金上昇に格差があるとされていた。それがこのところ解消されつつあるという。

2つ目の『消費者物価における最近の企業のサービス価格設定行動』は、消費者物価指数(CPI)のうち賃金の影響を受けやすいサービス価格で上昇がみられるというレポートである。

2つのレポートを合わせて読むと賃金と物価の好循環が実証的に示されつつあるとしていることが重要で、今後の利上げの根拠となりうるものだ。

読んでみることをオススメしたい。

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