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トーマス・フリードマン『フラット化する世界』とレーニン『帝国主義論』
トーマス・フリードマンの『フラット化する世界』を読んだ。冷戦崩壊とインターネットの発達で世界がグローバル化していることを論じた古典である。インターネットの登場でグローバル化のコストが低下しているという点がポイントだ。
ビル・ゲイツは著者のトーマス・フリードマンに「この本の内容に書いてあることはマルクス=エンゲルスの『共産党宣言』に書いてある」と言ったそうだが、『共産党宣言』よりもレーニンの『帝国主義論』に近いのではないかと思った。
『帝国主義論』はかいつまんで言うと、資本主義は利潤を求めて帝国主義的になり、フロンティアとして世界を飲み込んでいくが、いつかフロンティアがなくなり利潤率が低下して、資本主義自体が消滅するというもの。『フラット化する世界』では資本主義が崩壊するという暗い予言はなされていない。現実の資本主義では独占禁止政策で常にイノベーションが起こる仕組みを取り入れており、今のところ利潤率の低下は発生していない。
『フラット化する世界』も『帝国主義論』もグローバル化を記述している点で共通している。資本主義を利潤率の低下で崩壊させないためにイノベーションを起こす仕組みがますます重要になってくるだろう。
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