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あの日の君に恋をした。第7話

遊びに行く数日前にある一通の連絡が届けられた。
「ひでくん」
「ごめんなさい。今度のごはんには行けない。彼氏ができたの。」

あの日の風は背中を押してくれたわけではなかった。
むしろ、引き留めてくれていたんだ。

同時に涙があふれて心が苦しくなった。
その時、コンビニのバイト中で、動けなくなるほどきつかった。
ただ働かなければという義務感がゆえに感情が定まらなかった。
そこにクレーマーが追い打ちをかけてきた。

僕はついに感情が爆発してしまいそうになった。
そのクレーマーに向かって、僕の気持ちをなんだと思っているのだ。
そういうまなざしを向けてしまったのだ。
もちろんクレーマーはヒートアップしたのだ。
ただ僕は間違ったとも思ってないし、正解だとも思っていない。

人生をやめたくなる。
つくづく失恋をするたびに思う。

ソンナ事を考えている中
クレーマーさんからのきつい一言が僕に火の矢を打ち込んできた。
「お前みたいな、客の気持ちを考えられないやつはな出世もできないまま妻もできねーんだよ」
なんで、僕の失恋に飛び火、いや流れ弾してくるような事を言ってくるんだ。
「ただ僕は年齢確認のタッチをお願いします。」と言っただけだ。
その後に30秒たっても反応がなかったから繰り返したのだ。
聞こえてないと思って。
ちょうどコンビニも混んでいて周りからの目線が痛い。
『この場で泣いたらどうなる?
誰か助けてくれるのか?
なんのために僕は今働いているのだ。』

『頑張ったって報われないよ』

それからというもの全てが止まっている。
よく言う「心にすっぽり穴が開いた」という感じだ。
アルバイトをしていてもなにも頑張る気になれない。
働く意味はあるのか?なにより350万円借りて留学に行く。
それは意味があるのか?どうしよう
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
同じアイドルが好きであるため、そのアイドルを見るたびに思い出してしまう。
ただアイドルは好きでいる。その複雑な気持ちで暴飲暴食気味だ。

そんな時だ。好きなアイドルが卒業を発表した。
ライブに行こうと思ったが当選せず、気持ちは変わらない。
ただ中には入れないが外で楽しもうと思った。
二日目はスタッフとして入ろうと思った。
心は少し軽くはなった。
一日目は交通費節約のため、家にいた。
ただその行こうとしていた時間にそのアイドル小森由依がパンダのぬいぐるみを
来てファンに会いに外に来ていたのだ。
なんでいかなかったのだろう。これ以上の出来事はないだろうと後悔した。
そして次の日、スタッフとして入ろうとしたのだ。
「すみませーん、人数足りているので今日大丈夫です。」
そう会社から言われたのだ。
もう最後に由依さんを少し見て、ライブの運営のお手伝いをできない事に悲しさを受けた。
ただ、生写真を100枚近く買いこの落ちている気分をどうにか和らげようと頑張った。
気持を入れ替え沢山楽しんだ。帰り際、アイドルグループのメンバーに似ているで有名なインフルエンサーのねぎさんにも出会った。最初は会えればなーって期待だけだったが運が良いことに出会えたのだ。写真も撮れた。可愛かった。
ひでは割と単純に良い事が続き始め、気分が変わり始めていた。
その後に友人が悩みを聞くため、温泉を誘ってくれたのだ。
高校時代から一番の相棒のしづきというやつだ。
彼はとても良いやつで何事にも真剣に自分の意見を伝えてくれる。
ちょっとした悲しんでいる事にも気が付いてくれるとても優しい友人だ。
どれだけ救われただろうか。
しづきはスタッフとして入っていたため感想を聞かせてくれたのだ。
ひではお金を払い配信を見て涙していた。
それくらい小森由依に対して特別な思いがあったのだと。

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