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ミニスナックゴールド
ミニスナックゴールドは決意した。必ずや、スナックゴールドになることを心に決めた。スナックであることを誰よりも考え続けたミニスナックゴールドである。スナックにかけては当代一であった。それ故にミニスナックゴールドは自ら思い切りよくゴールドと名乗っていたのであるし、村のもの全員がそのとおりであると認めるところであった。
しかしながミニスナックゴールドには社会が分からぬ。自らの外に世界を持たぬミニスナッ
みかんの香りをかぐたびにデミオを
実家に帰り、デミオに乗る。2003年くらいのモデルだから、20年近く前の車だ。オレンジ色で、純正のエアロパーツがついていて、チョロQみたいなフォルムでかわいい。父が所有していたが、あまり乗らないのでここ10年ほど借りていたのだ。だが今は、父は今年の1月に亡くなり、権利上でもぼくのものになってしまった。
久々に乗ったデミオは相変わらずハンドルの動きに敏感で、ぼくの意思が確かに伝わっていると実感でき
8リットルの大ジョッキ
川崎駅に来たのはもう2年ぶりだ。感染症が流行して、飲食店での会食が感染拡大の原因だって言われて、そうかと思い大人しく過ごしていたがもう限界だった。駅から5分ほど歩いたところにある赤提灯のドアをくぐる。
ここは何を頼んでもおいしい。店員さんの気配りも効いている。大声を上げなくても少し店内を見回すだけでスッと注文を取りに来てくれるのが心地よい。里芋の唐揚げと豚モツの串、イカの刺身、それに生大。揚げ出