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上の子とデート

慣らし保育が始まって初の週末は、シルバーウィークの破片と融合することで三連休となった。

下の子は熱にうなされ続け(元気だけど)、上の子はエネルギーを持て余し続けて常に何事かを呟きながら家の中を跳ねまわっている。上の子が暴れまわっていては静養どころではないので、私は意を決して上の子を遠くまで連れ出すことにした。

しかし都内は未だ緊急事態宣言の真っ只中である。残念ながら多くの人々はこの状況に慣れきってしまっているので、行楽地や遊興施設はそろそろ人出が気になる段階であろう。

そういうわけなので、丁度会社に用事もあったために私の勤務先まで連れて行くことにした。土日のビジネス街は、平時であってもゴーストタウンと化す。こんな時にプラっと出掛けるにはうってつけだ。

昼食を済ませた我々は、手早く出掛ける準備を進め、台風一過の青い空の下へと飛び出した。少しでもエネルギーを消耗させるため、お昼寝はナシだ。外はやや気温が高いものの、爽やかに吹き抜ける風のお陰で暑さは気にならない。

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我が子は駅までの道のりをガチャガチャしたフォームで駆けてゆく。暮れに越してきた頃は、まだベビーカーで出掛けていたのに、今は速歩でないと追い付けないくらいに走れるようになっていて、順調に増してきたスタミナも慣らし保育によって更に増強されているようだ。日々成長しているのだ。

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階段の上り下りもサマになってきた

会社へは20分程度も電車に揺られていれば到着するのだが、我が子は半分くらいから飽きてしまい、停車の度にグッタリ横たえた体を起こしつつ「もうついた?」を連発してくるようになった。乗り換えも無いので退屈なのだ。お昼寝ナシの弊害である。

騙し騙しで何とかオフィスへ到着し、我が子におやつを食べさせている間、私は用事を片付けた。電車の中ではどうなることかと先を案じていたが、降りてからはゴキゲンそのものなので助かる。

用事を片付け、誰もいない会社を後にした我々は、その足で秋葉原へと向かった。我が子はまだ全然遊び足りないので、どれだけお茶を濁しても「つぎどこいく?」と問いかけ続けてくる。

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秋葉原の街は予想以上の人出で、少し面食らってしまった。特にガンダムカフェ周辺の広場には外国人の姿も多く見られ、皆それぞれにたむろしている。

我が子のトイレ問題も気になっていたので早々にこの場を立ち去り、近くで諸問題を解決した。意外なことに、建物に入ると人の姿はそこまで気にならない。ミナサンなりのコロナ対策なのかも知れないが、そうだとしたら本末転倒な感じがする。私がとやかく言う問題でもないが…。

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2度目のおやつタイムを経由し、我々は「ヨドバシ akiba」へとなだれ込んだ。大人も子供も見るべきものが沢山ある上に、広い店内はどれだけ歩き回っても子供を飽きさせない。もちろん、子供のような大人も飽きさせない。

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子供のような大人が欲しいもの

しかし我々が見るべきは、間近に迫った下の子への誕生日プレゼントなのだ。仮面ライダーのカプセルトイやらプリキュアのステッキ(?)やらアンパンマンの”何か”やらを散々ねだられた挙句に漸く知育玩具やベビー用品をチェックする頃には、既に外が暗くなる時間だった。我々は手早く調査を済ませ、購入は通販にて解決することとした。

家に帰り着く頃には夕食どきを過ぎてしまうので、ヨドバシ akibaのレストランフロアへと向かい、我々は栄養補給の手段を検討することにした。

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長きに渡るコロナ禍の影響で、暗くなっている店が目立つ

蕎麦屋にでも行こうかと思っていたのだが、我が子のリクエストは「おすし」であった。私もおすしは好きだけれど、回転寿司屋ではなかなか野菜が摂れない。しかし子供のリクエストには抗えない。

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電車に乗ってのマトモな「おでかけ」にテンションが上がりっ放しの我が子は、自分でリクエストした割には思ったほど食べなかったものの、楽しそうに且つお行儀良くおりこうさんのままで過ごして居た。そう言えば我が子と2人きりでの外食はこれで2度目だし、夕食は初である。疲れもあるだろうに文句ひとつ言わず行儀良く座っててくれるのは、親として非常に助かる。もう少しヤンチャでも構わないが、きっとこれから想像もつかないほど困らされるのだろう。覚悟はしておくつもりだが、実際どれだけできているのかはわからない。

そんな私の胸中など露知らずの我が子と2人、手が届きそうなくらいクッキリとした真っ白い満月を見上げつつ、おててを繋いで家路に就いた。

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そんな月も、スマホで撮るには無理がある

こんな風に喜んで「おでかけ」に付いてくるのは幾つになるまでだろうか。

おわりに

家に帰り着くと下の子の元気な声が出迎えてくれたが、熱は下がっていないようだった。明日の保育園は無理だろう。

何事も無ければ良いが…。

なんて心配をよそに、2人とも普段通り、思い思いの自由なポーズでグッスリ眠っている。

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