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ブックオフグループHDの決算内容を3分で解説!

今回はブックオフグループHDの決算内容について見ていきましょう。
一度は足を運んだことがある方は多いのではないかと思うこの企業、決算内容はどうでしょうか?

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
前年2021年の決算より決算月を3月→5月に変更しました。その関係で各種資料にある2021年の数値は「14ヶ月間の数値」となっています。まずはこの点、ご注意ください。
では話を戻しましょう。
売上高は915億円、営業利益は17億円、当期純利益は14億円となりました。

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出所:決算説明資料

商材別の売上動向を見てみると、トップ3は「書籍、ソフトメディア、トレカ・ホビー」でした。売上高に占める構成比率は、「書籍:29.5%、ソフトメディア:26.2%、トレカ・ホビー:13.3%」となっております。
この中でも一番の注目株はトレカ・ホビーで、この1年間で構成比率が2.5%増加してトップ3に食い込んできました。

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出所:決算説明資料


トレカ市場は2018年頃までの10年程度は横ばい状態が続いていて、市場規模としては800〜1,000億円ほどでした。
それが2019年からポケモンカードの人気などの影響で急進して、市場規模は一気に1,600億円超となりました。
ただこの市場規模1,600億円というのはあくまで新品のみに話です。同規模の市場が中古品でも存在するとのことなので、実質市場規模は3,000億円以上存在すると考えられます。ポケモン効果恐るべしです。

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出所:決算説明資料

またブックオフは海外展開も行っています。進出拠点はアメリカ・マレーシア・フランスの3拠点です。アメリカとマレーシアにはそれぞれ9店舗ずつ展開しています。2020年はコロナ禍の影響でロックダウンもあり、売上高はかなり落ち込んだようですが、今ではコロナ禍前よりも大幅に増加しています。

出所:決算説明資料

営業利益以降の項目についても少し見ていきましょう。
今回の決算内容ではなく昨年度の内容になりますが、2021年決算時に減損損失として6.7億円の損失を計上しています。
これはコロナ禍の影響で連結子会社の業績が悪くなり、投資回収期間が遅れる可能性が出てきたため減損損失を計上するに至りました。
ただ2021年に損失を計上したので、今回の2022年決算にはその影響はありませんでした。

出所:決算短信

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産としては前年末から47億円増加しています。現預金で+23億円増加商品で+16億円増加したことが主な要因です。
このように資産サイドはあまり特別な動きはありませんが、今回は純資産の項目で大きな動きがありました。それは自己株式の処分です。
今回の処分株数は230万株で、公募による処分で200万株・第三者割当による処分で30万株となりました。

出所:決算説明資料

今回の自己株式処分によって21億円のキャッシュを手に入れることができます。
このキャッシュの使い道は、連結子会社2社への融資を通じて設備投資に充当するとのことです。国内拠点の拡大IT関連への投資に使われる見込みです。

出所:ニュースリリース

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体収支は+23億円となりました。内訳としては営業CFで+27億円、投資CFで△18億円、財務CFで+14億円です。営業CFと投資CFの合計であるフリーCFは+9億円でした。

出所:決算説明資料

また緊急用の資金調達手段として、取引銀行10行と当座貸越契約を111億円で結んでいます。そのうち現在使用中の借入金が49億円あるので、使用可能金額は残り62億円となっています。
本業の営業CFでしっかり稼ぐことができていて且つ緊急用の資金調達手段も整っています。
状況的にはもう少し投資へキャッシュを割り当てても良いのでは?と個人的には感じています。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?




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