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朝日インテックの決算内容を3分で解説!

今回は朝日インテックの決算内容について見ていきましょう。
最近CMで見かけるようになったこの企業、決算内容はどうでしょうか?

1.PLの状況

まずPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前期比+26.4%777億円となりました。営業利益は前期比+19.1%152億円、当期純利益は前期比+8.7%108億円となりました。大幅な増収増益です。

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出所:決算説明資料

セグメント別に状況を見てみましょう。セグメントは二つ、「メディカル事業」と「デバイス事業」があります。主力はメディカル事業で全体の87.9%を占めています。またメディカル事業の売上高に前期比は+28.8%とかなり好調なことが伺えます。

出所:決算説明資料

メディカル事業についてもう少し詳しく見てみましょう。地域別の売上高を見てみると、前年までは日本での売上が一番大きかったです。その後に米国、欧州、中国と続いていました。ところが今回の決算ではその順位が一変します。
欧州が一気に一番の売上をあげ、続いて中国、日本、米国となりました。欧州に関しては前年比+64%増加、中国に関しても+53%増加と売上を牽引しています。

出所:決算説明資料

今回日本以外の地域で売上高が伸びいますが、その要因として「M&A」の影響があります。欧州ではKardia社を、米国ではRev1社それぞれ30億円以上かけて取得しています。2社とも株式の取得は2021年7月に完了しているので、取得してまだ一年です。M&Aの本当の効果としてはこれからでしょうか。

出所: HPのIRニュース
出所:HPのIRニュース

では全体的なところに話を戻しましょう。やはり業種的に医療関連等ということもあり、研究開発には力を入れています。以下のグラフは過去6年間の研究開発費の推移ですが、ここ6年間で研究開発費44億円から88億円とちょうど2倍になっています。

出所:決算説明資料

この研究開発費の増加に伴って売上高も増加しています。18年決算時の売上高は501億円でしたが今回の決算では777億円となりましたので、1.5倍に増加しています。もちろん研究開発費の増加だけが売上高増加要因ではありません。先程説明しましたM&Aなどによる要因ももちろんあります。
しかし日々医学が進歩する中で新しい医療機器の開発をすることによって事業拡大を図っていくことが大きな柱となっていることは否めません。
そういう意味でも今後はさらに研究開発費に資金が費やされると考えられます。

出所:有価証券報告書

前年からの営業利益増減要因の内容は以下とグラをご覧ください。
【増加】売上高増加、円安による為替影響
【減少】研究開発費を含めた一般管理費増加、M&Aに伴うのれん償却費増加

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産としては前年から397億円増加しています。内容としては現預金の増加が一番大きく+109億円増加しました。また売上高が前年より+26%増加していますので、全体のオペレーションが増加し債権債務の残高も増加しています。
売掛金等の債権は+38億円増加、買掛金等の債務は+14億円増加しています。

出所:決算説明資料

PLの状況で説明しましたM&Aによる影響としては「のれん」や「投資有価証券」の増加に表れています。前年からのれんは+56億円、投資有価証券は+23億円増加しています。のれんに関しては今期子会社化した3社と2018年に既に子会社化している1社の合計4社分の残高となります。

出所:有価証券報告書

またのれんや投資有価証券以外でも流動資産・固定資産・流動負債の各科目の増加の一因となっています。各子会社を取得した際の取得価額や受入資産などの詳細情報は、有価証券報告書の「第5【経理の状況】」の後半部分に(91P以降)に記載があります。興味があればご覧ください。結構詳しく書いてあります。

あと長期借入金が+29億円増加していますが、これは借入金の返済期限が到来したので一旦完済して再度5年間の借換えをしたためです。長期借入金の平均金利は1%を切っている状況から考えると、金利負担はあまり重くなさそうです。

出所:有価証券報告書

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年から+109億円増加となりました。内訳としては営業CFで+173億円、投資CFで△187億円、財務CFで+113億円という内容です。
営業CFは税前当期純利益で157億円出ているのでこれが効いています。投資CFはM&Aによる子会社株式取得の69億円有形固定資産取得の79億円が主な内容です。財務CFでは新株予約権行使による新株発行で123億円の資金調達がありました。

出所:決算説明資料

また緊急時の備えとして取引銀行9行と総額60億円当座貸越契約を締結しています。現状のCFの状況から考えると問題ない金額ではないかと思います。

出所:有価証券報告書

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?


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