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クラウドワークスの決算内容を3分で解説!

今回はクラウドワークスの決算内容について見ていきましょう。
フリーランスや副業をする方が増加している今、その波に乗って業績を伸ばしているようです。

1.PLの状況

まずはPLの状況について見ていきましょう。
内容を見る前に前提に触れておきますが、今回の決算から連結決算を作成したため、前年の数値に関しては参考値である点ご注意ください。

では話を戻します。
売上高は前年比+31.3%の105億円となりました。営業利益に関しては前年比+62.4%と大幅増益となり10億円という結果です。
大幅な増収増益で、営業利益に関しては過去最高益となりました。

出所:決算説明資料

それでは主要な4指標「GMV」「売上高」「売上総利益」「営業利益」に関して過去推移を見てみましょう。

過去推移を見るにあたって注意点があります。
2020年3Qまで「受託事業」に関するデータがありますが、2020年4Qで子会社株式を譲渡しためこれ以降は「受託事業」は含まれていません。
この点を踏まえた上で過去推移に関する内容を見てください。

出所:決算説明資料

◇GMV(Gross Merchandise Value:流通取引総額)
GMVに関しては受託事業を除いた数値で見ると、2019年から右肩上がりで増加を継続しており、4Qの前年比では+23.5%と好調を示しています。

出所:決算説明資料

◇売上高
売上高に関しては、受託事業を売却した2020年4Q以降で見てもQごとに売上高は増加を続けており、一度も減少せずに今回の決算に至っています。
4Q比較では前年比+27.5%と大幅な増加を見せています。

出所:決算説明資料

◇売上総利益
売上総利益に関しても売上高と同様の推移を見せており、2020年4Q以降ではQごとに増加を続けています。
4Q比較では前年比+35%と大幅増益となりました。
また利益率に関しても増加を続けており、2020年4Q時点の21.4%から+3.8%増加して今年の4Qでは25.2%になりました。

出所:決算説明資料

◇営業利益
営業利益に関してはQごとで見るとかなりバラツキがありますが、今年は1〜4Q全て黒字を計上しており、通期の営業利益は10億円に到達しました。

出所:決算説明資料

事業別に内容を見てみましょう。
事業としては二つ「マッチング事業」「SaaS事業」です。
規模感としてはマッチング事業がメインとなっていて、売上高・営業利益ともに大半を占めています。

出所:決算説明資料

マッチング事業の代表的なサービスとしては、みなさんご存知の「クラウドワークス」です。あとはここ最近急成長を見せいているハイクラスに特化したマッチングサービス「クラウドリンクス」があげられます。

出所:決算説明資料

ビジネスモデルとして売上高や利益をあげるには登録数を伸ばしていく必要があります。

今回の決算時点での登録数は、登録クライアント数が84.9万社、登録ワーカー数が527.5万人と業界トップレベルの水準です。

ここ1年間での推移を見ると、クライアント数では+8.6万社、ワーカー数では+58万人増加しており順調に登録数を伸ばしています。

出所:決算説明資料

このように登録数が伸びている背景としては「在宅勤務の継続」や「副業制度の導入」が考えられます。
またこの流れは今後も継続していく可能性がありますので、そうなれば当路数を伸ばしていく追い風になると考えられます。

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+14億円増加しました。
ただ「前年は単体」「今年は連結」の数値である点はご注意ください。

出所:決算説明資料

流動資産は+11億円増加しました。そのうち現預金で+8億円増加しています。この点に関しては、後のCFの状況で説明していきます。

また2021年10月に複業マッチングサービスを展開している「コデアル」の株式を取得して完全子会社化しました。
その影響は流動資産・固定資産・負債の各項目に含まれています。

出所:有価証券報告書

今回の連結によって固定資産の項目に「のれん」が加わり、償却後の期末残高としては0.9億円計上されています。

出所:決算短信

各種指標についても見てみましょう。
流動比率(流動資産÷流動負債)に関しては235%と目安の200%を超えているので問題ありません。

固定比率(固定資産÷自己資本)に関しても16%と目安の100%を大きく下回っており、こちらも問題ありません。

また現預金が51億円あり、総資産76億円に対してかなり高い比率を占めています。比率にすると66.9%と総資産の半数以上になります。

出所:決算説明資料

これはビジネスモデル上、あまり固定資産を持たないことが一因として考えられます。もちろんしっかりと利益を出すことが前提となりますが。

あと自己資本比率に関しては59.9%とこちらも全く問題ないレベルの数値となっています。

全体的な財務健全性としてはどの指標を見ても問題ないレベルです。

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては+8億円増加しました。内訳は営業CFで+11億円、投資CFで△2億円、財務CFで+0.1億円という内容です。

出所:決算短信

営業CFは税前利益で+9億円あるのでこれが一番大きな要因です。

投資CFはBSの状況でも触れた連結子会社の株式取得で△0.8億円、あと投資有価証券の取得で△1.6億円支出がありました。

財務CFは株主配当の支払いもありませんので、あまり大きな動きはありませんでした。

また現在の状況下ではあまり心配はないかもしれませんが、緊急時の備えとして取引銀行4行と当座貸越契約を総額24億円で締結しています。

出所:有価証券報告書

現状のCFから考えると十分な備えではないかと考えます。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

マサキタカオ




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