元ニートが初就職後まもなくベトナムへ赴任し、そして帰国する話
こんにちは、さとうです。
実は6月から2ヶ月半ほど、事業部を異動してベトナムにいました。
入社2ヶ月でなぜそんなことになるのかと、なかなか興味をひく経験を得たのではないかと思うので、簡単に共有したいと思います。
あらまし
これまでの大まかな経緯を説明すると、長きに渡るニート生活を卒業し、4月1日にシステム開発会社に入社後、1ヶ月間の研修を行い、その後新規自社プロダクトの設計に従事し、6月3日にベトナムへ渡った後、要件定義・基本設計・現地チームメンバーへの開発内容の説明などを行ってました。
自分の業務を説明するために、ひょっとすると「ブリッジSE」という言葉が適切かなと思ったのですが、プロジェクトがかなりベトナムメインで動いていたことを考えると、あんまり自分には当てはまらないかもしれません。
自社のプロジェクトに参画しながら、7月からは他社の案件にも参画したりして、なんやかんやあり8月12日に帰国しました。
現在は社内で進行中のwebサービスの受託案件にスポット参戦させていただいて、日々コードを書いています。
なぜ入社早々ベトナムへ?
ここで当然湧き上がる疑問が「なぜ入社直後の新入社員がベトナムへ行くことになったのか?」ということだと思います。
端的に言うと、飲みニケーションによるゴリ押しです。
なんというか、あんまり誇らしいことではないので、詳しく書くべきか迷うのですが、4月1日の入社式で開催された歓迎会で、しこたま酒を飲むことによってベトナム行きがほぼ決まりました。
具体的に何があったかといいますと、久しぶりに飲むビールが美味しすぎていい感じに酔っぱらってしまった結果、入社式に合わせて帰国したばかりの社長の隣を1時間くらい独占して、ベトナム支社行きを懇願していました。
一つことわりを入れておきたいのですが、普段の私は人見知りの陰キャです。どのくらい陰キャかというと、6年間引きこもって他人との関わりを拒絶していたくらいの、少なくとも上位1%に入るのではないかという実績を持った陰キャです。
そんな人間が前述のような暴挙に及ぶというのですから、それだけでもお酒の恐ろしさが分かるというものです。
しかし私の普段の様子など知る由もない社長は「威勢のいい新入社員が現れた」と思ってくれたのでしょう。翌日には部長から、ベトナム行きが決まったとの旨が知らされ、二日酔いの残った私の頭は大いに混乱しました。
実は就職の前準備として受けたTOEICが950点だったというのもあり、それを唯一の武器として、海外志向の強い人材アピールを採用面接時にしていたので、それもあってトントン拍子に決まったのではないかとも思っています。(実際、面接を担当していた部長が社長との顔繫ぎをしてくれた)
余談なのですが、入社式当日は酔いすぎて帰れませんでした……。駅周辺のホテルに泊まって、翌日そのまま出社するハメになり、おまけに翌朝気付いたらスーツのチャックが壊れてしまっていて、入社から数日は社会の窓全開で過ごしました……。これから社会に出る方がおられましたら、歓迎会では飲みすぎないよう気を付けることをお勧めします。
ベトナムでの生活はどうだったか?
そんなこんなで仕事にも慣れきれないまま日本を出国した自分ですが、向こうでの生活はどうだったかというと、非常に快適でした。
確かに不満は多少ありました。ホテルのバスルームが狭い、トイレとシャワーの仕切りがない、一度シャワーを使うと暫く水が流れ切らずトイレが使えない、壁が薄くロビーからの騒音で眠れない等、主に滞在していたホテルに思うところが結構ありました。
しかし人間、住めば都というところがあり、なんだかんだすぐに慣れてしまうんですよね。そうなると、職場へ徒歩7分、サンダル・ジーパン・Tシャツで出社可能、ご飯がとにかく安い等といったメリットばかりが見えるようになってくるんです。
屋台だらけで毎日お祭りのような街並みや、若者が多く活力ある雰囲気だったり、正直ずっとベトナムで働いていてもいいなと感じるくらい楽しい日々でした。
なによりですね、周りの人間たちが何を話しているか分からないという環境が、不思議と心地よかったんです。
お互いほとんど言葉が通じないという環境が、無理をして会話をしなくてよいというエクスキューズになっているような感覚です。(まあいずれチームメンバーとやり取りができるよう、毎週ベトナム語を勉強してはいましたが)
余所者としての気楽さというんでしょうか。それが私には一番魅力的でした。
なぜ帰国したのか?
ベトナムでの生活を気に入ったというのなら、なぜ今回完全帰国したのかというのが自然な問いになると思います。
理由はひとえに、向こうでの業務と、自分のキャリア志向との乖離に気付いたからです。
ベトナム渡航前は知らなかったのですが、基本的にベトナムでの日本人の仕事というのは、現地チームのマネジメントや、日本やそれ以外の国の顧客との折衝業務がメインになるということらしいのです。
当然といえば当然ですよね。人件費削減を狙ってベトナムで案件の発注・人材の確保を行うのに、わざわざ日本人にベトナムで開発をさせる意味がありません。
というわけでベトナムにいる限り、積める経験というのはマネジメントや見積もり、要件定義といった、主に上流と呼ばれる工程の経験のみになるわけです。
それはそれで貴重な経験だとも思うのですが、どうしても、キャリアの一番初めから、そういった業務に身を置くことになるのは受け入れがたかったんです。
なぜなら、開発を経験してからマネジメントというキャリアはあり得ても、マネジメントから開発に戻るというキャリアは想像しがたかったからです。
端的に言って、潰しがきかないんですよね。
自分が実際に手を動かしてコードを書くのが好きというのもあって、しばらくは開発やテストの経験を積みたいという気持ちが強いのも一因です。
そういった気持ちをベトナムでの上長に相談した結果、日本への完全帰国が決まりました。
会社にベトナム赴任のためのコストを投じてもらった手前、この決断をするのは非常に申し訳なく、不義理に感じたのですが、本格的にどこかのクライアントとの契約が発生する前に決断ができたことは、結果としてよかったと思います。
日本に帰って
日本に帰国して一週間ほど経ちましたが、なんというか夢が覚めたような気持ちです。それだけあちらでの生活が非日常体験だったということなのでしょう。日本を出るということ自体が、人生で初めての経験でしたし。
それでも、こちらでの仕事もなかなかに楽しいです。帰国前から参画し始めた現在の案件での担当工程が開発工程ということで、自分がやりたかったことをできているという実感があります。
しかしながら、やはり朝の通勤電車や長い通勤時間といったものには辟易しますね。お盆期間で比較的電車が空いていてなお、これ、ということを考えると恐ろしいです。会社近くに引っ越したい……。
というかなんだか異常に暑い気がします。ホーチミンより暑いってどういうことなんでしょう。ヒートアイランドってやつ?
これから
ベトナム赴任を通じて、自分のキャリア志向もより明確になり、どうやら自分は(少なくとも暫くのうちは)開発から離れたくないようだということがはっきりしたので、これからは一層スキルの獲得に専念しようかと考えています。
手始めに、ベトナムでは中々入手が難しかった技術書(リーダブルコード、webを支える技術など)を読み始めました。以前ゲーム開発を行っていたみたいに、今度は何らかのwebアプリケーションを作ってみたいなとも考えています。
この間まで単なるニートで、自分の未来など考えるのも苦痛だった人間が、こんな風にやりたいことが内から湧いて出てくるのもなんだか不思議な気がします。
しかしせっかく生きている以上は、何か目標を目指して進んで行きたいなと思います。
今回も乱文乱筆にお付き合いいただきありがとうございました。また機会があれば、よろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?