車窓の月一つ(詩)

スマホを見つめる電車は揺れる。
君からの返事はまだこない。

車窓に光が流れてく。
街の光が流れてく。
ついでに私の気持ちまで流されてゆくような
そんな気がした夏の夜の景色だった。

未来ってどこ?
時は流れてゆくものだってきいたけど、
君の気持ちは変わらないよね?
私も君を想うから。

そう思っても街の光の流れてく。


スマホをしまって車窓を眺める。
ため息一つで夜を見つめる。
君からの返事はまだこない。

車窓には月が灯っていて、
無数の星をしたがえる。
そしたらさ、私の心にも少し灯してほしいんだけどな。
君に似たそのやさしい明かりをね。

未来ってどこ?
君と私はどうしていますか。
今よりはそばに寄りそってますか。
それとも今と同じ位かな。

あの月よりも君との距離は遠く遠くにあるみたい。


スマホが震えた。
震える指で、そっとボタンを押してみる。

君はいつもの君な調子であっけらかんなことを言う。
「月みてごらん、きれいだよ!」
だって。
もう一度見上げてみればやさしく光る月一つ。
あ、本当にきれいな月ね。

未来ってどこ?
そこで君は何をしてますか。
できることならそばにいて、
一緒に月をみませんか。

ここは未来を映す車窓なのかもね。
だって君と私の眺めてる、
やさしくきれいな月一つ。


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