詩 ほしのまどべに

立原道造さんの詩、『のちのおもいに』を参考にして作りました。ほぼモノマネです。


ほしのまどべに

夢はいつもかえって行った 夏の夜空の星ふる丘に
ぽつりと君の言葉が浮かび
草に虫たちのうたいやまない
しずまりかえった銀河の岸辺を

うつくしい天空には星がひかり 大地は眠っていた
ーー私は君と
見て来たものを 屋上を 夕陽を 望遠鏡を 月を火星を
だれかきいているように思いながら 語らっては沈黙をした……

夢は そのさきには もうとどかない
なにもかも 忘れ果てようとおもい
忘れつくすことさえ 忘れてしまうときには

夢は 真夏の記憶のうちに流されゆくであろう
そして それはまどをあけて 哀しみのなかに
朝陽にてらされた空を薄れ行くであろう


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