物語 月、満ち欠け 10月22日(第十五話-周りの優しさ)
前回までのあらすじ
王子さまとそうじ屋の娘。湖で出会い恋におちた二人。しかし、お互いの身分はあかせぬまま。上弦の月の翌日、二人は湖で再会、家出。帰ると娘は捕らえられ、満月の夜に来る国の守り神「ヨル」に、二人は裁かれました。『愛が濁っている二人は永遠に逢うことはないであろう』と。長老は悲しむ二人に、新月の夜に「コスモ」に願いを叶えてもらえばまた会えるかもしれないと言いました。
10月22日(第十五話-周りの優しさ)
今日は雨でした。
ところで王子リヒトには、姉の王女さまが隣の国にいました。王女さまが隣の国から帰って来ました。
姉の王女さまは王子さまに言いました。
大丈夫ですか? 家出のこと聞きましたよ。それはいやにもなりますよね。けれどもきっと大丈夫ですよ。
また、王子さまの家出を、王さまをはじめとして、皆心配して探していたことを伝えました。
姉の王女さまの優しい言葉に、迷惑をかけたはずなのにどうしてこんなに優しいのだろう、と思いました。王子さまはじいんとしました。
王子さまは王女さまに、ぞうきんも絞れなかった自分が情けなかったことなどを話しました。そして長老のもとで修行したいと相談しました。王女さまは賛成しました。
長老が王子さまに会いにきました。王子さまたちから話を聞いて、王さまのもとへ、長老と王女さまと王子さまは三人で会いにいきました。
王子さまの希望に、王さまは悩みました。長老と王女さまは、言いました。
少し世界をみた方が良いのではないでしょうか。
長老と王女さまの後押しで、王さまを説得できました。明日、王子さまは長老と出発します。
王子さまは長老に言います。
何も知らなかった自分も、世界をよくみて知りたいです。
長老は笑顔で、
大丈夫です。私も安心しました。
と言いました。
こちらは娘のいる屋敷です。
娘はやとい主の奥さまに、そうじの仕事をがんばると言いました。娘はそうじの仕事を再開することになりました。
周りの人が声をかけます。
大丈夫かい? そりゃあいやにもなるわよ。きっとあなたなら大丈夫よ。
また、娘の家出を、やとい主の奥さまをはじめとして、皆心配して探していたことを伝えました。
周りの人の優しい言葉に、迷惑をかけたはずなのにとどうしてこんなに優しいのだろうと思いました。娘は優しくて温かいものを感じました。
娘は、そうじの仕事をがんばります。そこへ長老が娘に会いにきました。娘は言いました。
長老。私、仕事がんばります!
長老は笑顔で、
大丈夫です。私も安心しました。
と言いました。
今日は一日雨でした。月はどこでしょうか。大丈夫。きっと見つかりますよ。
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『物語 月、満ち欠け』
第十六話はこちらです。
第一話はこちらです。
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