物語 月、満ち欠け 10月27日(第二十話-おしゃべり)
修正しました。2021年10月29日。
前回までのあらすじ
王子さまとそうじ屋の娘。湖で出会い恋におちた二人。二人は湖で再会、家出。帰ると娘は捕らえられ、満月の夜に来る国の守り神「ヨル」に、二人は裁かれました。『愛が濁っている二人は永遠に逢うことはないであろう』と。長老は、新月の夜に「コスモ」に願いを叶えてもらえばまた会えるかもしれないと言いました。王子さまは長老のもとで修行、娘はそうじの仕事を再開。隣の国を通って「コスモ」に会えると聞き、王子さまは隣の国へ行きました。オルゴール工場につき、そうじをさせられました。娘は王女さまに招待されてランチをとりました。
第二十話-おしゃべり
曇り時々雨、時々晴れ間。
王子さまは、女主の紹介で、そうじ屋の娘のお母さまに会いにいきました。
病院にはそうじ屋の娘のお母さまがいました。
娘のお母さまは優しくほほえみました。娘ルナのことが心配とのことです。ですが、やとい主の奥さまをはじめとして、周りの人たちは娘ルナを可愛がってくれていると、言いました。
王子さまは、娘が周りの人から愛されていると知りました。
昨日は申し訳なかったですね。と、娘のお母さまは王子さまに言いました。
女主さまから聞きました。昨日と一昨日に、王子さまへ暴言をはいたそうじをしていた男性についてです。私の上司であるのですが。
彼は他の者、特に自分よりも低くみた者の気持ちをないがしろにするところがあります。それはずっとこの仕事でコンプレックスと変なプライドが高いためかもしれません。
と言いました。
王子さまは思います。身分や職業を上下で見てしまい、それを言動にあらわすことは、ひどいものだと。しかし、世の中そういう人もいるのであるし、自分もまた同じく身分のせいにして愛しい人をあきらめたこともある、と。
王女さまはおしのびで、そうじ屋の娘の働く屋敷へきました。
昨日は申し訳なかったですね。と、王女さまは娘に言いました。
昨日と一昨日に、娘に暴言をいった貴族の女性についてです。
彼は他の者、特に自分よりも低くみた者の気持ちをないがしろにするところがあります。それはずっと貴族でコンプレックスと変なプライドが高いためかもしれません。
娘は思います。身分や職業を上下で見てしまい、それを言動にあらわすことは、ひどいものだと。しかし、世の中そういう人もいるのであるし、自分もまた同じく身分のせいにして愛しい人をあきらめたこともある、と。
王女さまとお話しを続けます。
王女さまは、王子リヒトのことが心配とのことです。ですが、王さまをはじめとして、周りの人たちは王子リヒトを可愛がってくれていると、言いました。
娘は、王子さまが周りの人から愛されていると知りました。
王子さまと娘はそれぞれの場所で思い悩みます。
身分、職業について、やはりこえられないものか、と。
女主は資料室を案内し、王子さまに詩集を渡しました。
王女さまは帰り際に長老からと言って、娘に詩集を渡しました。
夜。渡された詩集を読みます。
それは湖の龍の伝説の話でした。
今宵は曇り。月は雲の中で眠っていました。
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『物語 月、満ち欠け』
第二十一話はこちらです。
第一話はこちらです。
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