物語 月、満ち欠け 11月5日(第二十九話-星たちの聞き耳)

前回までのあらすじ

王子さまとそうじ屋の娘。湖で出会い恋におちた二人。二人は湖で再会、家出。帰ると娘は捕らえられ、満月の夜に来る国の守り神「ヨル」に、二人は裁かれました。『愛が濁っている二人は永遠に逢うことはないであろう』と。長老は、新月の夜に「コスモ」に願いを叶えてもらえばまた会えるかもしれないと言いました。王子さまは修行の途中で隣の国へ旅へ行き、娘はそうじの仕事を再開しました。王子さまは宇宙で「コスモ」を見つけました。娘は湖畔で宇宙を見つめました。愛しい人が幸せであるなら、特別な願いごとはないと思いました。そしてそれぞれお城と屋敷へ帰りました。


第二十九話-星たちの聞き耳

夜空をながめ星を数えて

明るい星と暗い星

思い出すのは今日の出来事

透かして見えるあの日は遠く

ほほ笑んでいる微かな光

あなたと見上げた星空を……



王子さまは星をながめながら今日の出来事を振り返っています。

朝にお城へ帰り、王さまへ王子としてがんばることを伝えました。そして長老さまにまた修行を教えて欲しいと頼みました。

王さまは安堵したようすでわかったと言いました。

王子としてまた一人の人間として修行に力を入れて一日を過ごしました。



そうじ屋の娘は星をながめながら今日の出来事を振り返っています。

朝に屋敷へ帰り、やとい主の奥さまへそうじ屋としてがんばることを伝えました。そして長老さまにまた本を貸して欲しいと頼みました。

やとい主の奥さまは安堵したようすでわかったわと言いました。

そうじ屋としてまた一人の人間として学びに力を入れて一日を過ごしました。



あっという間に夜になりました。

星の夜です。

美しい星々が輝いています。


ホッと一息ついたとたんに、なにか切ない気持ちが込み上げたのは何故だったのでしょうか。

会いたいな……。

ふっと口をついて出た本当の気持ちは、お星さまたちが、ちゃんと聴いていらっしゃいましたよ。


おやすみなさい。よい夢を。








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『物語 月、満ち欠け』

第三十話はこちらです。


第一話はこちらです。



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