家の隣に欲しいお店
東京に一泊二日で行ってきた。香川から新幹線で約5時間。夜行バスだと10時間ほどかかると思えば半分だけれど、ふだん東京に行くのにめったに新幹線を利用しないので、なんだかとてつもなく長く感じた。新幹線、快適だけれどやっぱり隣の人との距離が近いので、ちょっとしんどいところがある。それでもふだんはバスで3時間かけて行く関西があまりに近くてびっくりした。
おいしいもの、というより、食べることそのものがすきだ。
旅行に行けば大体隙間なく、ほとんど食べている。お土産も気になったものを片っ端から買ってしまう。思えば旅先で形に残るものを買うことってほとんどない。同居している両親それぞれに、離れて暮らしている妹に、おばあちゃんに。大層なものは買えないのだけれど、旅行に行くときは大体それぞれにお土産を用意する。ふだんたいした親孝行もできていないので、せめてもの、というやつである。
今回の東京行きはずいぶん急だった。出発の数日前に決まったので、ちゃんとした旅程を組む余裕も、行きたい店を考える余裕もなく、当日もずいぶんばたついた。それでも急な上京にもかかわらず、予定を合わせて会ってくれた友だちたちには本当に感謝している。
着いた日の昼は花時計でホットケーキを食べて、夜は仕事終わりの友達と落ち合って、新宿でおいしい飲茶を。その翌日は早起きして浅草のフグレンでワッフルを食べた後、友達としろたえでお茶をした。
東京はあいにくの曇り空で、二日目は雨模様。新型ウイルスの影響もあってか、あれほど人でごった返す浅草も、割合ひっそりとしていた。昨年浅草を歩いた時は人で押しつぶされるかと思ったけれど、朝ということもあってか、雷門前にもほとんどカメラを構える人がおらず、おかげでゆっくり浅草寺でお参りをしておみくじを引いて、開店準備をする街道のお店をチラ見しながら、スイスイと浅草の街を歩くことができた。
フグレンのワッフルはいろんな味があるけれど、どうしてもプレーンがいい。ワッフルに限らず、ホットケーキもクレープも、あまりごちゃごちゃしたものがすきじゃない。何にもかけないか、かけてもはちみつやバターや粉砂糖のみで、シンプルなバターの味を味わいたいからだ。巷で話題の某ディズニーランドのミッキーのワッフルも、たぶんプレーンを選んでしまうと思う。
端っこがカリカリでバターの風味がしっかり感じられるワッフルは、昨年はじめて食べた時からずっとまた食べたいと思っていたので、今回願いが叶ってとても幸せだった。もちもちせず、ナイフでザクザクと切り進める感じの食感で、厚みもないので秒で消えてしまう。フグレンでコーヒー飲まないの!?と言われて仕方ないなとは思いつつ、前回も今回も紅茶を頼んだ。ヴィンテージの家具に囲まれて静かな時間を過ごせるのが、最高に贅沢である。二階席は外が見えるようになっていて、行き交う車や人が見える。8時過ぎに訪れたので観光客が動くには少々早く、学校に向かう小学生や幼稚園に行く幼い子供と親子がたくさん通っていた。
そしてそのあとは、友達と合流ししろたえへ。
家の隣にほしいお店である。
落ち着いた色合いのアンティークの家具も、BGMがない店内も、ケーキのラインナップも、どれをとっても最高すぎる。定番人気のチーズケーキが300円せず食べられちゃうところも最高。
基本的に程よい静かさがすきで、ガヤガヤしたテレビだったり外出先でBGMがうるさかったり、騒いでいるひとがいたり、逆に静かな場所でひそひそ話をされたりするとちょっとしんどくなってしまったりするのだけど、BGMなし、人の話し声のみ、って空間が最高に居心地が良すぎて、それも隣にほしいな〜〜と思ってしまうポイント。
ケーキを毎日ぱくぱく食べていた十余年前から比べるとだいぶ量が入らなくなってきたけれど、やっぱり甘いものは別腹なのである。サンマルクとチーズケーキ、ぺろりでした。
いろいろ行きたい場所はあったのだけれど、気圧にやられてしまい、その後は日本橋で誠品生活をぶらりして、東京駅に戻ってからはどうしても体が怠く、東京駅でお土産を買ったり牛タンを食べたりして、少し早めに新幹線へ。
家に戻ってから、やっぱりヘッケルン行っとけばよかったな……とか、stockに雑貨見に行けばよかった……とか、ぼんごのおにぎり這ってでも食べに行くんだった……ととても後悔しているので、少々不完全燃焼な部分はあるものの、なかなか会えない友人に会え、なかなかできない経験もでき、充実した二日間でした。
おみやげにチーズケーキを包んでもらったのだけれど、箱すらいちいちかわいすぎて困る。家の隣にあったらつらいときも悲しいときも嬉しいことがあった日もがんばった日も、いつだって行けちゃうのにな。なんて思いながら、また東京に行けるように頑張ろう、と思うのでした。
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