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池袋にこの店が生き残ってくれている事がとても嬉しい(生粋/池袋/ラーメン)

まだ私が20代の頃、今からかれこれ十数年前の話になるが、池袋に 「目をつぶって食べるとサンマの塩焼きの味がする」という驚異的なラーメンを出す店が誕生した。

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池袋西口のマルイからほど近い場所にある生粋さん。地元民にしか分からない名称かもしれないが、要町通りとトキワ通りに挟まれた飲食店街の中にある。

この辺りは池袋にしては入れ替わりの頻度が低い地域で、昔から生き残っている店も何軒かあるのだが、それでも地上げ屋にヤラれたり、原因不明の閉店があったりと、私が若い頃と比べるとだいぶ様変わりしている。

そんな中で、この生粋とその向いにあるウナギ屋だけは今も頑張り続けている(ついでに言えばサイゼリアも頑張っている)。

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この生粋には、昔から色々とオリジナリティあふれる味のラーメンがあるのだが、私が好きなのはいわゆる「醤油ラーメン」一択。何やらややこしいメニューが多いが、上のメニュー表にある750円の「醤油」というヤツだ。

つけ麺や塩も美味しいのだが、この店では最もオーソドックスな醤油ラーメンの存在がとにかく突き抜けている。

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こちらが醤油ラーメン様。この店のラーメンは、上でも少し書いたが「目をつぶって食べるとサンマの塩焼きの味がする」という他に2つとない味。中でも醤油ラーメンが最も ”サンマ感” を味わう事ができる。

この店に来るのは10年ぶりくらいだったので、昔食べた通りの味かどうか記憶があいまいなのだが、サンマの塩焼き感は相変わらず。腹ペコの時に来て永遠に替え玉をし続けたい。むしろ白い米で受けたい。

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麺は角ばった細麺で、これが実にちょうどいい具合にサンマスープをすくい上げてくれる。強烈なサンマのスープに、少し甘みのある醤油が合わさって、食べるほどにお腹が減って行く悪魔のラーメン。うまい、やっぱこのラーメンは今食べても明らかにうまい。

ただ、メニューには ”端麗系” と書いてあったけど、かなりサンマの香りが強く、味のパンチの強さという意味では、どちらかと言うと濃厚系なんじゃないかなあ。

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ちなみにこちらは大昔にガラケーで撮影した生粋の醤油ラーメン。こう見てみると、やはりちょっとずつ改良が加えられている事がわかる。
グルメブログを何年も続けていると、こうやって大昔の写真が発掘できる楽しみがあるよね。

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お魚大好きな息子に「目をつぶって食べると焼いたサンマの味がする魔法のラーメンだよ」と吹き込んだところ、本当に目を閉じて慎重に味わい出した。「すごいね!ほんとにお魚のラーメンだよ!」と大喜び。楽しそうで何よりである。

せっかく息子が気に入ってくれたので、生粋さんには末永く営業を続けて欲しいなと願う。

[店名] 生粋 池袋本店
[住所] 東京都豊島区池袋2-12-1
[TEL] 03-5950-2088
[営業時間] 11:30~22:30(15:00~17:30中休み)
[定休日] 不定休


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