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お店の味と遜色ないアラビアータ(トマトソース)の作り方を教えたる

アラフォーになってから子宝に恵まれた筆者。自分にいつ何が起きてもいいように、「最低限の収入でも豊かな食生活が送れるように」と、愛する我が子へ苦楽を共にしたレシピを書き残そうと考えました。

なるべくお安く、簡単に、間違いなく美味しい物が食べられるレシピを中心に、食事・料理に関する「こんなんでいいんだよ」という情報を書いていきます(本式・本物といった概念からはかけ離れるであろう事を予めお断りしておきます)。

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前回のオイルパスタの基本の応用編だよ

息子よ、お前がこれを読んでいるという事は、私はもうこの世にはないのだろう(挨拶)。

なに?「前回でオイルパスタの基本は覚えたけど、味がシンプル過ぎて飽きてきた」ですって?

何をぬかすかバッカモン!

前回のこのガーリックオイルとパスタの組み合わせは、色々なパスタソースのベースになるものなのね。
だから、この作り方から発展させて行けば、料理スキルがそこまで高くない人間でも、お店で食べるのと遜色のない味が作れるの。

絶対に。

という訳で、今回はまず考え方からテキストでレクチャーする。後にスパイスからカレーを作る方法も教えるけれど、その時にも役に立つから、よりシンプルで覚えやすいこっちから頭に入れておくように。

基本のオイルソースの発展のさせかた

まず、基本のオイルソースを作る工程を、簡単に文章でまとめてみよう。

(1)にんにくなどの香りを油に抽出する
オリーブオイルをたっぷりめに敷いて、刻んだにんにくや鷹の爪などを入れ、弱火でじっくりと煮る。
(2)香りを移した油で具材に火を通す
香りの抽出が終わったら、そこにベーコンやタマネギなどを入れて、必要なだけ加熱する。
(3)パスタの茹で汁で伸ばす
パスタをフライパン内で茹でられるくらいの水分量に調節する。
(4)ソースの中でパスタを茹でると同時にソースを煮詰める
伸ばしたソースの中に、2~3分早くあげたパスタを入れて、ソースを吸わせるように茹でる。この時にトングや菜箸でかき混ぜるようにして、乳化も進めていく。
(5)パスタの固さとソースの水分量がちょうど良くなったら完成
パスタの固さ、ソースの絡み具合、ソースの味などを確認し、ほどよきところで火を止めて完成。

このように、前回紹介したレシピは、まず香りの付いた油を作り、それを水で伸ばし、パスタの茹で上げとソースの乳化と煮詰めを同時進行している。この工程の途中にお好みの具材やハーブ類を混ぜ込めば、様々な味の "香りオイルがベースになったパスタソース" が作れるのだ。

言葉で言っても難しいと思うので、次に実際に作ってみよう。今回はアーリオ・オリオ・ペペロンチーノ(にんにくと唐辛子のオイル)をベースとして、そこに缶詰のトマトを混ぜ込んだソース、いわゆるアラビアータソースを作る。

実際に作ってみよう

<材料>
ホールトマト 2~3人前で1缶
タマネギ 2人前で1/4個くらい
ベーコン お好み
にんにく 2人前で2かけ程度
鷹の爪 お好み
塩・胡椒 適当
オリーブオイル 2人前で大さじ3杯ほど

<茹で湯>
水 たくさん
オリーブオイル 小さじ1~2杯くらい
塩 小さじ3杯程度

オレガノ、ローレル、パセリ、バジルなど、お好みのハーブを足すとより美味。その辺のスーパーで売ってる小瓶で大丈夫。
使う材料はとてもシンプル。こんなちょっとの材料でこんなにうめえ物が食えるのかと感動すること請け合い。

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まずは具材を適度なサイズに刻んでいく。タマネギはみじん切り(適当でOK)、ベーコンは食べやすいサイズに。

にんにくはお好みで、細かくみじん切りにしてもいいし、面倒ならばスライスするだけでもいい。
ただし、鷹の爪と同様に細かくすればするほど香りや刺激が強まるという点は頭に入れておくこと。

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今日の主役はこいつ。たまたま立ち寄ったOKストアで58円という幸せ価格だったので大人買いしたホールトマト。

いいか息子よ、トマト缶だけは安い時に大量に買って備蓄しておけ。こいつはマジで便利だから。
何故かという理由も教えておくと、トマトってのは旨味オバケなのね。だからこいつと塩だけで、旨味にうるさい日本人でも納得できるような味の層が作れるの。パスタの時もカレーの時も、トマトをたっぷり使っておけば「旨味が足りなくて味が薄っぺらい」なんて事には絶対にならない。

で、缶詰のトマトってのは常に味が安定しているというのが一番の利点。そして安い。生のトマトは美味しいけれど、高いし味が安定しないし、煮詰める作業などで手間もかかる。
よって、58円なんて叩き売りのトマト缶を見付けたら、家が傾くくらい買い込んでおくのが賢いと思うの。

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ホールトマトを使う場合、このようにキッチン用のハサミを突っ込んで、缶の中で細かくするという荒業をオススメしたい。これは料理研究家のケンタロウ氏がTV番組でやっていた方法で、初めて見た時に「それでいいのか!」と感動した記憶がある。

トマト缶にはカットトマトとホールトマトとあって、予め細かくしてあるカットトマトの方が便利な場合も多いんだけど、ホールトマトを好みのサイズに切るなり潰すなりして使う方が、「仕上がり具合」「口あたり」をコントロール出来るのでいいと思う。

それに、何故かホールトマトの缶詰の方が叩き売りされる確率が高いと思うの。トマト缶なんて味にはそこまで差はないから、最終的には「より安いヤツを買えばいいよ」という事で落ち着くのよね。

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材料を刻み、ホールトマトをカットし終えたら次の工程へ。もしもホールトマトを使い切れず余らせてしまうという場合は、写真のようにカップにあけて、ラップをして、冷蔵庫で保存すべし。

今はもう殆どないとは思うけれども、缶のタイプによっては錆びる可能性もあるので、缶詰は開けたらすぐ使う、すぐ容器を入れ替える、というクセを付けておこう。

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もし可能ならば、こういうハーブの類をちょっと用意しておきたい。昔と違って今はとても安く、少量ずつ売っているので、簡単に手に入るはず。

ただ注意点もあって、あまり色々な種類を使いまくると、香りのバランスが悪くなり、単に食べ難いだけになる事もある。したがって、まずは「これ」というお気に入りの香りを1~2つ重ねる程度に考えた方がいいだろう。

カレーを作る時もそうで、色々とスパイスやハーブが揃ってくると、あれこれ一度に使いたくなるんだけれども、それは失敗を引き起こす要因になる。
最初はごく少数の香りの組み合わせ方を勉強し、思ったような香りが作れるようになったら、次の段階として調合だのブレンドだのを考えよう。

つまらないミスで食材を台無しにすると、メンタルに来てお料理嫌いになる可能性もあるので、じっくり牛歩で学んで行くってのが大事だと思うよ。

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まずはペペロンチーノの時と同じように、少し多めのオリーブオイルをフライパンに敷き、刻んだにんにくを入れ、その後で弱火にかけてじっくりと香りを抽出する。

もしも鷹の爪を入れる場合は、にんにくにうっすら色が付いた辺りで入れると丁度いい。面倒ならにんにくと同タイミングで入れてもいいんだけれど、そうすると鷹の爪のサイズや切り方によっては焦げる場合がある。

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今回はトマト味なので、みじん切りのタマネギを加えて、味と食感にグラデーションを作るよ。

にんにくがハッキリと茶色くなって、香りがビンビン立って来たら、タマネギを入れる。もしローレルを入れるなら、このタイミングで投入する。

ハーブにもスパイスにも「水溶性と油溶性」とがあって、水に風味が溶け出してくれるものと、油で煮出すようにして香りを抽出すべきものとがある。
ローレルの場合はどちらでも大差はないんだけれども、ホール状のスパイスやハーブは、油で煮出す方が香りが出るものが多い。

この辺りは実際にやって覚えるしかないので、自分で色々と試してみれ。

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んで、ここでSITである。

SITとは
S(スーパー)
I(イケメン)
T(タイム)
の略である。

何がイケメンなのかというと、油にみじん切りのタマネギを入れた段階で、タマネギの水分によってしばらくの間焦げ付く心配がなくなる。
よって、フライパンの様子を気にせず、他の作業が出来るようになるのだ。

ならばここでもう使わない調理器具などを片っ端から洗ってしまうべき。こうするとお料理が終わった時点で、流しもキレイになっていて気分がいい。これぞ料理イケメンである。

お父ちゃんは「料理を作るのは好きだけど洗い物は嫌い」という人間が大嫌いでな。映像制作の現場でも「撮影のはじまりは撤収のはじまり」なんて教えがあるのだが、料理もそれと全く同じ。洗い物まで含めてお料理である。

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タマネギの水分が飛んでうっすら色が付いたらホールトマト投入。缶詰の中に残ったトマトが勿体ないので、中に少量の水を入れて、すすぐように最後まで使い切ること。

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トマト缶を1缶分入れると、上の写真のように水分量が増えてスープっぽくなると思うが、これを弱~中火で煮詰めて煮詰めて、下の写真のようなペースト状になるまでじっくり加熱する。

なんだったらこの段階で少し塩を振って舐めてみ。
すでに超絶旨いから。

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で、こういうソースは一度しっかり火を入れてしまえば2~3日は劣化せず食べ続けられるので、もし余るようならこんな感じで器に取ってラップをして冷蔵庫に放り込んでおこう。

もっと大量に作って長く保存したい場合は、ジップロックなどを駆使して冷凍保存しても大丈夫。

また、このソースはカレーと同様に一晩寝かせても美味しくなるので、寝る前に仕込んで、冷蔵庫に入れるなりして仕事に行き、帰って来てから晩御飯で食べるなんてやり方も可能。

作りたてはトマトのフレッシュさが活きていて、一晩寝かせると味がまとまってギュっと濃縮される感じ。どちらもタイプが違う美味しさなので、色々と好みの食べ方を探してみるといいよ。

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