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“お勉強”はいい加減にしなさい!~学び続けるより動き出せ!~

序章:なぜ「お勉強」だけではダメなのか

いつになっても何歳になっても学び続けることは素晴らしいことです。知識を深め、新たなスキルを習得し、自己成長を遂げる―これらはすべて、個人の能力を高め、より豊かな人生を送るために不可欠なことでしょう。しかし、学びのプロセスにおいて、「お勉強」だけに依存していると、重要な機会を逃すことになります。特に、日本人の英会話学習や資格取得後の勉強習慣に見られるような、実践への移行が遅いことは大きな問題だと思っています。

日本人の英会話学習の課題

日本人が英会話を学ぶ際、多くの場合、文法や語彙などの「勉強」に重きを置いています。もちろん、TOEICなどの点数を目標とすることはモチベーションにもなりますし一定の効果はあると思います。しかし、実際に会話をする機会は驚くほど少ないのが現実です。これは、中学校や高校での英語の授業がそうだったことをイメージすると良く分かると思いますが、外国人とのコミュニケーションを想定したロールプレイや、英語でのディスカッションなど、実践的な学習が圧倒的に不足しています。英語を「学問」として捉えているため、実際の「使える英語」へと繋がりにくいという大きな課題を生んできました。

資格取得後の勉強習慣の落とし穴

昨今のリスキリングブームでも、資格取得は多くの分野でキャリアアップや専門知識の証明として重要視されています。たとえば、中小企業診断士や社会保険労務士などの資格を取得した後も、その勉強の習慣を活かして勉強を続けることは価値があります。しかし、資格を取得した後にも、ただ漠然と勉強を続けるだけでは、その知識を如何に実務に活かすかという視点が欠けがちです。実際には、資格取得後にその知識を実践の場でどう活かすかを考え、訓練し、経験を積むべきです。勉強習慣を続けることは素晴らしいですが、それだけでは実務能力の向上には繋がりません。

実際に英語を話すこと、実務で専門知識を活かすこと。これらは「お勉強」では得られない、実践からしか学べない貴重な経験です。学びとは、知識の習得だけでなく、その知識をどう活かすかという実践のプロセスも含まれるべきだと考えます。この実践的なプロセスを通じて初めて、真の学びが実現されると考えているからです。

「実践力が全てだ!」とまで極端なことは言いません。むしろ、実践とお勉強は両輪であることが望ましいと考えています。しかしながら、私たちが学びのプロセスを再考し、実践に重きを置くことの重要性をここではあえて強調したいと思います。この記事を通じて、読者の皆さんが「お勉強」だけでなく、実践の場にも積極的に飛び込む勇気を持てるようになることを願っています。


第1章:実践の力を信じろ

私たちが知識を学ぶ方法はさまざまですが、その中でも「実践」は特別な位置を占めていると思います。なぜなら、実践はアウトプットをきっかけとして単に情報を記憶する以上のインプットを私たちに提供すると思えるからです。実践がもたらす学びの質の違いと、実践経験から得られる「生の知見」について、一緒に深掘りしていきましょう。

実践がもたらす学びの質の違い

実践を通じて得られる学びは、教室や教科書から得られる知識とは一線を画します。「勉強をしているだけじゃなくて人に教えたらもっと分かるようになった」という体験は多くの方がしたことがあると思います。教科書では、知識は整理され、分類され、理想化された形で提供されますが、現実の世界はもっと複雑で、予期せぬ問題や状況が常に待ち構えています。実践の場では、このような現実の複雑さに直面し、それに対処するためのスキルを身につけることができます。言い換えれば、そのような現実の複雑さの中で何とかする経験は実践でしか得られません。たとえば、実際に英語を話すことで初めて、学んだ文法や語彙が実際のコミュニケーションにどのように役立つのかを理解できるものです。また、実際のビジネスシーンでプロジェクトを遂行することで、チームワークやプロジェクト管理のスキルが鍛えられます。これも理論ばかりを勉強していたのでは得られないインプットです。このように、実践を通じて学ぶことで、知識をより深く、実用的に理解することができるのです。

実践経験から得られる「生の知見」

実践経験は、単にスキルを向上させるだけではなく、「生(なま)の知見」を提供するとも考えています。これは、教科書には載っていない、実際に経験を通じてしか得られない洞察や知識であるとも思っています。たとえば、顧客との交渉を通じて得られる、人の仕草や声のトーンから心理を読む能力や、チームでの作業を通じて学ぶ、効果的なコミュニケーションのテクニックなどがあります。これらの知見は、実際の状況に直面したときに、私たちがより良い判断を下し、効果的に行動するのを助けてくれます。また、「生の知見」は、個人の経験から生まれるため、それぞれの知見がユニークで、他の誰もが提供できない価値を持っています。それが自身の特徴や強みにそのまま変換されるのです。
実践の力を信じることは、自分自身の能力を信じることにも繋がります。実践を通じて得られる学びの質の違いと「生の知見」は、私たちが直面するあらゆる課題に対処するための強力なツールとなります。実践の重要性を再認識し、積極的に実践の機会を求める勇気を持っていただければと思います。

第2章:「お勉強」の罠から抜け出す

知識を深めることは自己成長の基礎ですが、その学び方には落とし穴があります。それは、実践に移すことなく終わりなき「お勉強」に囚われることです。ここでは、資格取得後の勉強習慣の見直しと、実践への移行を妨げる心理的バリアについて考えてみたいと思います。

勉強習慣の見直し:資格取得後に何をすべきか

資格取得は多くの人にとって大きな成果ですが、その後が重要であることはご理解いただけていると思いますし、先述した通りです。たとえば、中小企業診断士の資格を取得した田中さん(仮)のケースを見てみましょう。
田中さんは中小企業診断士の資格取得後、すぐに社会保険労務士の資格取得を目指す勉強を始めました。そして、努力の甲斐あって社会保険労務士の資格も取得しました。その後さらに、行政書士の資格取得を目指してまたまた勉強を始めました。しかし、彼はある日、自問自答することになります。
「本当に次の資格が自分の目標達成に必要なのか?」
この問いかけが、田中さんに実践の場へと足を踏み出させるきっかけとなりました。資格取得後に大切なのは、その知識をどう生かすかを考え、実際のビジネスシーンやプロジェクトで活用することです。田中さんは、資格を活かしたコンサルティングサービスを開始することを決断し、実務経験を積む場を求めての行動に移りました。
田中さんの場合、中小企業診断士の資格を取得した後のイメージができていなかったこともあり、コンサルティングサービスの仕事を獲得できなかったことも次の資格のお勉強へと進ませた理由でもありました。そして、社会保険労務士の資格を取得した結果、何かしらの仕事が受注できるようになったかと言えばそうではなく、結果的に行政が公募する事務局業務しかすることができなかったのです。そしてようやく気が付きます。
「仕事がもらえるかどうかは資格の有無だけではないんだな」
と。

実践への移行を妨げる心理的バリア

田中さんの例も踏まえながら、実践への移行を妨げる心理的バリアについて考えてみましょう。多くの人が実践への移行をためらう大きな理由は、失敗への恐れ、自信の欠如、過去の成功体験への固執などがあります。田中さんの場合は自信の欠如が顕著でしたが、これらが新たなチャレンジを躊躇させる原因となります。
英会話が苦手な佐藤さん(仮)の例を見てみます。佐藤さんは、英語で会話する実践の場に飛び込むことを恐れていました。ちゃんと聞き取れるのか、ちゃんと英語で話すことができるのか、など、不安でいっぱいだったのです。しかし、友人の勧めで渋々参加した英会話カフェでのポジティブな経験が、彼の考えを変えました。最初は多くの間違いをしましたが、実際に話すことで自信をつけ、そもそも間違えても訂正すれば全く問題ないことにも気が付き、実践を繰り返して徐々に会話能力が向上しました。佐藤さんもそうでしたが、心理的バリアを乗り越えるためには、まず一歩を踏み出す勇気が必要です。失敗を恐れずにチャレンジすることで、新たな学びと成長の機会が開かれます。

「お勉強」の罠から抜け出すためには、自らの学びとキャリアに対する意識を変える必要があります。資格取得後にどうするのかそれまで勉強に費やしていた時間をどう使うのか習慣を見直し、心理的バリアを乗り越えることで、実践へと移行する道が拓けてきます。実践は学びを深め、真のスキルアップをもたらします。この記事をお読みの皆さんが自分自身の「お勉強」の罠から抜け出し、実践への一歩を踏み出す勇気を持てるようになればうれしいです。

第3章:実践に移るためのステップ

知識を得た後の次のステップは、それを実践に活かすことであることやその重要性について述べてきましたが、多くの人がこのステップでつまずきます。なぜなら、実践の場をどのように見つけ、どのようにして学習を進めれば良いのかがわからないからです。ここでは、実践の場を見つける方法と、小さな成功体験から実践学習を始める方法について探てみたいと思います。

実践の場を見つける方法

実践の場を見つける最初のステップは、自分の興味や専門分野に関連するコミュニティに参加することです。たとえば、プログラミングスキルを実践で活かしたい山田さん(仮)は、地元のテクノロジーコミュニティに参加しました。このコミュニティでは、定期的にワークショップが開催されており、実際のプロジェクトに取り組む機会が豊富にあります。山田さんは、これらのイベントに積極的に参加することで、実際の問題を解決する経験を積み、同時にプロフェッショナルなネットワークを構築していきました。
実践的なコミュニティに参加するのは良い方法の一つだと思いますが、「〇〇勉強会」などのお勉強的なコミュニティは避けたほうが良いのではないかと思います。「〇〇研究会」も同様で、実践経験を研究題材として挙げるのであれば良いのですが、他人の話を聞いて研究に参加するだけでは意味がありません。場選びは慎重に行いましょう。
また、コミュニティ以外では、知り合いの方の実践に参加させてもらうのも良いと思います。中小企業診断士では馴染みがある補助金などがそうです。多少報酬としては安かったとしても、逆に利用するつもりで経験を積む機会をいただくのは、実践経験を積む上で良い方法だと思います。

小さな成功体験から始める実践学習

実践学習を始めるにあたり、大きなプロジェクトに取り組む前に、小さな成功体験から始めることも重要です。これにより、自信をつけるとともに、学習のモチベーションを維持することができます。大きなプロジェクトに参画して頓挫した経験が先行してしまうと、それこそまたお勉強の悪循環に戻ってしまいますので注意が必要です。
英会話が苦手だった鈴木さん(仮)の例です。まずは短くとも毎日の英語の日記を書くことから始めました。初めはごくシンプルな文章でしたが、徐々に複雑な表現に挑戦し、毎週の英会話クラブでの発表を目標にしました。この小さな成功体験が鈴木さんに自信を与え、最終的には英語でのプレゼンテーションにも挑戦するまでになりました。付け加えると、日記を書くうちに英会話クラブでの発表のイメージをはじめ、英語のプレゼンテーションのイメージも具体的に想像するようになりました。ゴールイメージの想像力はその実現の確率を高めることも押さえておくと良いでしょう。

実践の場を見つけ、小さな成功体験から学習を積み重ねることで、実践的なスキルと自信が身につきます。この過程では、失敗を恐れずに挑戦し続けることが大切です。失敗は学びの一部であり、それを乗り越えることで、さらに大きな成長を遂げることができるはずです。

第4章:資格と実践のバランス

ここでは、資格取得が個人のキャリアに与える価値とその限界、そして実践での学びが資格を超える瞬間に焦点を当てます。このバランスを理解することは、自身のスキルセットを効果的に拡張し、キャリアを豊かにするために重要なポイントとなります。

資格取得が与える価値とその限界

資格取得は、特定の知識や技術を持っていることの証明として大きな価値があります。たとえば、公認会計士や弁護士などの資格は、その分野での専門性と信頼性を示す重要な指標です。しかし、資格があるからといって、実際の業務で高いパフォーマンスが発揮できるとは限りません。(※各士業などの専門家を否定しているわけではないので、その点だけご理解ください。)たとえば、中小企業診断士の資格を持つ佐々木さん(仮)は、資格取得およびその過程の勉強により多くの知識を身につけましたが、実際に企業の経営相談に乗る際には、理論だけでは解決できない複雑な問題に直面しました。そして、結局その問題の解決策を提示できなかったのです。これは佐々木さんの能力が足りていないということではなく、現実としてはよくあることなのです。資格取得はあくまでスタートラインに過ぎず、実際の経験を通じて得られる知識や洞察が不可欠であることを佐々木さんは実感しました。教科書的な知識だけで対応できることであれば、相談者も既に対応しているケースも多いし、むしろ体系的な知識だけで問題が解決するケースの方が圧倒的に少ないのです。

実践での学びが資格を超えるとき

実践での学びは、資格を超える価値を提供すると考えています。現実のビジネスシーンでは、理論だけでは解決できない状況が頻繁に発生しますが、実践を通じて得られる柔軟な思考や問題解決スキルは、どの資格からも学ぶことのできない貴重な資産となります。たとえば、海外でのマーケティングプロジェクトに挑戦した鈴木さん(仮)は、文化の違いや市場の特性を理解することの重要性を実感しました。あの国の人たちは時間にルーズだ、基本的には国民みんながイスラム教だから食事にも気を付けないといけない、などなど、もちろん事前に調査はしましたし、話に聞く限りでのイメージも膨らませていましたが、それだけでは全くもって不十分だったのです。この経験は、彼女のマーケティングスキルを大きく向上させ、資格だけでは得られない深い洞察を与えました。

資格と実践の学びは相互補完的な関係にあります。資格は基礎知識と専門性を確立するための出発点であり、実践はその知識を活かし、さらに深めるためのプロセスです。その逆もあります。実践で得た知見を資格や研修などの勉強を通じて体系的に整理し補うプロセスです。最も効果的な学びは、この二つをバランスよく組み合わせることから生まれます。この記事をお読みの皆さんが資格などのお勉強と実践のバランスを見つけ、自身の成長とキャリアの発展につなげるためのヒントにしてもらえればと思います。

第5章:実践から学ぶ、失敗から学ぶ

それでは、実践の中で起こり得る失敗が、実は学びと成長の大きなチャンスであることをもう少し考えてみます。失敗を恐れずに挑戦する心構えと、失敗から最大限に学ぶ方法について、具体的な事例を交えて解説していきます。

実践での失敗は学びの宝庫

失敗は、新しいことに挑戦した証拠です。実際に手を動かし、試してみることで初めて見えてくる問題や課題があります。たとえば、新規事業の立ち上げに挑戦した田中さん(仮)のケースを見てみましょう。彼は市場調査を十分に行い、事業計画を練ったにも関わらず、予想外の競合との激しい競争に直面しました。最初の事業計画は失敗に終わりましたが、この経験から田中さんは競合分析の重要性やその切り口と、柔軟に計画を見直すレビューの重要性やあり方を学びました。この「失敗」が次の成功へのステップとなったのです。

失敗体験を活かすための心構え

「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」

by トーマス・アルバ・エジソン

「バッティングというものは失敗することが前提なので、決してモチベーションを失うことはありません」

by ICHIRO

失敗から学ぶためには、正しい心構えが必要です。失敗を個人的な欠点と捉えるのではなく、成長の機会として受け止めることが重要です。自己反省を行い、何がうまくいかなかったのか、次にどう改善できるのかを考えることが、失敗を価値あるものに変えるカギとなります。たとえば、英語のプレゼンテーションで失敗した鈴木さん(仮)は、最初は自信を失いかけました。しかし、フィードバックを受け入れ、プレゼンテーションスキルを向上させるために練習を重ねた結果、次第に自信を取り戻し、その後のプレゼンテーションで好評を得ることができました。そのプロセスで、それまでにずっとやってきた英語の勉強が役に立っていることは言うまでもありません。鈴木さんにとって、この失敗は貴重な学びの機会となり、それまでに勉強してきたことも活かすことができました。

失敗から学ぶ過程は、自己成長において欠かせない部分です。実践の中で避けられない失敗を恐れず、それを乗り越えることで得られる学びは計り知れません。読者の皆さんが失敗をポジティブに捉え、それを自身の成長へと繋げる力を持てるようになることを願っています。

この章では、実践と失敗を通じた学びの重要性に焦点を当て、失敗から最大限に学ぶための心構えを具体的な事例を交えて詳しく解説しました。次章では、実践を生きがいに変える方法について、さらに掘り下げていきます。

第6章:実践を生きがいに変える

ここでは、実践を通じて自分自身の強みを見つけ、それがどのように人生に深い影響を与えるかを探っていきます。実践的な学びは、単にスキルや知識を向上させるだけでなく、自己理解を深め、人生における目的や情熱を明確にする力があるのです。

実践を通じて見つける自分の強み

実践は、自分自身の隠れた強みや情熱を発見する最良の方法の一つです。たとえば、エンジニアである佐藤さん(仮)は、趣味として始めたプログラミングプロジェクトを通じて、自分がチームを率いるリーダーシップの才能を持っていることを発見しました。当初はコードを書く技術的なスキルに焦点を当ててキャリアパスを考えていましたが、プロジェクトが進むにつれて、チームメンバーのモチベーションを高め、共通の目標に向かって彼らを導く能力が自然と発揮されました。この経験から、佐藤さんはプロジェクトマネージメントにおける自分の強みと情熱を見つけることができたのです。

筆者自身の経験も手前味噌ながら。人見知りで人と接することが好きではなかったために、雇ってもらっていた飲食店でもキッチンとホールとのつなぎ役である“デシャップ”(Dish upがこう呼ばれるようになった)のポジションにいましたが、人手不足でホールに出ることになりました。最初は緊張するし嫌で仕方なかったのですが、やっていくうちに人と人とのコミュニケーションの楽しみに気づき、ホール全体を効率よく運営するスタッフの配置が気になるようになりました。これが、自分がマネジメントやプロデュースに向いているかもしれないと気が付いたきっかけでもあります。

反対に、先述した中小企業診断士の田中さんは、資格取得後に実践をする場がなく自分の強みを見つけられずにいた結果、お勉強を繰り返す悪循環へと入ってしまったのだと思います。

実践的な学びがもたらす人生への影響

上述の強みの発見でもお察しいただけるかもしれませんが、実践的な学びは、個人の人生に深い影響を及ぼします。それは、新しいキャリアの道を拓くだけでなく、自己の価値観や人生の目的を再考させるきっかけとなることもあります。先ほども登場したマーケティングの仕事に就いていた鈴木さんですが、海外のボランティア活動を通じてコミュニティのために働くことの充実感を知りました。この経験は彼女に大きな影響を与え、キャリアを社会貢献に関連する分野にシフトする決断をさせたのです。実践的な活動によって得られた洞察と経験は、彼女の人生の方向性を変え、より意義深い仕事に就くことを可能にしました。なにより、そうしたプロセスを通じて彼女自身がとても幸せそうに生きていることが素晴らしいことです。

実践を生きがいに変えるプロセスは、自己発見の旅でもあります。この旅を通じて、私たちは自分の強み、情熱、そして人生における真の目的を見つけ出すことができます。お勉強を繰り返しているのはもったいない。資格など知識に関する分かりやすいラインを超えたら早く実践に移り、自己発見をして幸せな人生を歩むべきです。

終章:実践こそが最高の学び

さいごに、この記事を通じて探求してきた実践の重要性を再確認し、学びのプロセスを「お勉強」から実践へと移行させるための心構えについて振り返ります。

実践を積むことで拓ける新たな可能性

改めて断言しますが、実践を積むことは新たな可能性を拓くカギです。知識やスキルを実際の状況に適用することで、理論だけでは見えてこない新しいアイデアや解決策が浮かび上がります。たとえば、教室で学んだプログラミング技術を実際の開発プロジェクトに適用することで、理論の背後にある深い理解とともに、実際の問題解決能力が身につきます。そこには、教室で学んだ知識を複数組み合わせて対応することもあるでしょう。また、異文化間コミュニケーションのスキルは、海外でのボランティア活動やインターンシップを通じて、実際に異なる文化背景を持つ人々と交流する中で、本当の意味で磨かれます。これらの経験は、新しいキャリアの道を拓くだけでなく、自分自身の限界を超えて成長するための動機付けとなります。

逆に、実践を積むことがなければその可能性が拓かれることはないでしょう。資格取得のプロセスを通じて学んだ知識があっても、たとえば仕事を得ることができないなどの問題があるとすれば、それは知識が足りないのではなく全く別のところに問題があると考えるべきで、更なる知識を追い求めるのは正しい努力とは言えません。
繰り返しますが、この考え方はダブルライセンスやトリプルライセンスなどの複数資格保有者を批判するものではなく、必要に応じて資格を取得するのではなく、仕事の受注が安定しないなどの理由で知識を追い求めるのは問題の解決になっていないということです。
実践を繰り返しながら、正しく自己反省をすることが本質的であり王道であって、それ以外に道はないのではないでしょうか。

お勉強から実践への心の移行

お勉強から実践への移行は、単に行動の変化以上のものを意味するとも思います。それは、学びに対する根本的な姿勢と心の移行です。これを達成するためには、まず自分自身に対して正直であることが重要であると考えています。いわゆる“素直さ”ですね。なぜ学ぶのか、どのようにしてその学びを実生活やキャリアに活かすのかという問いに対して、自分自身と正しく向き合い、自分なりの答えを見つけることです。さらに、失敗を恐れずに新しい挑戦を受け入れる勇気を持つことが、この移行を成功させるカギとなります。失敗は学びの一部であり、成功への道のりにおいて避けて通れないステップです。学びを活かすことができればそれは失敗とは呼ばないでしょう。実践のプロセスを通じて、私たちは自分自身の真の能力を発見し、それを世界に向けて発揮する方法を学んでいきます。

さて、実践がいかにして最高の学びであるか、そしてその学びを通じてどのように人生において新たな可能性を切り拓くかについて、「お勉強」との対比をしながら考察してきました。
この記事をお読みの皆さんがこのメッセージを受け取り、自らの学びと成長の旅において実践の力を信じ、活用していくことを心から願っています。


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