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絢の成り立ち


私は漫画が、好きだ。


最近、

私が読んだ漫画で

「ヒノコ」(津田雅美作、白泉社刊)という

作品がある。


内容は

上古代の日本や

卑弥呼の時代を彷彿とさせる

ファンタジーなのだが、

主人公が書いた文字(漢字)に

その文字の意味が実現化する

呪力が宿ることで、

それを巡って様々な物語がなされる、

というものだ。


作者の津田雅美さん自身が

書道を嗜まれているそうで、

漢字の成り立ちが

とてもさりげなく、かつ、わかりやすく

物語の中で解説されている。


それに影響されて

私も改めて

自分の名前の字の成り立ちを

知りたくなったので、

調べてみた。

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(糸偏(いとへん)は、だんご三兄弟のようだ。)


私の名前の字を説明するとき

口頭では、

ケンランゴウカ(絢爛豪華)のケンの字です。

とか、

歌手のアヤカ(絢香)さんのアヤの字です。

とか

糸偏に、「旬の味覚」のシュンです。

などと、

説明する。


最近、歌手の絢香さんは

あまり活動されてないのか、

例えの理解を得るヒット率が落ちている。

他にも芸能界でよく見かける字になったが、

だいたい私が

テレビから縁遠くなってから出てきた若者のお名前で、

同じ字だがなんと読むのかわからないし、

どのくらいの知名度かもわからないので、

引用として使えずにいる。


絢爛豪華といえば、

私の中では宝塚歌劇団のレビューのイメージだ。(トップスタアが大きな羽しょって階段おりてくるやつ)

私はどちらかといえば

宝塚大劇場は観客がよい。

きらびやかな世界は宝塚でも、歌舞伎でも、バレエでも日本舞踊でも、観るのは大好きだ。

むしろ

サンリオピューロランドで

ポムポムプリン(ケロケロケロッピでもいい)

になって踊っていたいタイプなので、


自ら

私、絢爛豪華ですと名乗るのも

まあまあ気恥ずかしい。

(相手は全く気にしてないだろうが)



「素を以て絢と為す」

という論語の言葉もある。

しろをもってけんとなす。

らしい。

綺麗な色彩を引き立たせるには

まず白い素地が

大事だろ?

という意味の他

色々な解釈があって、

実は私自身あんまり意味はよくわかっていないが、

何か響きがカッコいい。

カッコいいが日本では

普段あまり聞かない言葉なので

残念ながら使えない。



なので、もっぱら、

口頭で名前の字を説明する際は

いとへんに「旬の味覚」を使わせてもらっている。



この旬という字単体では、

日を巡る、という意味をもつ。


上の文字の解説は、

人の腕で太陽を抱えこむとあるが、

白川静さんという学者さんが言うには、

旬とは

竜が太陽の周りを一巡りしてる象形

らしい。

古来中国では、竜が太陽を一巡りすることが、

ある一定の日のめぐり(10日間らしい)なのだ、

という考えがあったらしい。

だから、1ヶ月を上旬、中旬、下旬とわける、

とのこと。

人の腕が太陽を抱え込むとは

どういうことなんだろうか。

竜が太陽をぐるりと巡るというのは、

どういうことなんだろうか。



太陽の光を浴びてキラキラした色々を

糸で布にくくりつけて、表現する。


絢。


漢字は奥が深い。

よくわからないけど、なんだか面白い。


絢という字をもらって40年。

糸にまつわる手芸ごとは、

まったくの不器用で、


きらびやかな模様のまといものは、

今はもっぱら見る専門である。

絢爛な刺繍の晴れ着を眺めるのは

私にとって大変幸せなことである。


なので、そんな晴れ着でいっぱいの

結婚式場の清掃員になるのが、

私の密かな夢でもある。

(笑いの沸点が低すぎるので婚礼スタッフには絶対なれない。)


あと、この1年余りくらいで、

ひょんなことから色彩療法に興味を持って

人が選ぶ色の持つ意味の色々を

ちまちまと勉強している。

そんなわけで、

綺麗な虹色に並ぶガラス瓶を毎日眺めている。

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知らず知らず

私も

絢という自分に与えられた字の力に、

影響されたのだろうか。



自分の世界に現れる

絢なるものを見て

喜ぶ人生も、

素敵だ。


そして出来れば、


人生の終わりには

自分の名前がぴったり

はまるような一生だったと

思っていたい。













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