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大好きなおじいちゃん

私は東京で暮らしていて

母方の実家は岩手にありました。

子供の頃、岩手に遊びに行けたのは年に1回くらい。


私はおじいちゃんが大好きだったので

毎年岩手に行くのが楽しみでした。


遊びに行くとおじいちゃんはいつも笑顔で迎えてくれて

色んな話を楽しそうに話してくれるんだけど

方言がキツイので、正直ほとんど聞き取れず…(笑)


それでも一生懸命おじいちゃんなりにわかりやすいように

話してくれているのは伝わったので

私も笑顔でおじいちゃんの話しを聞いていました。

おじいちゃんが「ははは~!」

って笑うのに合わせて私も笑う。

正直、ちゃんと会話にはなっていなかったと思うけど


それでもおじいちゃんの楽しそうに話す笑顔が大好きで

岩手に遊びに行くのが毎年の楽しみでした。


おじいちゃんのご飯の食べ方が独特。

文字では表現できないんだけど

とてもきれいに食べるんです。

そんな姿を見るのも大好きでした。



でも、私も成長するにつれて

遊びに行ける回数も減っていき

子どもが生まれてからは忙しさを理由になかなか遊びに行けなくなっていました。


長女がまだ小さいころ、久しぶりに遊びに行った時

おじいちゃんは80歳になっていました。

でもとっても元気で

スクーターに乗って

猫背でのろのととしたスピードでゲートボールに行く。


その、スクーターに乗っている姿も大好きで

可愛かった。


子どもが3人になり、あわただしい日々を送る中

岩手に行くことがホントになくなってしまって

気付いたら13年も行ってないことに気付きました。



その年

「今年の夏は絶対おじいちゃんに会いに行く!!」

って強く思いました。

なんでかわからないけど

今年は絶対に行かなきゃ!!

って思ったんです。



そして、13年ぶりに会ったおじいちゃんは

93歳になっていて、痴呆症もあり

ほとんど会話もできない状態になっていました。

大好きなおじいちゃんの笑顔は見れなかったけど

それでもおじいちゃんに会えたことがうれしくて

「また来年も遊びに来るね」

って伝えてきました。



その年の12月

私は子どものPTA役員の集まりがあり

ファミレスにいた時に母から電話がありました。



「おじいちゃんが亡くなったよ」



て。



「え……」


13年ぶりに会えたばかりで、また来年も会えると思っていたのに…

もう、頭の中が真っ白。


母と話しをしながら、たまらなくなってファミレスで泣いてしまいました。




おじいちゃんがいなくなったという現実を少しずつ受け入れる中で

大好きだったおじいちゃんを思い出しながら


あの時、きっとおじいちゃんが呼んでくれたんだ…


って思いました。



今まで何年も会いに行けていない中

あそこまで「おじいちゃんに会いに行かなきゃ!!!」

って思ったのはその年が初めてでした。


何が何でも会いに行かなきゃ!

って。


きっとおじいちゃんも会いたいって思ってくれていたんだろうな…

その想いが私に伝わったんだと思って、おじいちゃんには感謝しています。


「虫の知らせ」


ほんとにあるんですよね。

その時ってわからないんだけど、

後になって教えてくれたんだって思うことが不思議と何度かあって。


その中の一つのお話です。



おじいちゃんありがとう。

あの時、会えてよかった。

教えてくれてありがとう。

会わせてくれてありがとう。


今でも大好きだよ!






最後まで読んでいただきありがとうございます☆頂いたサポートは子ども達の笑顔のために大切に使わせて頂きます(*^^*)心からの感謝をあなたに…...♪*゚