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MBA入学のきっかけとカリキュラム オハイオ州立大学

2022年7月にアメリカ・オハイオ州コロンバスで駐在生活がスタートした。3年間の予定である。アメリカ生活での一番の楽しみは旅行で、いくつかの国立公園やニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ブエノスアイレス等、様々な場所を訪れた。夏のコロンバスは天気が良く、2022年、年内は旅行もたくさん計画していたのでアメリカ生活は充実していた。
一方、冬のコロンバスは極寒で仕事以外は基本的に自宅で過ごした。年が明けて2023年、5月頃まで仕事の都合でまとまった休暇が取れない。年明け以降、旅行ができずムズムズしていた。


1. MBA入学のきっかけ

アメリカに来るまで、駐在中にMBAなんて考えてもいなかった。かつてMBAへの憧れはあったが、能力面金銭面から到底ムリという結論に至った過去があり、どうせムリだしと、憧れていたことすら忘れていた。

2023年1月下旬、あまりにも寒いので家の中でじっとしていたらムズムズが止まらなくなり、新しい何かを探すともなく探すため夜中にネットサーフィンを始めた。

オハイオ州立大学のMBAを検索したのには理由がある。その数か月前に、テキサス州ヒューストンに駐在中の友人から、同じく日本人駐在員である彼女の友人が働きながらMBAに通っている話を聞いて記憶に残っていた。働きながらMBAという選択肢が実際にあるということをその時初めて知った。
アメリカに来る直前に会社の大先輩に「せっかくアメリカに行くしMBAにでも通ってみたら」と冗談めかして言われたことも影響している。また、オハ大のことは、アメリカの職場にオハ大出身の同僚がたくさんいて、彼らがとても優秀なことから良い大学だと認識していた。

かつてMBAに興味を持っていた時の記憶をたどると、入学には2つの高いハードルがあった。①IELTSやTOFEL等の語学力テストと②GMATやGRE等と言われる基礎学力テスト(英語で実施。これはアメリカ人も受験が必要)である。オハイオ州立大学のWorking MBAでも、これらのテストで一定以上の得点が求められる。
「ああ、やっぱりムリだな。」
そう思ったが、よく見ると②の基礎学力テストが免除される場合があると書かれている。大学の成績表とCPA等の資格証明を提出し、一定の評価が得られると免除となるそうだ。
私は日本の公認会計士資格(CPA)を持っているので、もしかすると免除してもらえるかもしれない。
「入学できるかも」
申し込み期限が3月中旬でじっくり考えている時間もないので、とりあえず申し込みの準備をした。本当に始めるかどうかは結果が出てから考えればいい。

語学力テストを受け、履歴書と500文字のエッセイ(「中期的及び長期的な観点でどのようなキャリアを目指したいか?また、なぜMBA?なぜオハ大?」というのがテーマ)を準備し、会社の上司2名に推薦者になっていただけないかとお願いした。

そして無事に合格すると、せっかく合格したからチャレンジしたいと思った。かつては挑戦すらムリと思っていたのだから、MBA入学の権利をみすみす手放せなかった。

2. カリキュラム

オハ大のMBAは、100%通学でも、100%オンラインクラスでも修了できる。また、通学とオンラインクラスの組み合わせも可能である。仕事でアメリカに来ているので、勤務地や任期が変更になる可能性がある。コロンバスで受けきることができなくてもオンラインクラスに切り替えて日本で受講できるので、安心して入学できた。
実際に、私の駐在場所は当初の予定から途中で変更した。
「コロンバス3年(22年7月 - 25年6月)」から
「コロンバス2年(22年7月 - 24年6月)⇒LA1年(24年7月 - 25年6月)」に更新されたので、MBA後半戦はロサンゼルス及び日本で週末のオンラインクラスを受講する予定である。

MBAの単位取得ルールは以下のとおり。

(1)MBAの単位取得ルール

  • 修了には48単位必要。その内27単位はMBA必修科目。残りの21単位は選択科目。

  • 各学期で最大9単位取得できる。1年間を春学期(1-4月)、夏学期(5-7月)及び秋学期(8-12月)の3期に区切る。夏学期は選択科目のクラスのみ。

  • 最短2年で修了可能で、最長6年まで延長可能。(なお、大学側は、各学期で6単位の取得で2年半での修了をおすすめしている。)

  • 必修科目は以下のとおり。

     〇Leadership/リーダーシップ(1.5単位)
     〇Professional Developmentプロフェッショナル育成(1.5単位)
     〇Organizational Behavior/組織行動(1.5単位)
     ■Manegerial Economics/経営経済学(3単位)
     ■Marketing/マーケティング(3単位)
     ■Strategy/経営戦略(3単位)
     ■Global Environment of Business/グローバル環境(1.5単位)
     ■Operations/オペレーション(3単位)
     ■Data Analysis/データ分析(3単位)
     ★Accounting/会計(3単位)
     ★Finance/ファイナンス(3単位)
     (〇ヒト、■モノ、★カネでざっくりと分類)

(2)新学期のカリキュラム

入学時は48単位がどの程度の勉強量になるのかイメージがつかなかったが、新学期の折り返し地点に到達し、全体像がぼんやりと掴めてきた。

  • 3単位は原則、週に1回約3時間×14回の講義。約4ヵ月で完了。

  • 事前課題が毎週あり、毎回、読書、ケース(過去の事例)の検討、論文形式の小テスト、選択式のテスト、又はプレゼン準備等自習時間が必要。

  • クラスによって成績の評価方法が異なるが、論文式のテストや事前課題等、生徒が本質を理解しているかを問うワークの配点が比較的高く、必然的に予習のみならず復習の時間も必要になる。

  • まれに、3時間のクラスを7回受講で3単位取得できるコースがある。この場合、事前課題としてビデオ講義の受講が必要であり、また課題やテストの量も多くなる。

何よりも事前課題を丁寧に取り組むことがMBAコースを骨の髄まで堪能する秘訣ではないかと感じている。予習には時間がかかるが、予習をすることで何とか授業についていくことができるし、つたない英語だけど、中身のあることが言えるようになる。積極的な姿勢で講義に参加すれば、クラスメイトに受け入れられ、友人ができ、講義出席が楽しくなった。

ちなみに、講義では中身のあることばかり意識して発言しようとしているわけでもない。例えば、マーケティングのクラスで好きなブランドを聞かれたときには、「マクドナルドが好き。昔からフライドポテトが大好きで、日本でもアメリカでもよく食べているし、安いのも良い。」と比較的中身のない子供じみた発言もする。その時は言わなかったが、チキンナゲットも大好物である。

試しに講義の時間だけを集計すると、(48単位÷3単位)×3時間×14回=672時間となる。予習復習でクラスの時間の2倍程度勉強するので、全てのカリキュラムを通して672時間×3≒2,000時間程度をMBAに費やすことになる。これだけ経営を学べば、各段にスキルアップするに違いない!と信じる。

下のスライドは、今後2年半のMBA受講計画である。必修科目は特定の学期にしか開催されていない場合もあり、自分の予定と講義の開催日を見比べ、パズルみたいに予定を組む。選択科目はこれからゆっくり考える。

MBAコース 2.5年計画

(3)選択科目をどのように選ぼうか

選択科目は、以下の分野に分かれ、各分野で複数のクラスが用意されているので、今後のキャリアの中で身に付けるべき専門性を考慮し、科目を選ぶことになる。

  • ファイナンス&アカウンティング

  • 組織&人材マネジメントやリーダーシップ

  • オペレーション

  • マーケティング

組織&人材系分野を学問にはめ込むとどうなるのか興味があるし、私の得意分野であるアカウンティングを切り口にファイナンスを深く学ぶのもいいかと思っている。必修科目を受けながら、ゆっくり考えようと思う。

(4)MBAに対する意気込み

とにかく楽しみたい。
MBAを前にして、こんなふうに思うのは少し幼稚かもしれない。立派な人たちは、今後のキャリアのことを意識して何を学ぶか具体的に考えているのかもしれない。
でも、楽しみたいと思うから仕方ない。

ロビンウィリアムズの「今を生きる」を観返したくなった。好きだったのに、どんな内容か思い出せない。

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